PageSpeed Insightsで90点台が出ているのに、Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」ではモバイルのページが「改善が必要」のまま動かない。株式会社Grillがサイト表示速度の相談を受けるとき、最初に聞く悩みの多くがこの食い違いです。
原因は、点数が「1台の端末で1回だけ試した結果」なのに対し、Search Consoleがユーザーの実際の閲覧データで判定している点にあります。点数を上げる作業と、実際のユーザーにとって速くする作業は、必ずしも一致しません。
以下では、読み込みを5つの区間に分けて遅い箇所を特定する考え方から、区間ごとの改善策、広告・計測タグの整理、売上に効くページから直す順番、外注時の費用目安までを順にまとめました。
広告とSEOの両方から集客するサイトにも当てはまるよう、2026年時点のGoogleの基準に沿って、自社サイトのどこから手を付けるべきかが判断できる構成にしています。
GRILLは支援実績500社以上のマーケティング会社です。HP専門家がSEO・導線・デザインの問題点を診断してご提案します。
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「表示が遅い」と一口に言っても、遅れている場所はサイトごとに違います。この章では、改善の地図となる5つの区間と、Googleが示す合格ラインを整理します。
ブラウザがページを表示するまでの流れは、大きく5つの区間に分けられます。どの区間で時間を失っているかによって、打つべき手がまったく変わります。
| 区間 | 何が起きているか | 主な指標 | 遅いときの典型的な原因 |
|---|---|---|---|
| ①サーバー応答 | HTMLが届き始めるまで | TTFB | サーバー性能不足・キャッシュ未設定 |
| ②描画開始 | 最初の文字や色が出るまで | FCP | CSS・JavaScriptの読み込み待ち |
| ③主要コンテンツ表示 | メイン画像や見出しが出るまで | LCP | 重いヒーロー画像・Webフォント |
| ④操作への反応 | タップやクリックに応えるまで | INP | 重いスクリプト・タグの過多 |
| ⑤レイアウトの安定 | 表示中に要素がずれないか | CLS | サイズ未指定の画像・後から挿入される広告枠 |
たとえばTTFBが2秒かかっているサイトで画像だけを圧縮しても、体感はほとんど変わりません。逆にサーバーが速いのにLCPが遅いなら、原因はページの中身にあります。ユーザーが「遅い」と感じる理由も、区間ごとに異なります。
5区間のうち③④⑤は、Googleが「Core Web Vitals」として重視している指標で、SEOの評価にも使われています。web.devの解説によると、良好と判定される目安は次のとおりです。
INPは2024年に、それまでの指標だったFIDに代わってCore Web Vitalsに加わりました。クリック直後の反応だけでなく、ユーザーが閲覧中に行うすべての操作の遅さを拾うため、FID時代に合格していたサイトがINPで不合格になる例が出ています。
PageSpeed Insightsの画面には、上段に「実際のユーザーの環境で評価する」欄、下段に0〜100のスコアが表示されます。上段はChromeユーザーの直近28日間の実データで、下段はLighthouseによる1回の試験結果です。
web.devでは、モバイルとデスクトップを分けたうえで、ページ読み込みの75パーセンタイルで基準を満たすことが推奨されています。つまり「4人に3人が快適」と言える状態が目標であり、スコアの点数そのものが合否を決めるわけではありません。
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速度改善には開発の工数がかかるため、「なぜやるのか」を社内で説明できる状態にしておくと進めやすくなります。売上とSEOの両面から、効き方の違いを押さえておきましょう。
表示速度の影響が最も直接的に出るのは、広告から着地するLPや商品ページです。待たされたユーザーは、内容を読む前に戻るボタンを押してしまいます。
対象は、株式会社Grillが運用支援する広告LP(EC・美容・BtoBの3業種、2025年4月〜2026年3月、N=26ページ)です。モバイルのLCPを平均4.8秒から2.2秒まで短縮しました。その結果、広告の訴求やLPの文言を変えていない期間の比較で、CVRは平均1.31倍に伸びています。
同じ広告費で問い合わせが3割増えるなら、速度改善は広告の入札調整よりも費用対効果の高い施策になり得ます。詳しいLP側の打ち手は「LPOでCVRを改善する効果的な施策10選」でも整理しています。
Google検索セントラルのページエクスペリエンスの解説では、ランキングシステムでCore Web Vitalsが使われていると明記されています。一方で、ページエクスペリエンスが平均を下回るコンテンツも含め、最も関連性の高いコンテンツが表示されるよう設計されているとも書かれています。
つまり、内容で劣るページが速度だけで上位に立つことはありません。SEOでの表示速度は、コンテンツの評価を土台にした加点要素と捉えるのが実態に近い見方です。株式会社Grillの運用経験上、速度改善が順位に効きやすいのは、内容の質が拮抗した上位争いの場面です。
SEO全体の中での位置づけは「SEO内部対策の完全ガイド」とあわせて確認すると整理しやすくなります。
すべてのサイトで、速度改善が最優先になるわけではありません。次のような状態なら、先に別の課題へ手を付けたほうが成果につながります。
流入とフォームのどちらを先に直すかの考え方は「ホームページ集客で先に直すのは流入とフォームのどちらか」で詳しく解説しています。

改善の効果を正しく判断するには、着手前の状態を同じ条件で記録しておく必要があります。ここでは、無料のツールだけで完結する計測手順を4ステップで紹介します。
最初に開くのは、Googleが無料で提供するSEOの管理ツール、Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」レポートです。サイト全体のURLが「良好」「改善が必要」「不良」に分類され、似た構造のページがグループ単位で表示されます。
1ページずつ調べるより先に、どのテンプレートのページ群が遅いのかを把握すると、改善の対象を絞り込めます。たとえば「SEO用のブログ記事は良好、商品一覧だけ不良」と分かれば、一覧ページの構造に原因があると推測できます。
次に、遅いグループの代表URLを、Googleの無料ツールであるPageSpeed Insightsで調べます。実データの欄でLCP・INP・CLSのどれが基準を外れているかを確認し、第1章の5区間のどこに問題があるかを特定します。
下段の「診断」には、「レンダリングを妨げるリソースの除外」「次世代フォーマットでの画像の配信」などの改善候補が並びます。ここで挙がった項目を、そのまま着手リストの素案にできます。
区間が分かっても、具体的にどのファイルが遅いかまでは見えにくいものです。Google Chromeの開発者ツールを開き、「ネットワーク」タブで読み込み順と所要時間を確認すると、重い画像や応答の遅い外部スクリプトを特定できます。
「パフォーマンス」タブで記録を取れば、ページ表示中のどの時点でどの処理が走っているかも時系列で確認できます。INPが遅い場合は、ここで長時間かかっているJavaScriptの処理を探します。
ラボ計測の結果は、回線や端末の状態で毎回ぶれます。実際のユーザーの環境とも異なるため、比べ方を固定することが大切です。改善前後を比べるときは、同じ計測ツールを使い、同じURL・同じ時間帯で3回測って中央値を記録しておくと比較の精度が上がります。
ブラウザ拡張機能が入った状態で測ると、拡張機能の処理まで結果に混ざります。シークレットウィンドウで計測するのが基本です。
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計測で遅い区間が分かったら、その区間に効く手だけを打ちます。ここでは第1章の5区間の順に、代表的な改善策を整理します。
web.devでは、TTFBの目安を0.8秒以下としています。これを大きく超える場合は、ページの中身より先にサーバー側の最適化を検討します。
ユーザーが白い画面のまま待たされるページの多くは、CSSやJavaScriptの読み込みが終わるまで描画が止まっています。ファーストビューに必要なCSSファイルだけを先に読み込み、残りは後回しにするのが基本の考え方です。
スクリプトにはdefer属性を付けると、HTMLの解析を止めずに読み込めます。使っていないCSSやJSが大量に読み込まれている場合は、読み込みの最適化としてページごとに必要なものだけを読み込む設定に変えると効果が出やすくなります。
LCPの対象になりやすいのは、ファーストビューのメイン画像です。この画像の扱いだけで、LCPが1秒以上縮むケースもあります。
画像の遅延読み込みをサイト全体に一括で設定した結果、ファーストビューの画像まで後回しになり、LCPが悪化する例は珍しくありません。遅延読み込みは「スクロールしないと見えない画像」に限定するのが原則です。
INPが遅いのは、ユーザーがタップした瞬間に別の重い処理がブラウザを占有しているためです。メインの処理を長時間止めるJavaScriptを見つけ、分割・削減・後回しのいずれかで対処します。
スライダーやアニメーションなど、装飾目的のスクリプトが原因になっている例も多く見られます。見た目の演出と操作の軽さを天秤にかけ、成果に関係しない演出は削ることも選択肢です。
読んでいる途中で文章が動くと、ユーザーは誤タップや読み直しを強いられます。こうしたずれの原因の多くは、高さが決まっていない要素です。画像や動画にはwidthとheightを指定し、表示前から枠を確保しておきます。
後から差し込まれるバナー、Cookie同意の帯、Webフォントの切り替わりもずれの原因になります。あらかじめ表示領域の高さを確保しておくと、CLSの大半は防げます。

見落とされやすいのが、マーケティング施策のために追加したタグによる遅れです。この章では、計測を止めずに表示速度を取り戻す手順を解説します。
広告媒体のピクセル、ヒートマップ、チャットボット、A/Bテストツールなど、タグは施策のたびに追加されます。一方で、施策が終わっても外す役割を決めている企業はほとんどありません。
株式会社Grillは、支援開始時に必ずタグの棚卸しを行います(2025年10月〜2026年9月、BtoB・EC・医療美容、N=31サイト)。1ページあたりの読み込みタグ数は平均19個でした。そのうち平均6個は、配信停止済みの媒体や終了したキャンペーンのタグでした。
棚卸しは、次の順に進めると漏れが出にくくなります。
必要なタグまで削る必要はありません。読み込み方を変えるだけで、表示への影響は大きく減らせます。
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改善策の効き方は、サイトの作り方によって変わります。ここでは、相談の多い3つの種類について、優先して見るべき点をまとめます。
WordPressのサイトでは、表示速度がSEOと問い合わせ数の両方を左右します。遅くなる原因の上位は、プラグインの入れすぎと、多機能なテーマが読み込む不要なファイルです。
停止したまま残っているプラグインを削除し、似た機能のプラグインは1つにまとめます。テーマ側の最適化は、その後に着手しても遅くありません。
株式会社Grillが2026年に改善を支援したBtoB企業のコーポレートサイト(WordPress・1社)では、プラグインを38個から21個に整理し、ページキャッシュを導入しました。
モバイルのLCPは5.1秒から2.4秒に縮み、Search Consoleの判定も「良好」に変わっています。制作会社の選び方は「WordPressに強いおすすめ制作会社22選」も参考になります。
ECサイトは商品画像の枚数が多く、ユーザーが何度も行き来する一覧ページでLCPとCLSが悪化しやすい傾向があります。一覧用には小さいサイズの画像ファイルを別に用意し、詳細ページとは使い分けて最適化します。
ShopifyなどのSaaS型ECでは、アプリをアンインストールした後もテーマ内にコードが残るケースがあります。アプリの入れ替えが多いストアほど、テーマのコードを定期的に点検することが大切です。集客面の打ち手は「通販・ECサイトに効果的な集客方法9選」で紹介しています。
広告用のLPは、デザインを1枚の大きな画像で作り込むケースが多く、LCPが遅れがちです。ファーストビューの見出しをテキストで組むだけで、スマホのユーザーにも表示が大きく早まることがあります。
背景動画を使う場合は、最初にポスター画像を表示し、動画の読み込みは後に回します。画像の最適化と組み合わせると、LCPは安定しやすくなります。LPの構成を見直す際は「LP構成の作り方完全ガイド」もあわせて確認してください。

改善候補を全部洗い出すと、数十項目に及ぶことも珍しくありません。限られた工数で成果を出すには、着手する順番を決める基準が必要です。
対象ページは、Googleアナリティクス4(GA4)の流入数、コンバージョンへの貢献度、Search Consoleでの判定の3つを掛け合わせて選びます。流入が多く、CVに近く、判定が「不良」のページが最優先です。
株式会社Grillの運用経験上、サイト全体の速度を均等に上げるより、広告の着地ページと、SEOでの流入が多い上位10ページに集中したほうが、売上への反映は早くなる傾向があります。
改善策は、期待できる効果と必要な工数で4つに分けると、着手順が決めやすくなります。
| 分類 | 改善策の例 | 着手順 |
|---|---|---|
| 効果大・工数小 | メイン画像の最適化・優先読み込み、不要タグの停止 | 最初に着手 |
| 効果大・工数大 | テーマの作り替え、サーバー移転 | 計画を立てて実施 |
| 効果小・工数小 | CSS・JSの圧縮、不要プラグインの削除 | 空き時間で実施 |
| 効果小・工数大 | スコアを数点上げるための細かな調整 | 原則見送り |
速度は、改善した後に少しずつ悪化していきます。新しいタグ、大きな画像のバナー、追加のプラグインが積み重なるためです。
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改善策の中には、社内で対応できるものと、専門知識が必要なものがあります。この章では、判断の目安と外注時の費用感を整理します。
| 比較項目 | 自社で対応 | 外注する |
|---|---|---|
| 向いている作業 | 画像の圧縮・差し替え、不要プラグインやタグの削除 | テーマの改修、サーバー移転、スクリプトの分割 |
| 費用 | 担当者の人件費のみ | 数万円〜数十万円 |
| SEOへの配慮 | 担当者の知識に左右される | URL構造や構造化データを崩さずに進められる |
| 期間 | 数日〜2週間程度 | 2週間〜2か月程度 |
| リスク | サイト崩れの原因を特定しにくい | 依頼先の技術力で成果が大きく変わる |
株式会社Grillが見積もり相談を受けてきた範囲では、外注費用は作業内容に応じて次のような幅に収まる傾向があります。
SEO全体の外注費用とあわせて検討する場合は、「SEO対策の費用相場はいくら?」も参考にしてください。

最後に、改善を進める中で寄せられることの多い疑問に回答します。
目指す必要はありません。ツールの点数より大切なのは、上段の実データでLCP・INP・CLSの3指標が良好かどうかという基準です。スコアを数点上げるための作業に工数をかけるより、実データで不合格の指標を直すほうが成果につながります。
TTFBが遅いサイトでは効果が出ます。ただし、遅さの原因が画像やスクリプトにある場合、サーバーを変えても体感はほとんど変わりません。第3章の手順で区間を特定してから判断してください。
Googleは関連性の高いコンテンツを優先して表示する設計のため、速度だけで順位が大きく動くことはまれです。SEOで順位を上げるには、コンテンツの質や内部構造の見直しも並行して進める必要があります。
実データは直近28日間の集計で評価されるため、改善を反映しても判定が切り替わるまでには数週間かかります。反映直後はPageSpeed Insightsの下段で改善を確認し、判定の変化は1か月ほど待って確認します。
WebPやAVIFは、従来のJPEGより小さい容量で同等の画質を保ちやすい形式です。表示サイズに合わせて解像度を調整すれば、ユーザーが見た目の劣化に気づくことはほとんどありません。
リニューアルを予定しているなら、設計段階で速度の目標値を要件に入れるのが効率的です。作り直した後に速度を直すと、SEOの評価が落ち着くまでの期間も長引きます。
URLの変更を伴う場合の注意点は「サイトリニューアルでSEO効果を最大化する5ステップ」で解説しています。
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一度速くしたサイトも、ユーザーの目に触れないところで、翌月にはキャンペーンのタグが増え、翌々月には重いバナーが差し込まれます。ユーザーの体験は、更新のたびに少しずつ削られていきます。表示速度の改善は、作業を終えた日ではなく、遅くならない運用が回り始めた日に完了します。
まずはSearch Consoleで遅いページ群を確認し、流入とCVの多いページから、5区間のどこで時間を失っているかを特定してください。そのうえで、メイン画像の扱いと不要なタグの停止という、効果が大きく工数の小さい2つから着手するのが現実的な一歩です。
広告やLPの運用を続けるほど、タグと画像は増えていきます。株式会社Grillは、広告運用・LP改善・SEOを同じチームで担当しているため、施策を追加する段階で表示速度への影響を確かめながら進められます。
AIを使った計測と分析の自動化で、Search Consoleの判定や主要ページのLCP・INPを継続的に確認しています。遅くなったページは早い段階で見つけて直し、検証と改善のサイクルを短い間隔で回しています。
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「どのページから直せばいいか分からない」という段階でも構いません。御社のサイトで売上に近いページを一緒に特定し、最初の1か月で手を付けるべき改善をご提案します。
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