看板製作の費用相場はいくら?種類別の目安と見積書に載らない隠れたコストの正体とは?

看板製作の費用相場はいくら?種類別の目安と見積書に載らない隠れたコストの正体とは?

看板の見積書に書かれた製作費は、その看板に10年間で支払うお金の一部にすぎません。表示面積が自治体の基準を超えれば許可の申請と更新の手数料がかかり、内照式なら毎晩の電気代が、テナント物件なら退去時の撤去費が後から加わります。発注時の金額だけを比べて業者を選ぶと、安く見えた看板ほど所有期間のコストがかさむことがあります。

費用の外側にも見落とされがちな論点があります。看板を見た人の多くは、その場で店名をスマートフォンで検索し、Googleマップで店の情報を確かめてから来店を決めるからです。看板の費用を回収できるかは、検索した先の見え方にも左右されます。

東京都では2026年(令和8年)4月1日から、看板の許可更新時に出す安全点検報告書の様式と点検時期が変わりました。看板製作の費用を種類別の相場だけで判断せず、許可申請や電気代を含めた10年総額と、その費用を来店で回収する導線まで見通せるよう、順に整理していきます。

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目次

第1章 看板製作の費用は設置場所で桁が変わる|自社物件・テナント・借地の3パターン

第1章 看板製作の費用は設置場所で桁が変わる|自社物件・テナント・借地の3パターン

看板の費用は、種類やサイズより先に「どこに付けるか」で構造が決まります。同じ大きさの看板でも、自社の建物・借りている店舗・他人の土地では、払う項目そのものが異なるためです。第2章で紹介する相場も、設置場所の前提をそろえてから見ると比べやすくなります。

1-1. 自社所有の建物に付ける看板は製作費と工事費が中心になる

自社で所有する建物の店舗に看板を付ける場合、費用の中心は製作費と取り付けの工事費です。設置面を自由に選べる反面、古い建物では、看板の重さに耐えるための下地補強が追加の工事として見積もりに載ることがあります。屋外に出す看板であれば、自治体の屋外広告物の規制(第4章)は自社物件でも同じように適用されます。

1-2. テナント物件の看板はオーナー承諾と原状回復の費用が加わる

テナントとして入居する店舗では、看板を付けられる面・サイズ・照明の可否が、賃貸借契約やビルの管理規約で決められていることがほとんどです。施工を依頼する前に、ビルオーナーや管理会社の承諾を得ておく必要があります。

費用面で見落としやすいのは退去時です。契約に原状回復の義務があれば、看板の撤去だけでなく、アンカーの穴埋めや外壁の補修まで借主の負担になります。看板の設置時と退去時の2回、借主に費用が発生すると考えておきましょう。

株式会社Grillが店舗の出店・リニューアルを支援する現場では、テナント契約の看板条項を見積もり前に確認しなかったために、作り直しが発生するケースをたびたび目にします。設置できる面が限られていたり、ビル指定の施工業者しか工事できなかったりする条件は、看板の種類やサイズ、デザインが固まった後に判明すると費用と工期の両方に響きます。看板の業者に依頼する前に、契約書の看板に関する条項と管理規約を手元にそろえておきましょう。

1-3. 他人の土地に建てる野立て看板は地代が毎年発生する

幹線道路沿いや駅前の空き地に建てる野立て看板は、土地の所有者に地代を払って設置します。製作費と基礎工事に加えて、地代が毎年かかり続ける点が自社物件・テナントとの大きな違いです。地代の相場は場所や看板のサイズで大きく異なり、交通量の多い道路沿いほど高くなる傾向があります。

契約が更新されなければ、まだ使える看板でも撤去することになるため、土地の契約期間と看板の使用見込み年数は合わせて検討しましょう。依頼先の業者には、契約満了時の撤去まで対応できるかも確認しておくと安心です。

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第2章 種類別の看板製作費用と耐用年数|1年あたりで比べる6種類の相場

第2章 種類別の看板製作費用と耐用年数|1年あたりで比べる6種類の相場

設置場所の前提が決まったら、看板の種類ごとの費用の相場をつかみます。ここでは製作費の幅だけでなく、想定使用年数で割った「1年あたりの費用」を並べて比べます。

種類製作費の相場(目安)工事の要否想定使用年数1年あたりの相場
スタンド看板・A型看板数千円〜5万円程度不要3〜5年数千円〜1万円程度
壁面看板(平看板・ファサードサイン)10万〜50万円程度必要10年前後1万〜5万円程度
袖看板(突き出し看板)15万〜60万円程度必要(高所作業)10年前後1.5万〜6万円程度
自立看板・野立て看板50万〜200万円以上必要(基礎工事)10〜20年5万〜10万円程度
電飾看板・LEDサイン30万〜100万円程度必要(電気工事)10年前後3万〜10万円程度+電気代
カッティングシート・ウィンドウサイン数千円〜10万円程度貼り付けのみ3〜5年数千円〜2万円程度

※金額は一般的な相場の目安です。サイズ・素材・照明の有無・設置場所の条件で大きく変わります。1年あたりの目安は、製作費(工事費を含む)を想定使用年数で割って算出しています。

国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」では、器具及び備品のうち「看板、ネオンサイン、気球」の耐用年数は3年とされています。実際の使用期間は10年前後になることが多いため、会計上の年数と予算を組む年数は分けて考えましょう。地面に固定する大型の自立看板などは構築物として扱われる場合があり、区分によって耐用年数が変わるため、経理処理は税理士に確認してください。

2-1. スタンド看板・A型看板は数千円から作れて、屋外では数年で買い替える

店頭に置くスタンド看板は、工事が不要で、製作費の相場も数千円〜5万円程度と最も手軽に始められる看板です。たとえば看板宝屋の公式サイトでは、A型スタンド看板が7,800円で掲載されています(2026年10月時点)。

表示面を差し替えればデザインを季節ごとに変えられる反面、毎日の出し入れや風雨で傷みやすいため、数年ごとの買い替えを前提にした消耗品として予算を組みましょう。

2-2. 壁面看板・ファサードサインは店名の認知を長く支える固定費になる

建物の正面に付ける壁面看板は、店舗の名前を通行人に覚えてもらう看板の中心です。看板印刷.comの公式サイトでは、壁面看板が22,000円〜(税込・2026年10月時点)とされています。ただしこれは表示面の価格で、取り付けまで含めた相場は10万〜50万円程度です。実際の総額はサイズ、切り文字か平板かといったデザイン、取り付ける高さによって変わります。

10年前後使うことを考えると、安い素材で作って5年で作り直すより、耐候性の高い素材で長く使うほうが、1年あたりでは安くなることがあります。素材ごとの耐候性は業者によって説明が異なるため、見積もりには使う素材の名前を明記してもらいましょう。

2-3. 袖看板(突き出し看板)は歩行者向けで、電飾の有無で工事費が変わる

建物から道路側へ突き出す袖看板は、歩道を歩く人の視界に正面から入るため、路面店や2階以上の店舗でよく使われます。製作費の相場は15万〜60万円程度で、高所作業車や道路使用許可が必要になる分、工事費が製作費に近くなる場合もあります。

内照式にすると電気工事と設置後の電気代が加わるため、昼間の営業が中心なら照明なしの袖看板で十分なケースも多くあります。

2-4. 自立看板・野立て看板は基礎工事が費用の大半を占める

店舗の駐車場の入口や道路沿いに建てる自立看板は、看板本体よりも、地面に支柱を立てる基礎工事に費用がかかります。大型になるほど基礎も大きくなるため、相場は50万〜200万円以上と幅があります。

倒壊すれば通行人に危害を及ぼすため、自立看板では定期的な点検の費用も予算に入れておきましょう。

自立看板は両面に表示するか片面にするかでも製作費が変わり、両面の自立看板なら表示面の製作が2面分になります。

2-5. 電飾看板・LEDサインは製作費より電気代と球切れ対応で差がつく

電飾看板は、照明が蛍光灯かLEDかで毎月の電気代と球切れ対応の頻度が大きく変わるため、製作時の金額だけで比べると判断を誤りやすい種類です。製作費の相場は30万〜100万円程度で、LEDは製作費がやや高くなる傾向がありますが、消費電力が少なく交換の手間も減ります(電気代の計算は第5章)。

2-6. カッティングシート・ウィンドウサインは最小予算で始められる

ガラス面に店名や営業時間を貼るカッティングシートは、製作費の相場が数千円〜10万円程度と、最も低い予算で始められる看板です。看板印刷.comではウインドウサインが3,300円〜(税込・2026年10月時点)とされ、看板宝屋では塩ビシート100×100cmが2,700円で掲載されています。

文字中心のデザインなら原状回復もしやすく、開業直後の店舗の仮看板にも使えますが、屋外側のシートは日光で退色するため数年ごとの貼り替えが前提です。

第3章 デザイン費・製作費・工事費の決まり方|サイズと素材で看板の見積もりが動く仕組み

第3章 デザイン費・製作費・工事費の決まり方|サイズと素材で看板の見積もりが動く仕組み

看板の見積もりは、多くの場合「デザイン費」「製作費」「工事費」の3項目で構成されます。それぞれの金額が何で動くのかを知っておくと、相場より高いか安いかを自分で判断できます。

3-1. デザイン費はロゴの有無と修正回数で数万円単位の差が出る

デザイン費を大きく左右するのは、ロゴや店名の書体がすでに決まっているかどうかです。デザインを依頼するときにロゴデータを支給できれば、看板のサイズに合わせたレイアウト調整だけで済みますが、ロゴから作るとなるとデザイン費は数万円単位で上がります。

修正回数の上限を超えると追加料金がかかる業者もあるため、依頼の段階で「何回まで修正できるか」を確認しておくと安心です。業者ごとのデザイン費の相場を比べるときも、修正回数とロゴ作成の有無をそろえて比べましょう。

3-2. 製作費はサイズ×素材×加工(切り文字・内照式)の掛け算で決まる

製作費は、表示面のサイズ、使う素材の種類、加工の方法の掛け算で決まります。屋外で長く使うほど耐候性の高い素材が必要になり、加工では、平らな板にシートを貼る平板が最も安く、文字を1文字ずつ切り出す切り文字や、内部に照明を入れる内照式になるほど高くなります。デザインを依頼する段階で「切り文字にするか」「光らせるか」を決めると、製作費の大枠がほぼ固まります。

3-3. 工事費は取り付け高さ・高所作業車・夜間作業で跳ね上がる

工事費は、取り付ける高さと作業の条件で大きく変わります。2階以上の壁面看板や袖看板では高所作業車が必要になり、道路に車両を止める場合は道路使用許可や警備員の手配も加わります。

商業地では夜間施工になることもあり、看板ホットラインの公式サイトの参考価格例でも、既存袖看板の表示面交換について、高所作業車・道路使用許可・警備員・現場取付などを「別途」と明記しています。

見積書で「一式」とまとめて書かれやすいのが、交通運搬費・諸経費・副資材・既存看板の撤去処分費です。朝日エティック株式会社は公式サイトで看板工事の見積項目を14項目に分けて公開しており、項目の粒度を比べる参考になります。複数の業者に見積もりを依頼するときは、「一式」の中身を書き出してもらいましょう。同じ項目どうしで比べると、工事費が相場から外れていないかを判断できます。

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第4章 屋外広告物の許可申請と手数料|看板製作の費用に上乗せされる4つの行政手続き

第4章 屋外広告物の許可申請と手数料|看板製作の費用に上乗せされる4つの行政手続き

店舗の看板や野立て看板など、屋外に出す看板は、各自治体の屋外広告物条例の対象になります。基準や手数料は自治体ごとに異なるため、ここでは東京都の屋外広告物条例を例に、費用に関わる手続きを4つに分けて整理します。

4-1. 許可が必要な看板と不要な看板|自家用広告物の面積の基準

自分の店名などを自分の店舗に表示する看板は「自家用広告物」と呼ばれ、東京都の「屋外広告物のしおり」(2026年版)によると、地域ごとに定められた合計面積以内であれば、許可の申請は不要です。

  • 商業地域・近隣商業地域・住居地域など:表示面積の合計が10㎡以下なら許可不要
  • 低層・中高層住居専用地域、風致地区など:表示面積の合計が5㎡以下なら許可不要

面積は同じ場所に出す自家用広告物の合計なので、壁面看板と袖看板、窓のシートを足して基準を超えれば許可申請が必要です。また、地域によっては光源の点滅や赤色光の使用が禁止されているため、デザインを依頼する前に確認しておきましょう。

4-2. 申請手数料は表示面積で決まる|東京都の計算例と2年ごとの更新

東京都の屋外広告物許可申請手数料は、看板の種類が広告板の場合「面積5㎡までごとにつき3,220円」、許可期間は「2年以内」と定められています。たとえば表示面積8㎡の壁面看板なら、5㎡ごとに2単位で6,440円です。

看板を出し続ける限り、2年ごとに継続の許可申請と手数料が必要です。なお、区長・市長・町長が許可する広告物は各区市町で手数料を定めており、東京都の金額と異なる場合があります。

申請の代行を業者に依頼すると、手数料とは別に代行費がかかります。株式会社Grillは、出店・リニューアル支援で飲食・美容・クリニックの店舗看板の見積もりを確認してきました(2025年1月〜2026年6月、N=24件)。そのうち14件では、許可申請の代行費が見積書に含まれていませんでした。申請を誰が行い、費用がどこに計上されているかは発注前に確かめておきましょう。

4-3. 更新のたびに求められる安全点検と、点検を依頼する費用

東京都では、広告板などの許可を更新する際、屋外広告物管理者による点検結果の確認を受けた安全点検報告書の提出が求められます。

屋外広告物管理者になれるのは、建築士、電気工事士、電気主任技術者、屋外広告士などの資格を持つ人です。自社に有資格者がいなければ、看板の施工会社などに点検を依頼することになり、更新のたびに点検費がかかります。2026年4月1日からは点検報告書の様式・点検時期・添付する写真が変更されているため、更新時期が近い場合は東京都屋外広告物のホームページで最新の様式を確認してください。

4-4. 無許可・期限切れの看板は罰金や除却命令の対象になる

許可が必要なのに許可を受けずに看板を出した場合、東京都の条例では罰金の対象になります。除却命令に従わない場合も同様です。

また、条例は許可期間が満了した広告物を直ちに除却するよう求めているため、更新時期を管理する仕組みが欠かせません。後から許可を取り直す段階で基準に合わないと分かれば看板の作り直しが必要になり、最初から手続きを踏むより費用がかさみます。

第5章 設置後に毎年かかる看板の費用|電気代・点検・張り替え・撤去と10年総額

第5章 設置後に毎年かかる看板の費用|電気代・点検・張り替え・撤去と10年総額

看板は設置した日から費用が発生し続ける設備です。ここでは、電気代・張り替え・撤去といった設置後のコストの相場を見たうえで、10年間の総額を試算します。

5-1. 電飾看板の電気代は蛍光灯とLEDで年間いくら違うか

店舗の電飾看板の電気代は、「消費電力(kW)×点灯時間×電力量料金の単価」で計算できます。照明のない看板の種類であれば、この費用はかかりません。単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安単価31円/kWh(税込)を使うと見積もりやすくなります。

照明の種類消費電力(試算条件)年間の電力量(1日12時間×365日)年間の電気代(31円/kWh)
蛍光灯300W1,314kWh約40,700円
LED150W657kWh約20,400円

この条件では、LEDに切り替えるだけで年間約2万円、10年間で約20万円の差が出ます。消費電力は看板のサイズと照明の数で変わるため、見積もりを依頼する際に業者に値を出してもらい、店舗の営業時間で計算し直してみましょう。

5-2. 屋外シートの退色と張り替えのタイミング・費用

屋外の看板に使うインクジェット出力のシートは、日光や雨で少しずつ色があせ、南向きや西向きの面では数年でデザインが読みにくくなることもあります。張り替えは枠を残して表示面だけを交換できるため、作り直しより費用を抑えられます。張り替えの相場は、表示面のサイズと取り付けの条件で変わります。

看板ホットラインの公式サイトの参考価格例では、既存壁面看板の短期用シート上貼り(W12,000×H1,000mm)の出力加工費が52,900円〜とされています。これとは別に、現場取付施工費などがかかると明記されています。

5-3. 撤去・原状回復にかかる費用の目安と、退去時に慌てない契約の確認

看板の撤去費の相場は取り外しと処分の条件で決まり、看板の種類によって差があります。高所作業車が必要な袖看板や、基礎を掘り起こす自立看板ほど高くなります。テナント物件では、外壁の補修まで含めた原状回復が求められることもあります。

退去直前では業者を比べる余裕がないため、看板の設置を依頼する時点で契約書の原状回復の範囲と、撤去を誰がどこまで行うかを確認しておきましょう。

5-4. 看板製作の費用を10年総額で試算|内照式の壁面看板と袖看板の場合

ここまでの費用を、東京都の商業地域にあるテナント店舗が、内照式の壁面看板(8㎡)とLEDの袖看板(3㎡)を10年間使うケースで積み上げます。合計面積が10㎡を超えるため、許可申請が必要な想定です。設置から撤去までを同じ業者に依頼した場合を想定しています。金額は試算のための仮定値で、実際の見積もりとは異なります。

費用項目試算条件10年間の金額
デザイン費店名ロゴの看板用調整5万円
製作費+工事費壁面看板60万円・袖看板40万円100万円
許可申請手数料8㎡で6,440円+3㎡で3,220円=9,660円×5回(新規+更新4回)約4.8万円
安全点検費更新時に1回3万円と仮定×4回12万円
電気代LED合計150W・1日12時間・31円/kWh約20.4万円
表示面の張り替え6年目に1回と仮定10万円
撤去・原状回復退去時に1回と仮定15万円
合計約167万円

発注時の製作費と工事費は100万円でも、10年間では約1.7倍の約167万円になる計算です。1年あたりにすると約16.7万円で、これが看板の費用対効果を考えるときの基準になります。製作費の相場だけを見ていると、この差は見えません。

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第6章 来店で回収する看板製作の費用|Googleマップ・QRコードとつなぐ4つの集客導線

第6章 来店で回収する看板製作の費用|Googleマップ・QRコードとつなぐ4つの集客導線

1年あたり十数万円かかる看板の費用は、来店につながって初めて回収できます。看板を見た人を来店まで運ぶ導線を、4つの視点で整理します。

6-1. 看板を見た人はその場で店名をスマホ検索する|Googleマップでの見え方が来店を左右する

看板を見た人の多くは、店名をスマートフォンで検索し、Googleマップの営業時間や口コミ、写真を確かめてから来店を決めます。そこで店舗情報が古かったり未登録だったりすると、看板で生まれた関心が途切れます。

Googleマップでの見え方を整える基本は「MEO集客の始め方と上位表示のコツ」で解説しています。

6-2. 看板とGoogleビジネスプロフィールの店名・外観写真をそろえる

看板のデザインに使った店名表記と、Googleビジネスプロフィールに登録した店名が違うと、検索した人は同じ店かどうか迷います。英字とカタカナ、支店名の有無といった小さな違いでも、検索結果で見つけにくくなる原因になります。

外観写真も、旧看板のままでは現地で店舗を探す人が見落とすため、看板の設置後すぐに差し替えましょう。業種別の施策は「Googleマップ集客のMEO対策10選と業種別戦略」が参考になります。

口コミを増やす取り組みも、来店後の導線として看板と組み合わせられます。ただし、Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーは、割引や無料の商品などのインセンティブと引き換えに口コミを求めることを禁止しています。進める前に「口コミ収集で避けるべきガイドライン違反」も確認してください。

6-3. 看板は場所が動かないため、Googleマップのルート検索と電話タップで効果を測る

チラシや広告と違い、看板は店舗の前から動きません。看板を見た人は近くにいるため、効果はGoogleビジネスプロフィールの「ルート検索」や「電話タップ」の増減に表れやすくなります。看板の設置前後で同じ期間の数字を比べれば、追加の費用をかけずに効果の傾向をつかめます。

看板経由の行動をさらに切り分けたいなら、QRコードを看板のデザインに組み込む方法があります。読み取り後のページは予約の入口に直結させ、迷わず進める構成にしておきましょう。ページ構成の考え方は「LPOでCVRを改善する効果的な施策10選」で取り上げています。

QRコードを看板に載せた7店舗(株式会社Grillの支援先、飲食・美容・クリニック、2025年4月〜2026年3月)では、QR経由の予約完了が1店舗あたり月平均7〜8件ありました。読み取ったうち予約まで進んだ割合は約18%で、看板を見て「その場で予約したい」と考える人が一定数いることが分かります。

6-4. 看板リニューアルとMEO対策を同時に行った店舗の変化【株式会社Grillの支援データ】

看板の施工とGoogleマップの整備を同じ時期に行うと、リニューアル前後の数字で効果を比べられます。

株式会社Grillの支援先である飲食・美容・クリニックの店舗(2025年4月〜2026年3月、N=18店舗)を対象に集計しました。これらの店舗では、看板リニューアルに合わせてGoogleビジネスプロフィールの店名表記と外観写真を看板と統一しました。その結果、リニューアル後3か月のGoogleマップ経由のルート検索数は、リニューアル前3か月比で平均1.6倍、電話タップ数は平均1.3倍になりました。

看板の製作費に比べると、Googleマップ側の整備にかかる費用は小さく済みます。継続的な運用を外部に依頼する場合の費用の相場は、「MEO対策の費用相場と料金体系」で比較しています。飲食店であれば「飲食店のMEO対策7つの施策」も参考になります。

第7章 看板製作の依頼先9選|製作会社8社と設置後の集客導線を支援する1社を比較

第7章 看板製作の依頼先9選|製作会社8社と設置後の集客導線を支援する1社を比較

看板の依頼先は、通販で看板本体を買う「通販型」、地域で施工まで行う「地域施工型」、申請や点検まで全国で引き受ける「ワンストップ型」に分かれます。第4章・第5章で見たとおり、看板は所有している間の手間がかかるため、ここでは「設置後の手続きや管理をどこまで任せられるか」を軸に比較します。依頼する看板の種類と店舗の数によっても、合う会社は変わります。

会社名タイプ公式サイトでの価格の公開施工・申請・点検向いている看板・ニーズ
株式会社Grill看板製作と集客導線を支援あり首都圏エリアを中心に対応看板を来店につなげたい店舗
看板宝屋(株式会社高昇)通販型+首都圏施工あり首都圏エリアを中心に対応スタンド看板・シートを手頃に
サインモール(株式会社サインモール)通販型あり(税込併記)施工の記載なし自分で設置できる小型看板
看板印刷.com(株式会社エビス)地域施工型あり(税込)施工あり・訪問エリア内の現地調査無料首都圏の壁面看板・ウインドウサイン
WEBCAN(株式会社オーエスアート)通販型(製造直売)あり施工なし(配送販売)既製品のスタンド看板・サイン
CUVIC CITY(株式会社トレード)ワンストップ型料金シミュレーションあり・個別見積もり全国で施工・撤去・各種申請代行・安全点検多店舗の看板をまとめて
朝日エティック株式会社ワンストップ型要問い合わせ(見積項目を公開)申請支援・施工・定期点検大型看板・多拠点の管理
東邦宣伝株式会社地域施工型要問い合わせ設置工事・安全点検まで関西の店舗・ビルの看板
有限会社ジャックスクリーン地域施工型要問い合わせ施工・メンテナンス関西・首都圏の大型看板

7-1. 株式会社Grill

株式会社Grill

【看板設置後の集客導線(MEO・Web広告・LP)まで設計する店舗集客の支援会社】

株式会社Grillは看板を製作するだけの会社ではなく、看板が設置された後に、その看板を見た人を来店まで運ぶ導線を設計する会社です。中心となるのはMEO対策で、看板の店名表記に合わせたGoogleビジネスプロフィールの整備、外観写真の更新、口コミが自然に集まる導線づくりを月額5,000円〜で支援しています。MEO対策の業界相場は月額1〜3万円が一般的ですが、投稿の作成や順位の確認にAI・自動化ツールを組み込んで作業時間を減らすことで、この料金を実現しています。

看板経由の来店を数える仕組みづくりと、Web広告による集客の上乗せにも対応しています。QRコードの計測用URLの設計から、商圏に絞ったリスティング広告・Meta広告の運用まで、最低出稿予算10万円〜・手数料10%〜で引き受けます。広告運用の手数料は業界標準の20%前後に対して半額の水準で、効率化で生まれた時間を週ごとの数字の確認と改善に充て、高速でPDCAを回します。費用の考え方は「リスティング広告の費用相場と予算別運用」「Meta広告の費用相場と課金方式」で解説しています。

さらに、QRコードのリンク先となる予約ページやLPの改善、看板と同じデザインを使ったSNS広告の制作にも対応しています。

\ 看板設置後の集客導線も設計 /

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会社名株式会社Grill
所在地東京都渋谷区東3丁目22−14 グランファースト恵比寿 5階
公式サイトhttps://grill.co.jp/

7-2. 看板宝屋(株式会社高昇)

看板宝屋(株式会社高昇)

【スタンド看板からシートまで手頃な価格で選べる看板の製作業者】

看板宝屋は、東京都江戸川区の株式会社高昇が運営する看板の製作・設置サービスです。公式サイトにはA型スタンド看板7,800円、塩ビシート100×100cm 2,700円など、商品ごとの価格が掲載されています(2026年10月時点)。

施工まで依頼する場合は、首都圏エリアを中心に対応しています。

会社名株式会社高昇
所在地東京都江戸川区
公式サイトhttps://kanbantakaraya.com/

7-3. サインモール(株式会社サインモール)

サインモール(株式会社サインモール)

【税込価格で比べやすい看板の通販サイト】

サインモールは、東京都豊島区の株式会社サインモールが運営する看板の通販・製作サイトです。公式サイトでは商品価格が税込で併記されており、総額を把握しながら注文できます。

公式サイトに施工サービスの記載はなく、工事の要らない看板を自分で設置する通販型です。

会社名株式会社サインモール
所在地東京都豊島区
公式サイトhttps://www.signmall.jp/

7-4. 看板印刷.com(株式会社エビス)

看板印刷.com(株式会社エビス)

【デザインから施工まで一貫して任せられる首都圏の看板業者】

看板印刷.comは、埼玉県川口市の株式会社エビスが運営し、看板のデザイン・製作・施工を一貫して手がけています。公式サイトでは壁面看板22,000円〜、ウインドウサイン3,300円〜(いずれも税込・2026年10月時点)と価格を公開しています。

訪問エリア内では現地調査を無料で行うとしており、取り付け位置やサイズを現地で相談したうえで見積もりを依頼できます。

会社名株式会社エビス
所在地埼玉県川口市
公式サイトhttps://www.kanbaninsatsu.com/

7-5. WEBCAN(株式会社オーエスアート)

WEBCAN(株式会社オーエスアート)

【製造直売で既製品の看板を選べる通販サイト】

WEBCANは、神奈川県厚木市の株式会社オーエスアートが運営する看板の製造直売サイトです。公式サイトに商品ごとの価格を掲載しており、既製品の看板を選んで購入できます。

施工は行わず配送での販売です。

会社名株式会社オーエスアート
所在地神奈川県厚木市
公式サイトhttps://www.os-art.co.jp/ec/

7-6. CUVIC CITY(株式会社トレード)

CUVIC CITY(株式会社トレード)

【製作から撤去まで全国対応する看板のワンストップ業者】

CUVIC CITYは、名古屋に本社を置く株式会社トレード(1990年設立)が運営し、看板の製作・デザイン・設置・撤去を全国で請け負っています。各種申請の代行や安全点検にも対応しています。公式サイトには料金シミュレーションが用意されており、最終的な金額は個別の見積もりで決まります。

多店舗の看板を1社にまとめて依頼したい企業の候補になります。

会社名株式会社トレード
所在地愛知県名古屋市
公式サイトhttps://cuvic.com/outsourcing/

7-7. 朝日エティック株式会社

朝日エティック株式会社

【申請支援から定期点検まで担う全国展開の看板会社】

朝日エティック株式会社は、大阪市福島区に本社を置き、国内19事業所を展開する会社です。看板の企画から自社工場での製作、各種申請の支援、施工、定期点検までを手がけています。

具体的な金額は公開していませんが、看板工事の見積項目を公式サイトで公開しています。許可申請や安全点検が必要な大型の看板を、設置後の管理まで含めて依頼したい企業に向いています。

会社名朝日エティック株式会社
所在地大阪府大阪市福島区
公式サイトhttps://www.etic.co.jp/business/sign/

7-8. 東邦宣伝株式会社

東邦宣伝株式会社

【提案から安全点検まで1社で完結する関西の看板会社】

東邦宣伝株式会社は大阪市の看板会社で、看板の提案から設置工事、安全点検までを1社で完結させる体制をとっています。屋外広告士や点検技能士が在籍している点も公式サイトで示されています。

料金は公開されておらず、見積もりの依頼で確認する形です。

会社名東邦宣伝株式会社
所在地大阪府大阪市
公式サイトhttps://toho-senden.com/service/signboard_production/

7-9. 有限会社ジャックスクリーン

有限会社ジャックスクリーン

【設計から施工・メンテナンスまで手がける看板の製作会社】

有限会社ジャックスクリーンは大阪府八尾市の会社で、看板の設計・デザイン・製作・施工・メンテナンスを手がけています。建設業許可(鋼構造物工事業)を持ち、屋外広告業は近畿7府県・東京都・千葉県で営業できるとしています。

料金は個別の見積もりで、鉄骨を使う大型の自立看板などで候補になります。

会社名有限会社ジャックスクリーン
所在地大阪府八尾市
公式サイトhttps://jacscreen.com/

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第8章 削ってよい費用・削ると高くつく費用|看板製作の費用で減らせる4項目と残すべき1項目

第8章 削ってよい費用・削ると高くつく費用|看板製作の費用で減らせる4項目と残すべき1項目

看板の費用には、削ってよいものと削ると後で高くつくものがあります。減らせる4項目と、残すべき1項目に分けて整理します。

8-1. 既存看板の枠を残して表示面だけを交換する

居抜きの店舗や看板のリニューアルでは、枠を残して表示面のデザインだけを交換すれば、製作費も工事費も大きく下がります。

同じ看板ホットラインの価格例を見ると、既存袖看板の表示面板交換(非電装・W600×H3,600mm)のパネル表示面板製作費(2面)が56,700円〜とされています。枠の製作と取り付けがない分、新設の相場より総額を抑えられます。

8-2. 屋内から見えるスタンド看板・シートは通販型の業者で作る

スタンド看板や窓の内側に貼る小さなサイズのシートは工事が不要なため、通販型の業者で作ると費用を抑えられます。通販型は価格を公開しているので、第2章の相場と見比べながら選べます。

ただし、高所に取り付ける壁面看板や袖看板を自分で取り付けるのは、落下事故の危険があるため避け、施工は業者に依頼しましょう。

8-3. ロゴや店名のデザインデータを自社で用意してデザイン費を減らす

ロゴや店名の書体がデータで用意できていれば、デザイン費は看板のサイズに合わせた調整だけで済みます。拡大しても劣化しない形式のロゴデータを探しておきましょう。

看板とLPのデザインを揃えておくと、検索した人が同じ店だとすぐに分かります。LPの構成は「LP構成の作り方完全ガイド」も参考にしてください。

8-4. 表示面積を見直して許可申請と更新の手間を軽くする

東京都の商業地域などでは自家用広告物の合計10㎡以下なら許可不要のため、看板の数やサイズを見直すことで、申請と2年ごとの更新、安全点検の手間を減らせる場合があります。

ただし基準は地域や地区で異なり、面積を小さくすれば必ず許可が不要になるわけではないため、計画の段階で自治体の屋外広告物の窓口に確認するか、業者に確認を依頼してください。

8-5. 照明・下地・固定金具は削ると修繕費で高くつく

照明の配線、壁の下地補強、固定金具やアンカーは、完成後に見えないため見積もりで削られやすい項目ですが、看板を安全に支える部分です。

固定金具や下地補強を省いた看板は、年数がたつと金具の腐食やぐらつきが起こりやすくなります。更新時の安全点検で不具合が見つかれば修繕が必要になり、削った金額を上回る費用がかかることもあります。

第9章 看板は10年使う設備として予算を組もう|設置場所・許可・集客導線から逆算する看板製作の費用

第9章 看板は10年使う設備として予算を組もう|設置場所・許可・集客導線から逆算する看板製作の費用

看板の発注書にサインした時点で、その後10年の支出はほとんど決まってしまいます。表示面積が許可の要否と更新手数料を、照明の方式が毎晩の電気代を、契約条項が退去時の撤去費を、すべて発注の段階で確定させるからです。看板の設置を依頼する前の今が、その10年分の支出を見直せる最後の機会です。

9-1. 見積もり依頼の前に決めておく3つのこと

業者に見積もりを依頼する前に、まず設置場所の権利関係をはっきりさせてください。自社物件・テナント・借地で、承諾を取る相手も退去時の義務も変わります(第1章)。届いた見積もりは、第2章の相場と1年あたりの費用で見比べましょう。

次に、出す看板の種類と合計面積が、その地域の許可不要の基準に収まるかを確かめます。基準を超えるなら、申請の代行や2年ごとの点検をどこに依頼し、その費用が見積書のどこに入っているかまで確認しておくと、発注後に予算が崩れません(第4章)。

そして最後に、看板を見た人がどこへ行くのかを決めておきます。店名で検索した人が見るGoogleマップの情報、QRコードを読み取った人が開くページが整っていて初めて、1年あたり十数万円の看板の費用が来店で回収できます(第6章)。MEO対策を外部に依頼する場合の判断軸は「MEO代理店の選び方」にまとめています。

9-2. 看板の施工日とGoogleマップの更新日をそろえるなら「株式会社Grill」へ

新しい看板が付いた日、店舗の前で足を止めた人が店名を検索すると、Googleマップには以前の店名や旧看板の写真が表示されている。看板の施工日とGoogleマップの更新日が別々に決まっていると、こうしたずれがリニューアルの初日から起こります。

株式会社Grillは看板を製作する会社ではありませんが、看板のデザイン案が固まった段階から加わります。新しい店名表記やカテゴリの変更案を施工日より前に用意し、看板が付いた当日に外観写真を撮り直して差し替えるところまでを、施工の日程に合わせて段取りします。

看板の施工日が決まったら、その日付と看板のデザイン案をお知らせください。旧看板の情報がGoogleマップに残る期間をできるだけ短くするための準備を、施工日から逆にたどってお伝えします。

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この記事を書いた人
2014年オイシックス株式会社にて海外事業の中核を担ったのち、香港および中国現地法人の社長に就任。アジア市場における事業の飛躍的な拡大を牽引。2017年には株式会社Emooveを代表取締役CEOとして創業。ゼロからの事業立ち上げて急成長を実現し、事業売却(EXIT)を成功へと導く。現在は、株式会社Grillの取締役COOとして参画。これまでの経営手腕と最前線で培った知見を融合させ、様々な業界に向けて事業成長に直結するWEBマーケティング支援を強力に推進している。
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