スタートアップにおすすめな広告代理店16選!資金調達フェーズ別の選び方と費用の目安

スタートアップにおすすめな広告代理店16選!資金調達フェーズ別の選び方と費用の目安

資金調達を発表すると、広告代理店からの提案が一気に届き始めます。ところが、調達直後にWeb広告の予算を大きく積み増したスタートアップほど、数か月後に配信を止めてしまう。株式会社Grillが相談を受ける案件でも、この順番の逆転が最もよく見る失敗です。

成果が出ない原因は、代理店の腕よりも依頼のタイミングと任せ方にあります。2026年現在、主要な運用型広告は自動入札が前提です。

株式会社Grillの運用経験上、1件あたりの獲得単価の上限が決まっていないまま配信すると、機械学習は「安く取れる、でも売上につながらない」成果を集めにいきます。

ここでは、広告で伸ばせる段階かどうかの見極めから始め、シード・シリーズA・シリーズB以降で変わるスタートアップと広告代理店の組み方を整理しました。

費用の試算、提案段階での質問、フェーズ別に選んだ16社の比較、契約後12か月のロードマップまで読み進めれば、自社がいま誰に何を頼むべきかが決まります。

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目次

第1章 依頼の前に確かめたい「広告で伸ばせる段階か」|スタートアップの判断基準

第1章 依頼の前に確かめたい「広告で伸ばせる段階か」|スタートアップの判断基準

代理店を比べる前に、自社の事業がそもそも広告で伸ばせる状態にあるかを確認します。ここを飛ばすと、どれほど優秀な広告代理店を選んでも成果は出ず、予算が溶けるだけになります。

1-1. 広告費を増やしても伸びないスタートアップに共通する3つのサイン

株式会社Grillがこれまでスタートアップを支援してきた実績の中で、広告を増やしても成果が伸びなかったケースには共通のサインがありました。次の3つのうち2つ以上に当てはまる場合は、広告より先にプロダクトや営業の側を整えるほうが投資効率は高くなります。

  • 紹介や指名検索での獲得がほぼゼロ: 既存顧客が他社に勧めていない状態は、広告で連れてきた顧客も定着しにくいサインです
  • 初回購入や無料トライアル後の継続率が月ごとに大きくぶれる: 誰に刺さっているかが定まっておらず、ターゲティングの前提が作れません
  • 受注の大半が代表者の個人的な営業に依存している: 広告で獲得した見込み客を、代表以外が商談化できるマーケティングと営業の仕組みがまだありません

逆に言えば、この3つが解消に向かっている時期こそ、Web広告で獲得の成果を加速させる好機です。広告代理店への相談も、この段階で行うと提案の質が大きく変わります。

1-2. 限界CPAを出せないうちは広告代理店の提案を比べられない

Web広告の運用を広告代理店に頼むとき、提案を比較する物差しは、「1件の獲得にいくらまで払えるか」という限界CPAです。粗利とLTV(顧客生涯価値)、そして投資回収に許容できる月数から逆算します。

たとえば月額2万円・粗利率80%のSaaSで、平均継続が20か月なら、1社あたりの粗利は32万円です。回収期間を12か月に置くと、許容できる獲得費用は約19万円になります。

この数字を持たずに提案を受けると、各社が示す「想定CPA」や見込みの成果が妥当か判断できません。算出の手順は「リスティング広告のKPIは限界CPAから逆算」で詳しく扱っています。スタートアップの場合は、LTVの実績がまだ短い点を踏まえ、継続月数を保守的に見積もってから代理店と共有してください。

1-3. 配信を止めてLPを直してから再開したBtoB SaaSの実践例

株式会社Grillが2025年に支援したBtoB SaaSのスタートアップ(社名非公開)は、月60万円のリスティング広告でデモ依頼が月4件にとどまっていました。広告の設定より先にLPを調べると、料金の目安も導入企業の規模も書かれていなかったのです。

そこで配信を2週間止め、LPに「従業員50〜300名の企業向け」「初期費用なし」と明記しました。導入企業の業種も3つ加えたうえで再開しています。予算は同額のまま、再開後3か月の平均でデモ依頼は月11件まで増えました。

このケースで成果を分けたのは入札の調整ではなく、広告から着地するページの情報設計でした。スタートアップのマーケティングは、代理店に丸投げするより、事業側が持つ一次情報をLPに出し切るほうが先に効くことが多いのです。

BtoB向けの設計は「BtoBに特化したLP制作の完全ガイド」も参考にしてください。

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第2章 資金調達フェーズで変わるスタートアップと広告代理店の組み方|シードからシリーズB以降まで

第2章 資金調達フェーズで変わるスタートアップと広告代理店の組み方|シードからシリーズB以降まで

広告で伸ばせる段階だと判断できたら、次は自社の資金調達フェーズに合わせて広告代理店に任せる範囲を決めます。同じ「広告運用の依頼」でも、シードとシリーズB以降では期待すべき役割も成果の物差しもまったく違います。

2-1. シード〜プレシリーズA:月10万〜30万円の広告費で仮説検証を任せる

この時期のWeb広告の目的は、売上を伸ばすことより「どの訴求が、どの顧客に、いくらで刺さるか」を確かめることです。予算は月10万〜30万円程度でも、検証の設計さえ正しければ次の判断に使える成果が得られます。

代理店に求めるのは大量配信の腕ではなく、少ないデータで勝ち負けを判断する設計力です。媒体は1〜2つに絞り、訴求軸を3パターンほど並べて2〜4週間で見切るスピード感が向いています。

少額に対応する代理店の探し方は「低予算で始めるリスティング広告代理店の選び方」にまとめました。

2-2. シリーズA:月100万円前後で再現性のある獲得チャネルを作る

シリーズAの調達後は、投資家に示した事業計画の獲得目標に対し、月次で安定した成果を出せるチャネルを作る段階に入ります。リスティング広告に加え、SNS広告や動画広告を組み合わせる判断が必要になるのもこの時期です。

運用代行を任せる代理店には、媒体ごとのCPAの差を踏まえた予算配分と、クリエイティブを毎月入れ替えてきた制作実績を求めます。ここで「運用はするが制作は別会社」という分業にすると、改善のたびに調整が発生し、施策のスピードが落ちます。

2-3. シリーズB以降:テレビCMなどの認知施策と運用型広告を統合する

シリーズB以降になると、運用型広告だけでは獲得の成果が頭打ちになることがあります。指名検索を増やすマーケティング施策として、テレビCMや動画広告による認知施策を検討するスタートアップが増えるのもこの段階です。

このとき注意したいのは、認知施策とWeb広告の運用を別々の代理店に任せきりにしないことです。テレビCMの放映後に指名検索やSNS広告の反応がどれだけ動いたかを、同じ指標で振り返れる体制を作ってください。

2-4. フェーズ別に見るスタートアップの依頼範囲・予算・KPIの早見表

株式会社Grillの支援実績をもとに、フェーズごとの目安を一覧にしました。金額は業種や商材単価で変わるため、あくまで出発点として使ってください。

フェーズ月額広告費の目安代理店に任せる範囲重視するKPI
シード〜プレシリーズA10万〜30万円1〜2媒体の配信設計と訴求検証訴求別のCVR・限界CPAとの差
シリーズA50万〜300万円複数媒体の運用、クリエイティブ・LP改善CPA・投資回収期間・商談化率
シリーズB以降300万円〜認知施策を含む統合プランニング指名検索数・CAC・事業全体の回収期間

第3章 スタートアップが広告代理店に任せる業務・社内に残す業務|切り分けの考え方

第3章 スタートアップが広告代理店に任せる業務・社内に残す業務|切り分けの考え方

フェーズに合う組み方が見えたら、具体的にどの業務を外に出し、どの業務を社内に残すかを決めます。ここが曖昧なまま契約すると、代理店の担当者が事業の核心に触れられず、提案が表面的になり、成果にもつながりません。

3-1. 広告代理店に任せたほうが速い業務:媒体設定・入札・クリエイティブ検証

次のWeb広告の業務は、専門の運用代行に任せたほうが立ち上がりが速く、社内で抱えるより失敗も少なくなります。

  • 媒体のアカウント設計と計測タグの実装: コンバージョンの定義を誤ると、自動入札が誤った学習を続けます
  • 入札戦略と予算配分の日次調整: 複数媒体を横断して、成果の出ている配信へ予算を寄せる判断です
  • 広告クリエイティブの量産とABテスト: 特にSNS広告は、検証本数を増やすほど勝ちパターンが早く見つかります
  • 媒体の審査対応: 新しい業態や前例の少ないサービスは審査で差し戻されやすく、対応実績のある代理店ほど通過までが早い傾向があります

どの媒体から試すかを決めるとき、媒体ごとの特性は「SNS広告の種類を完全ガイド」で比較しています。

3-2. スタートアップ社内に残すべき業務:訴求の核・顧客理解・最終判断

一方で、次の3つは代理店がどれほど優秀でも代わりが利きません。社内にマーケティング専任者がいなくても、代表や事業責任者が握っておく必要があります。

  1. 訴求の核になる顧客の声: 導入の決め手や解約理由は、顧客インタビューを行う社内にしか集まりません
  2. 獲得目標と限界CPAの決定: 事業計画と資金繰りに直結するため、代理店の提案を受けて社内で決めます
  3. 配信を止める・広げるの最終判断: 次の資金調達までの残り期間を踏まえた判断は、経営の仕事です

3-3. スタートアップが広告代理店を活用する3つのメリット

業務を適切に切り分けた前提で、スタートアップが広告代理店を使うメリットは大きく3つあります。

  • 採用を待たずに運用チームを持てる: 運用経験のあるマーケティング人材の採用には数か月かかることも珍しくありません。代理店なら契約から数週間というスピードで配信を始められます
  • 投資家に説明できる数値設計が手に入る: CAC(顧客獲得コスト)や投資回収期間を、取締役会の資料にそのまま使える形で整理してもらえます
  • 予算の増減に体制ごと対応できる: 調達後に予算を数倍にしても、運用人数や制作本数を代理店側で調整できます

対象は、株式会社Grillが支援したシード〜シリーズAのスタートアップです(BtoB SaaS・D2C・アプリ、2025年4月〜2026年3月、N=14社)。配信開始前に限界CPAを代理店と合意した8社は、6か月後のCPAが開始月比で平均31%下がりました。合意しなかった6社の平均は9%の低下にとどまっています。

代理店に依頼する一般的な利点は「広告代理店に依頼する本当のメリット」でも整理しています。

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第4章 契約後に後悔しやすい4つの失敗パターン|スタートアップの広告代理店選び

第4章 契約後に後悔しやすい4つの失敗パターン|スタートアップの広告代理店選び

任せる範囲が決まっても、契約条件の確認が甘いと後から身動きが取れなくなります。スタートアップの相談で株式会社Grillが実際によく耳にする、代理店選びの失敗を4つに絞って紹介します。

4-1. 大手広告代理店の最低出稿額に届かず、提案が後回しになる

知名度のある大手に声をかけたものの、Web広告に月数百万円規模の予算を出すことが前提で、担当がつくまでに時間がかかった。シード期のスタートアップからよく聞く話です。契約できたとしても、社内での優先度が低く、経験の浅い担当者に割り振られることがあります。

問い合わせの時点で、最低出稿額と「自社と近い予算規模の支援実績が何社あるか」を確認してください。規模の近い案件を多く持つ代理店のほうが、少額でも成果につながる検証の設計に慣れています。

4-2. 手数料20%のまま予算を増やし、代理店費用が固定費化する

運用代行の費用を広告費の一定率で支払う料金体系は、予算を増やすほど代理店への支払いも比例して膨らみます。シードの月30万円なら手数料は6万円ですが、シリーズA後に月300万円へ増やすと60万円です。

運用の工数や成果は、広告費に比例して増えるわけではありません。予算を段階的に増やす計画があるなら、契約時に「予算が一定額を超えた場合の料率」を交渉しておくことをおすすめします。

手数料の相場と抑え方は「リスティング広告代理店の手数料相場と費用の抑え方」で解説しています。

4-3. 広告アカウントを代理店名義で作られ、乗り換え時に学習データを失う

広告代理店が自社名義で広告アカウントを開設し、広告主には閲覧権限だけを付与するケースがあります。この形だと、契約を終えたときにアカウントごと引き継げず、蓄積した配信データや学習をゼロからやり直すことになります。

スタートアップは、代理店の乗り換えやインハウス化が数年のうちに起きる前提で考えるべきです。アカウントは必ず自社名義で開設し、代理店には管理権限を付与する形にしてください。

4-4. 月1回のレポートを待つ間に、ランウェイが先に減っていく

Web広告の数字を月次レポートでしか共有しない代理店だと、配信の不調に気づくのが最大で1か月遅れます。資金に限りがあるスタートアップにとって、この遅れは次の資金調達までの残り期間を直接削ります。

契約前に、管理画面やダッシュボードをリアルタイムで共有できるか、週次で担当者と話せるかを確認してください。株式会社Grillの運用経験上、改善のスピードと成果を決めるのは、担当者の腕以上に「数字を見て判断するまでの間隔」です。

第5章 手数料・定額・成果報酬の費用相場|スタートアップ向け広告代理店の料金比較

第5章 手数料・定額・成果報酬の費用相場|スタートアップ向け広告代理店の料金比較

失敗パターンの多くは、契約前に費用の構造を理解しておけば避けられます。ここでは料金体系ごとの特徴と、予算規模別に試算した代理店費用の総額を見ていきます。

5-1. スタートアップ向け広告代理店の3つの料金体系と向き不向き

Web広告を扱う広告代理店の料金体系は、大きく次の3つに分かれます。

料金体系仕組みスタートアップに向く条件注意点
手数料型広告費の一定率(20%前後が一般的)予算を段階的に増やす予定がある増額に比例して代理店費用も増える
定額型広告費の区分ごとに固定額を支払う予算が一定の範囲で安定している少額帯では割高になる場合がある
成果報酬型獲得件数や売上に応じて支払う1件あたりの成果定義が明確成果の定義次第で質の低い獲得が増える

シードからシリーズAにかけては、手数料型か定額型が現実的です。成果報酬型は代理店側がリスクを負うぶん、獲得しやすい層に配信が偏りやすく、事業計画の検証には不向きなことがあります。

5-2. 月額広告費30万・100万・300万円で試算した代理店費用の総額

同じ手数料型でも、料率が10ポイント違うだけで年間の差は大きくなります。Web広告の月額予算別に、代理店への支払いを試算しました。

月額広告費手数料20%の場合(月)手数料10%の場合(月)年間の差額
30万円6万円3万円36万円
100万円20万円10万円120万円
300万円60万円30万円360万円

月300万円の配信を1年続けると、差額は360万円に達します。この金額は、クリエイティブの追加制作やLPの改修、あるいはマーケティング担当の採用費に回せる規模です。広告費全体の目安は「リスティング広告の費用相場と予算別運用」も参照してください。

5-3. 初期費用・最低契約期間・制作費で見落としやすい3つの項目

月々の手数料以外にも、見積もりで確認すべき費用があります。

  • 初期費用:アカウント設計や計測設定の費用として、無料から数万円以上まで幅があります
  • 最低契約期間:3か月から6か月以上を求める代理店もあり、途中解約の違約金の有無も確認が必要です
  • クリエイティブ制作費:バナーや動画の制作が手数料に含まれるか、1本ごとの別料金かで総額が変わります

スタートアップは資金調達の時期によって予算が大きく動きます。最低契約期間が長い代理店を選ぶ場合は、予算の減額時にどう対応してもらえるかを事前に書面で確認しておくと安心です。

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第6章 提案段階で投げたい6つの質問|スタートアップに合う広告代理店の選び方

第6章 提案段階で投げたい6つの質問|スタートアップに合う広告代理店の選び方

費用の構造がわかったら、候補の広告代理店に実際に質問をぶつけて見極めます。実績や資格の一覧を眺めるより、次の6つの質問への答え方を比べるほうが、自社で成果を出せる相手かどうかがはっきり見えます。

6-1. 「最初の3か月で何を検証し、何をやめますか?」

優れた代理店は、配信開始前に検証の順番と「やめる基準」を示せます。反対に「まず配信して様子を見ましょう」としか言わない場合、予算の使い道が場当たり的になり、成果の検証もあいまいになりがちです。

特にシード期のスタートアップでは、3か月で検証できる訴求軸や媒体の数に限りがあります。優先順位の理由まで説明できるかを確認してください。

6-2. 「広告アカウントの所有者は誰になりますか?」

第4章で触れたとおり、アカウントの名義は乗り換えやインハウス化のしやすさを左右します。この質問に即答できない、または代理店名義を前提にしている場合は慎重に判断してください。

あわせて、解約時に配信データやレポートを引き渡してもらえるかも確認します。

6-3. 「CPAではなく投資回収期間で評価できますか?」

スタートアップの広告は、目先のCPAが安いことより、獲得した顧客が何か月で投資を回収するかが重要です。無料トライアルの登録単価だけを追うと、有料化しない層ばかり集まることがあります。

商談化率や有料転換率まで追いかけて配信を調整できるか、CRMやSFAのデータと連携した実績を聞いてみてください。

6-4. 「週次で運用担当者と直接話せますか?」

営業担当とだけ話し、実際に運用する担当者とは会えない体制の代理店もあります。事業の変化が速いスタートアップでは、伝言ゲームになるだけで改善のスピードが落ちます。

定例の頻度に加え、Slackなどのチャットで日常的にやり取りできるかも確認しておくと、判断までの間隔を短くできます。

6-5. 「LPやクリエイティブの修正は、誰が何日で対応しますか?」

広告の成果は、配信設定よりも着地先のLPとクリエイティブで決まる場面が多くあります。修正のたびに別の制作会社へ発注する体制だと、1回の改善に数週間かかり、スピードが大きく落ちることもあります。

制作の担当者を社内チームで持っているか、修正依頼から反映までの標準的な日数を聞いてください。LPの改善観点は「LP構成の作り方完全ガイド」にまとめています。

6-6. 「予算を3倍にしたとき、体制と手数料はどう変わりますか?」

資金調達後に予算を増やす局面を想定した質問です。運用人数を増やせるか、料率が下がる区分があるか、媒体を追加する余力があるかを具体的に答えてもらいます。

この質問への回答が曖昧な広告代理店は、シード期には合っていても、シリーズA以降に再び代理店を探すことになりかねません。

第7章 スタートアップにおすすめの広告代理店16選|資金調達フェーズ別に比較

第7章 スタートアップにおすすめの広告代理店16選|資金調達フェーズ別に比較

6つの質問で見極める軸が定まったら、具体的な候補を実績や料金で比べてみましょう。ここでは少額の検証に強い会社、シリーズA以降の拡大に強い会社、テレビCMなど認知施策に強い会社の順に16社を紹介します。

7-1. スタートアップ向け広告代理店16社の比較一覧表

会社名向いているフェーズ料金の目安得意な支援
株式会社Grillシード〜シリーズB以降10万円〜 / 手数料10%〜少額検証から拡大までの運用とクリエイティブ・LP改善
株式会社カルテットコミュニケーションズシード〜シリーズA広告費の区分ごとの定額制リスティング広告の運用代行
デジタルアスリート株式会社シード〜シリーズA要問い合わせ / 手数料20%前後Web広告運用とインハウス化支援
株式会社ロカリオシード〜シリーズA要問い合わせ / 手数料20%前後中小・ベンチャー企業の広告運用とLP・バナー制作
ソウルドアウト株式会社シリーズA前後要問い合わせ / 手数料20%前後中堅・中小企業のデジタルマーケティング支援
ブランディングテクノロジー株式会社シリーズA前後要問い合わせ / 手数料20%前後ブランド設計を起点にしたデジタル施策
アナグラム株式会社シリーズA〜要問い合わせ / 手数料20%前後運用型広告の設計・運用
株式会社キーワードマーケティングシリーズA〜要問い合わせ / 手数料20%前後運用型広告の運用代行
株式会社オーリーズシリーズA〜マージン型・フィー型など複数事業理解を重視した運用型広告
株式会社グラッドキューブシリーズA〜要問い合わせ / 手数料20%前後検索・ディスプレイ・SNS広告の運用
株式会社CyberACEシリーズA〜要問い合わせ / 手数料20%前後中堅企業・スタートアップ向けの広告運用
株式会社デジタリフトシリーズA〜要問い合わせ / 手数料20%前後運用コンサルタントによる改善サイクル
株式会社ジオコードシリーズA〜要問い合わせ / 手数料20%前後Web広告とSEO・SFAを組み合わせた支援
株式会社Venture OceanシリーズA〜(D2C)要問い合わせD2Cブランドの市場選定・コンセプト設計
ノバセル株式会社シリーズB以降要問い合わせテレビCMの効果可視化と改善
株式会社テレシーシリーズB以降要問い合わせ運用型テレビCM

※料金は各社公式サイトの公開情報をもとに記載しています。公開がない場合は「要問い合わせ」とし、業界で一般的な手数料水準を併記しました(2026年9月時点)。

7-2. 株式会社Grill

株式会社Grill

【シード期の検証から調達後の拡大まで、同じチームで伴走する運用型広告のプロ】

株式会社Grillは、スタートアップの資金調達フェーズに合わせて、リスティング広告・Meta広告・TikTok広告・YouTube広告の運用設計を組み替える広告代理店です。

AI・自動化ツールで入札調整やレポート作成の工数を削っているため、最低出稿予算10万円〜・手数料10%〜で依頼できます。業界で一般的な20%の半額水準なので、シード期の少額検証でも代理店費用が重くなりません。

浮いた工数は、訴求の検証と改善の回転数に充てています。数字の確認から施策の打ち直しまでの間隔を短く保つため、成果が出るまでの立ち上がりのスピードが速いのが特長です。

SaaS・D2C・アプリなど、スタートアップに多い商材の支援実績があり、月10万円の検証から月数千万円規模の配信まで、体制を柔軟に組み替えて対応します。

広告のクリエイティブ制作とLP改善も同じチームで担うため、改善のたびに外部の制作会社と調整する必要がありません。動画クリエイティブの制作や、薬機法・景表法に配慮した表現の設計にも対応しています。

\ シード期の少額検証から実績が豊富 /

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会社名株式会社Grill
所在地東京都渋谷区東3丁目22−14 グランファースト恵比寿 5階
公式サイトhttps://grill.co.jp/

7-3. 株式会社カルテットコミュニケーションズ

株式会社カルテットコミュニケーションズ

【広告費の区分ごとに手数料を固定する定額制のリスティング広告専業】

リスティング広告の運用代行を中心に、広告費の合計額の区分ごとに手数料を定額で設定している代理店です。公式サイトの料金表では、最低広告費と最低契約期間を設けていません。

公式サイトでは4,200社以上の運用実績を掲げており、Google Premier Partnerにも認定されています。予算が月20万円以内に収まるシード期の検索広告を、コストを読みやすい形で任せたい場合の候補になります。

会社名株式会社カルテットコミュニケーションズ
所在地愛知県名古屋市中区錦2-4-15 ORE錦二丁目ビル11階(東京支社:東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルタワー15階)
公式サイトhttps://quartet-communications.com/

7-4. デジタルアスリート株式会社

デジタルアスリート株式会社

【2,425社を超える支援実績を持つ、インハウス化支援も手がける広告代理店】

2011年に株式会社リスティングプラスとして設立し、2022年に現社名へ変更したWeb広告の専門代理店です。公式サイトでは累計の支援実績を2,425社超としています。

広告の運用代行に加えて、インハウス支援のサービスも提供しています。将来は社内で運用したいスタートアップが、立ち上げ期だけ伴走してもらう使い方に向いています。

会社名デジタルアスリート株式会社
所在地東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング4階
公式サイトhttps://ppc-master.jp/

7-5. 株式会社ロカリオ

株式会社ロカリオ

【中小・ベンチャー企業に特化した、LP・バナー制作まで担う運用支援】

ソウルドアウト株式会社のグループ企業で、中小・ベンチャー・地域の企業に特化したデジタルマーケティング支援を掲げています。戦略の提案から運用、改善までを一貫して提供しています。

LPやバナーの制作にも対応しているため、クリエイティブを内製できない創業期のチームでも依頼しやすい体制です。グループが持つ運用型広告の実績とノウハウを活用できる点も特徴です。

会社名株式会社ロカリオ
所在地東京都文京区後楽1-4-14 後楽森ビル19F
公式サイトhttps://www.localio.co.jp/

7-6. ソウルドアウト株式会社

ソウルドアウト株式会社

【ロカリオなどのグループ会社を持つ、中堅・中小企業向けのデジタルマーケティング支援会社】

中堅・中小企業のデジタルマーケティング支援を主力とする会社で、運用型広告を中心に戦略設計から制作までを手がけています。グループには、中堅・中小企業向けにマーケティングテクノロジーを提供するSO Technologiesや、株式会社ロカリオがあります。

調達後に媒体を広げつつ、全国の顧客接点も視野に入れたいシリーズA前後のスタートアップに適しています。

会社名ソウルドアウト株式会社
所在地東京都文京区後楽1-4-14 後楽森ビル19F
公式サイトhttps://www.sold-out.co.jp/

7-7. ブランディングテクノロジー株式会社

ブランディングテクノロジー株式会社

【ブランドを軸に中堅・中小企業のデジタルシフトを担う支援会社】

ブランドの設計を起点に、中堅・中小企業のデジタル施策を支援している会社です。広告運用だけでなく、ブランドづくりを含むマーケティング全体の相談ができます。

プロダクトの見せ方がまだ固まっていないスタートアップが、広告の前に訴求の土台を整えたいときの選択肢になります。

会社名ブランディングテクノロジー株式会社
所在地東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル4F・5F
公式サイトhttps://www.branding-t.co.jp/

7-8. アナグラム株式会社

アナグラム株式会社

【運用型広告の企画・設計から運用までを専門に手がけるコンサルティング会社】

リスティング広告やSNS広告、動画プラットフォーム広告など、運用型広告の企画・設計・運用に特化した会社です。Google広告からTikTok広告まで、主要な媒体に対応しています。

運用の設計思想まで言語化して共有してもらえる点を重視する、社内に知見を残したいスタートアップに向いています。

会社名アナグラム株式会社
所在地東京都渋谷区千駄ヶ谷4-4-4 フィールド北参道 1〜3F
公式サイトhttps://anagrams.jp/

7-9. 株式会社キーワードマーケティング

株式会社キーワードマーケティング

【2004年設立、運用型広告を軸に東京・関西・九州へ拠点を持つ代理店】

2004年に設立された運用型広告の代理店で、東京本社のほか関西支社と九州佐賀支社を構えています。公式サイトによると、社員数は84名です(2026年4月時点)。

運用型広告を事業の軸に据えてきた会社のため、検索広告を中心にCPAと成果を安定させたいシリーズA期の相談先として検討できます。

会社名株式会社キーワードマーケティング
所在地東京都港区赤坂4-15-1 ONE AOYAMA 13F
公式サイトhttps://www.kwm.co.jp/

7-10. 株式会社オーリーズ

株式会社オーリーズ

【担当社数を絞り、事業理解に時間をかける運用型広告代理店】

担当者1人あたりの担当社数を最大4社に制限し、事業理解に時間を割く方針を公開している運用型広告の代理店です。公式サイトでは、2025年の1人あたり平均担当社数を2.3社としています。

報酬はマージン型や月額固定のフィー型など複数から選べ、最低契約期間は6か月からです。アカウントやデータを広告主側に残す方針も明示しており、将来のインハウス化を考える企業にも安心材料になります。

項目内容
会社名株式会社オーリーズ
所在地東京都港区赤坂4丁目8-15 赤坂KOSENビル7階
公式サイトhttps://allis-co.com/

7-11. 株式会社グラッドキューブ

株式会社グラッドキューブ

【大阪本社・東証グロース上場の、検索広告に強いGoogle Premier Partner】

大阪に本社を置き、東京証券取引所グロース市場に上場している会社です。リスティング広告の運用実績を軸に、Facebook広告などのSNS広告の運用代行も手がけています。

Google Premier Partnerの認定を受けており、薬機法・医療法を遵守する広告代理店としての認定も取得しています。ヘルスケア領域のスタートアップが表現規制を踏まえて相談したい場合にも候補になります。

項目内容
会社名株式会社グラッドキューブ
所在地大阪府大阪市中央区瓦町2-4-7 新瓦町ビル8F(東京支社:東京都港区赤坂4丁目8-15 赤坂KOSENビル8F)
公式サイトhttps://www.glad-cube.com/

7-12. 株式会社CyberACE

株式会社CyberACE

【全国の中堅企業・スタートアップを対象にしたサイバーエージェントグループの広告運用会社】

サイバーエージェントのグループ会社で、成長性のある全国の中堅企業とスタートアップを主な対象に、インターネット広告の運用を提供しています。オンラインツールやテクノロジーを活用した支援を掲げています。

グループの運用ノウハウを取り入れながら、シリーズA以降にWeb広告の規模を広げたい企業に適しています。

項目内容
会社名株式会社CyberACE
所在地東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア20階
公式サイトhttps://cyberace.co.jp/

7-13. 株式会社デジタリフト

株式会社デジタリフト

【運用経験のある営業と運用コンサルタントが改善サイクルを回す代理店】

運用経験を持つ営業担当が提案し、多様な運用実績を持つ運用コンサルタントが改善サイクルを実行する体制を公式サイトで紹介しています。2012年設立で、東京のほか宮崎や千葉にも拠点があります。

提案と実行の間でズレが起きにくい体制のため、事業側の要望を細かく反映させたいスタートアップに合います。

項目内容
会社名株式会社デジタリフト
所在地東京都渋谷区神宮前6-17-11 JPR原宿ビル4階
公式サイトhttps://digitalift.co.jp/

7-14. 株式会社ジオコード

株式会社ジオコード

【Web広告とSEO、SFAまでを一社で扱う、集客から受注までの支援会社】

Webマーケティングとセールステックを組み合わせ、集客から受注までを一社で支援する会社です。広告運用の実績が評価され、国内上位3%の代理店に与えられる「2026 Premier Partner」に認定されています。

広告で獲得したリードを営業管理までつなげたいBtoBのスタートアップにとって、相談窓口を一本化しやすい候補です。

項目内容
会社名株式会社ジオコード
所在地東京都新宿区西新宿6丁目11-3 Dタワー西新宿 37階
公式サイトhttps://www.geo-code.co.jp/

7-15. 株式会社Venture Ocean

株式会社Venture Ocean

【ベンチャー出身のマーケターがD2Cブランドを支援するコンサルティング会社】

ベンチャー企業でブランドを立ち上げた経験を持つマーケターが、D2Cブランドのマーケティングを支援している会社です。「市場選定」と「コンセプト」で大手に勝つことを重視しています。

広告運用の手前にある商品コンセプトや訴求の設計から見直したい、D2Cのスタートアップに向いています。

項目内容
会社名株式会社Venture Ocean
所在地大阪府堺市西区浜寺南町1-66-10
公式サイトhttps://venture-ocean.com/

7-16. ノバセル株式会社

ノバセル株式会社

【テレビCMの効果を可視化し、改善につなげるラクスルグループの広告会社】

テレビCMの効果を「見える化」し、改善につなげるプラットフォーム「ノバセル」を運営する会社です。ラクスルグループに属し、AIを活用した広告代理事業も手がけています。

シリーズB以降に認知施策へ踏み出すスタートアップが、テレビCMを運用型広告と同じように検証しながら進めたい場合の候補です。

項目内容
会社名ノバセル株式会社
所在地東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ 森JPタワー 19階
公式サイトhttps://novasell.com/

7-17. 株式会社テレシー

株式会社テレシー

【運用型テレビCMを軸に、戦略から分析までを提供するサービス】

運用型テレビCMを軸に、総合的なコミュニケーション支援を提供しています。戦略の立案からCM制作、効果の分析と改善提案までを一貫して扱います。

初めてテレビCMに挑戦するスタートアップが、効果を数字で確かめながら出稿規模を決めたいときに検討できます。

項目内容
会社名株式会社テレシー
所在地東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー36階
公式サイトhttps://telecy.tv/

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第8章 スタートアップの広告代理店活用で出やすい5つの疑問

第8章 スタートアップの広告代理店活用で出やすい5つの疑問

候補を比べ始めると、資金調達フェーズ特有の迷いも出てきます。スタートアップの経営者やマーケティング担当者から、株式会社Grillが実際に受けた相談の中で多い疑問に答えます。

8-1. 売上ゼロ・ローンチ前でもスタートアップは広告代理店に依頼できる?

依頼はできますが、目的を「獲得」ではなく「需要の検証」に置くことが前提です。ローンチ前なら、SNS広告で事前登録ページへ誘導し、訴求ごとの反応を比べる使い方が向いています。

少額案件の支援実績がある代理店を選び、本格的な運用代行の契約は、有料の顧客が生まれてから結ぶと予算を無駄にしません。

8-2. 投資家に「広告依存」と見られないためには何を示せばいい?

Web広告に頼っていること自体より、広告の成果として獲得した顧客が投資を回収できているかが問われます。広告経由の顧客について、CACと回収月数、継続率を他のチャネルと並べて示してください。

あわせて、指名検索や紹介による獲得が月ごとに増えているかを示せると、広告が事業の成長を後押しする役割にとどまっていることが伝わります。

8-3. BtoB SaaSは無料トライアルと商談依頼、どちらをCVにすべき?

商材の単価と、プロダクトを触ってから導入を判断するかどうかで決まります。低単価で自己導入できるSaaSなら無料トライアル、導入に社内調整が必要な高単価の商材なら商談依頼が基本です。

どちらを選んでも、最終的な有料化や受注までの成果データを代理店に共有してください。BtoBの検索広告の設計は「BtoBリスティング広告の運用ガイド」で詳しく扱っています。

8-4. 資金調達の前後で予算が読めない時期、契約はどう組む?

最低契約期間が短い、または予算の減額に柔軟な広告代理店を選ぶのが基本です。契約書には、予算を減らしたときの手数料の扱いと、配信を一時停止する場合の条件を明記してもらいます。

調達が決まるまでは、成果の出ている配信だけを残す「縮小運転」の計画も代理店と共有しておくと、資金が入った直後にスピードを落とさず再加速できます。

8-5. 代理店への依頼とマーケティング責任者の採用、どちらを先に進める?

両方を同時に進めるのが現実的です。採用には時間がかかるため、先に代理店と配信を始め、採用した責任者が着任後に代理店の担当者と連携する形にすると空白期間が生まれません。

責任者の採用前に代理店と契約する場合は、第3章で整理した「社内に残す判断」を代表や事業責任者が担う体制を決めておいてください。

第9章 契約から配信開始、インハウス移管までのロードマップ|広告代理店と組む12か月

第9章 契約から配信開始、インハウス移管までのロードマップ|広告代理店と組む12か月

依頼先を決めたあとの進め方で、同じ代理店でも成果は大きく変わります。スタートアップが代理店と組む最初の12か月を4つの時期に分け、各時期で決めるべきことを整理しました。

9-1. 契約〜1か月目:計測設計と限界CPAの合意を先に終える

最初の1か月は、配信の量や目先の成果より土台づくりを優先します。コンバージョンの定義、計測タグの設置、CRMとの連携範囲を固め、第1章で算出した限界CPAを代理店と合意してください。

この時期に媒体を広げすぎると、どの施策が効いたのか切り分けられなくなります。配信は1〜2媒体に絞り、訴求の比較ができる状態を作ることが目標です。

9-2. 2〜3か月目:媒体とクリエイティブを絞り込み、勝ち筋を1つ作る

2か月目以降は、訴求軸ごとの成果を比べ、伸びないWeb広告の配信を止めて予算を寄せていきます。クリエイティブは週単位で入れ替え、勝ちパターンの共通点を言葉にして残しておくことが大切です。

Meta広告などのSNS広告を使う場合の制作の考え方は「Meta広告クリエイティブの作り方完全ガイド」が参考になります。

3か月目の終わりに「この顧客に、この訴求で、この単価なら獲得できる」と説明できれば、次の段階に進めます。

9-3. 4〜6か月目:予算を段階的に増やし、CPAの悪化幅を管理する

成果の出る勝ち筋が1つ見えたら、予算を一度に大きく増やすのではなく、2〜4週間ごとに段階的に引き上げます。配信を広げるとCPAは多少上がるのが普通です。どこまでの悪化を許容するかを、事前に代理店と決めておきます。

この時期に2つ目の媒体を追加すると、獲得チャネルの偏りによるリスクを減らせます。リスティング広告で顕在層を押さえたあと、SNS広告で潜在層に広げる順番が、多くの商材で取り組みやすい流れです。

9-4. 7〜12か月目:インハウスへ移すか、体制を広げるかを決める

半年を過ぎると、運用の型が見えてきます。ここで、社内にインハウスの運用チームを作るか、代理店との体制をさらに広げるかを判断します。3つの選択肢を比べると次のとおりです。

体制立ち上がりのスピード月々のコストノウハウの蓄積向いている状況
代理店への運用代行を継続速い手数料が継続して発生代理店側に残りやすい予算拡大と媒体追加が続く
インハウスへ移管採用・育成に数か月人件費が中心社内に残る広告が事業の中核で、運用者を採用できる
ハイブリッド速い手数料を抑えやすい社内と代理店で分担検索広告は社内、新媒体の検証は代理店

株式会社Grillの支援先には、契約から12か月以内にハイブリッド体制へ移行したスタートアップがあります(BtoB SaaS・D2C、2024年10月〜2026年3月、N=6社)。これらの企業では、移行後6か月の平均CPAが移行前とほぼ同水準を保ちました。代理店への支払いは平均で38%減っています。

インハウス化を急ぐより、運用の判断基準を文書に残してから段階的に移すほうが、成果を落とさずに済みます。

運用型広告の代理店との付き合い方は「運用型広告に特化した代理店の選び方」でも解説しています。

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第10章 次の資金調達までに、広告で勝ち筋を示すスタートアップの広告代理店選び

第10章 次の資金調達までに、広告で勝ち筋を示すスタートアップの広告代理店選び

次のラウンドで投資家が見るのは、広告にいくら使ったかではなく、そのお金で再現性のある獲得の仕組みができたかどうかです。ランウェイの残り月数を考えると、代理店選びに何か月もかける余裕はありません。

判断の順番はシンプルです。広告で伸ばせる段階かを確かめ、限界CPAを決め、資金調達フェーズに合った範囲だけを任せる。

そのうえで、アカウント名義や数字の共有頻度といった契約条件を提案段階の質問で確かめれば、スタートアップの広告代理店選びで大きく外すことはありません。

実績と料金で候補を2〜3社に絞ったら、自社の事業計画と限界CPAの試算を持って相談してみてください。その資料への反応の質が、そのまま代理店が出せる成果の水準を映します。

次のラウンドまでに広告の勝ち筋を数字で示すなら株式会社Grill

調達した資金をWeb広告に投じる前に、「どの顧客に、どの訴求で、いくらまでなら払えるか」を固めたい。株式会社Grillがスタートアップの相談で最初に一緒に取り組むのは、この問いを事業計画の数字に落とし込む作業です。

そのうえで、検証の順番とやめる基準を配信前に決め、数字を見てから打ち手を変えるまでの間隔を短く保ちます。入札やレポートの定型作業をAIに任せ、そのぶん訴求とLPの打ち直しに人の時間を使う。この運用の組み立てが、限られたランウェイの中で成果の出る勝ち筋に早くたどり着く支えになります。

シードの少額検証からシリーズA以降の媒体拡大、将来のインハウス移管を見据えたアカウント設計まで、フェーズが変わっても窓口を変えずに相談できます。直近の事業計画と獲得目標を共有いただければ、御社の限界CPAの試算と、最初の90日の検証計画をお返しします。

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この記事を書いた人
2014年オイシックス株式会社にて海外事業の中核を担ったのち、香港および中国現地法人の社長に就任。アジア市場における事業の飛躍的な拡大を牽引。2017年には株式会社Emooveを代表取締役CEOとして創業。ゼロからの事業立ち上げて急成長を実現し、事業売却(EXIT)を成功へと導く。現在は、株式会社Grillの取締役COOとして参画。これまでの経営手腕と最前線で培った知見を融合させ、様々な業界に向けて事業成長に直結するWEBマーケティング支援を強力に推進している。
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