Google広告のアカウント移管の3つの方法!配信を止めないリンク解除の順番を徹底解説!

Google広告のアカウント移管の3つの方法!配信を止めないリンク解除の順番を徹底解説!

前任の代理店が請求先の変更リクエストを送ったのは月の半ばで、新しい代理店が管理画面でそれを探したのは翌月1日でした。その間に7日が過ぎ、承認も拒否もされなかったリクエストは自動でキャンセルされていたため、前任に送り直してもらうことになります。

移管の作業は、アクセス権・MCCとのリンク・支払いの3つを決まった順に入れ替えていくことです。毎月の請求書発行を使うアカウントで、請求先を移す前にお支払い元とのリンクを外すと、広告の掲載はその時点で止まります。

Google広告のアカウント移管に取りかかる前に決めておきたいのは、同じIDで移すか作り直すか、どの順番でつながりを外すか、どの日を完了とするかの3点です。方向ごとの手順と、残るもの・止まるもの・変わるものを、その判断材料として章ごとに並べています。

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目次

第1章 アカウントIDを変えずに引き継ぐと残るもの・変わるもの|Google広告のアカウント移管で確かめる8項目

第1章 アカウントIDを変えずに引き継ぐと残るもの・変わるもの|Google広告のアカウント移管で確かめる8項目

Google広告のアカウント移管は、新しいアカウントへの引っ越しではなく、同じIDのままユーザーのアクセス権・MCCとのリンク・支払いの主体を付け替える作業です。

項目移管後の扱い
実績・設定の履歴同じアカウントに残る
変更履歴過去2年分を引き続き確認できる
通貨変えられない
タイムゾーン変えられない
アカウント固有のコンバージョン同じアカウントで使い続けられる
クロスアカウントコンバージョン管理元のMCCから外れる場合は計測の準備が必要
MCCの共有リストリンク解除後は使えない
広告配信用の費用請求先の変更で移行も払い戻しもされない

1-1. 管理画面の実績と過去2年分の変更履歴は、移管後も同じアカウントに残る

2026年9月時点のGoogle広告のヘルプによれば、MCCアカウントとのリンクを解除しても「Google 広告アカウントの履歴が失われることはありません」。

過去の実績データに加え、変更履歴ではアカウント・キャンペーン・広告グループに加えた過去2年間の変更もさかのぼれます。2年より前の経緯は表示されないため、運用を長く委託していた場合は前任の担当者から聞き取っておきましょう。

1-2. 通貨とタイムゾーンはアカウント作成時の設定から変えられない

ヘルプでは、タイムゾーンは「アカウントのレポートと請求に必須の情報のため更新できません」と説明され、通貨も支払い方法を決める設定のため更新できないとされています。日本円・日本時間で作ったアカウントは、誰に移管してもそのままです。

1-3. アカウント固有のコンバージョンは残り、クロスアカウントコンバージョンは管理元のMCCから外れる場合に計測の準備が必要になる

ヘルプによれば、コンバージョンアクションには個々のアカウントで作る「アカウント固有」と、MCCアカウントで管理する「クロスアカウント」があります。前者は作成したアカウントにだけ適用されるため、同じIDを使い続ける限り設定もコンバージョンのデータも残ります。

後者を代理店のMCCで管理している場合、リンクの解除後に発生したクリックによるコンバージョンは、そのタグで追跡されなくなります。同じアカウント構造の中で移動するだけなら、このタグは引き続き動作するとヘルプにあります。

自社で計測を続けるなら、管理元から外れる前にアカウント固有のアクションを用意します。

1-4. 自動入札の学習が移管後に保たれるかはヘルプに明記がなく、立ち上がりの傾向で判断する

自動入札の機械学習が移管後に保たれるのか、リセットされるのかは、2026年9月時点のGoogle広告ヘルプでは確認できません。判断の材料になるのは、引き継いだ後に成果がどれだけ早く戻るかという実際の傾向です。

株式会社Grillの運用経験上、同じアカウントIDのまま引き継いだほうが、成果の戻りは早くなる傾向があります。CPAのデータが引き継ぎ前30日の水準に戻るまでの期間は、同じIDで引き継いだ案件が平均2.4週間、新しいアカウントで作り直した案件が平均7.1週間でした。

集計の対象は、株式会社Grillが2025年4月〜2026年8月に引き継いだEC・美容クリニック・BtoB SaaS・人材の案件(N=31件、同じIDで引き継いだ24件と作り直した7件)です。

作り直した側は件数が少ないため、差の大きさより戻りの早さの向きを判断材料にしてください。比べる基準には引き継ぎ前の実績CPAを使い、「リスティング広告のKPIは限界CPAから逆算」して決める目標値とは分けて置いています。

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第2章 移管せずに新しいGoogle広告アカウントを作るべき3つの場面|通貨・タイムゾーン・前任代理店の不同意

第2章 移管せずに新しいGoogle広告アカウントを作るべき3つの場面|通貨・タイムゾーン・前任代理店の不同意

実績を引き継げるのが移管の強みですが、仕様上それでは目的を果たせない場面もあります。手順に進む前に、新しいアカウントを作る側に当てはまらないかを確かめます。

2-1. 円以外の通貨や別のタイムゾーンで運用したいときは、移管では実現できない

海外法人へ運用を移す場合や、ドル建ての請求に切り替えたい場合です。通貨とタイムゾーンは作成時に一度だけ決める設定なので、既存アカウントを誰に移しても変わらず、新しいアカウントを用意するしかありません。

なお、ヘルプによれば請求先住所の国を変更すると、プロモーションと広告配信用の費用は無効になります。作り直しても持ち越せないため、国をまたぐときに失うものとして把握しておきます。

2-2. 前任の代理店がお支払い元アカウントの管理者として手続きを始めてくれないとき

代理店を替える移管では「現在のお支払い元アカウントに管理者権限でログインする必要があります」とヘルプに記されています。

請求先の変更は前任側の操作からしか始められず、前任が応じなければ進みません。話し合いが長引く場合は、新しいアカウントで配信を再開する判断も現実的です。

2-3. 作り直す前に手元へ保存する設定|Google広告エディタのエクスポートと変更履歴の控え

Google広告エディタの[ファイル]メニューからは、CSV、画像付きのZIP、AEA形式のバックアップ、AES形式の変更内容の4形式でエクスポートできます。書き出したデータを別のアカウントへそのまま取り込めるかはヘルプに記載がないため、構成を再現するための控えとして保存します。

変更履歴のデータから入札や予算を動かした日付も書き出しておくと、「リスティング広告のやり方完全ガイド」に沿って新しいアカウントを組み直すときの設定の根拠になります。

停止されたアカウントの代わりに作り直す場合、ヘルプによれば「停止中のアカウントに関連するアカウントも停止される場合があります」。新しいアカウントを作る前に、停止の理由と再審査の申請ができるかを確かめてください。

第3章 作業ごとに必要な権限とMCCのオーナー権限|Google広告のアカウント移管を進められる人の条件

第3章 作業ごとに必要な権限とMCCのオーナー権限|Google広告のアカウント移管を進められる人の条件

ボタンが表示されない、リンク解除がグレー表示で押せないといった場面では、ヘルプも権限の確認を案内しています。作業ごとに運用担当が持つべき権限は次のとおりです。

作業必要な権限
ユーザーの招待・削除・権限の編集管理者
請求先の変更(後払い・前払い)管理者、またはお支払いに関するアクセス権限
外部でのお支払い設定の移行現在のお支払い元アカウントの管理者
MCCからのリンク解除そのMCCアカウントかクライアントアカウントの管理者
GA4・Merchant Center・YouTubeとのリンクGoogle広告アカウントの管理者(GA4はプロパティの編集権限も必要)

3-1. ユーザーの招待・削除とサービス間のリンクは「管理者」の権限で操作する

ヘルプによれば、アクセス権には「メール専用」「お支払いとご請求」「読み取り専用」「標準」「管理者」の5種類があります。ユーザーを招待する、アクセス権を付与・削除するといった操作と、Merchant Centerからのリンクのリクエストを承認する操作は管理者の役割です。

3-2. 請求先の変更ボタンが出ないときは、管理者かお支払いに関する権限が足りていない

後払い・前払いのアカウントでは、[料金]メニューの[設定]から[支払人の詳細]を開いて[請求先の変更]を選びます。

ヘルプには「[請求先の変更]ボタンが表示されない場合は、アクセス権が不足している可能性があります」とあります。毎月の請求書発行の設定やご利用限度額の申請も、管理者権限がないと行えません。

3-3. 既存アカウントを代理店のMCCにリンクしても、オーナー権限は自動では付かない

ヘルプによれば、MCCの管理者が新しく作ったアカウントはそのMCCが自動で所有者になりますが、既存のアカウントをリンクした場合はオーナー権限がデフォルトで付与されません。

所有者はユーザーの招待・削除や管理者権限の付与・取り消しまで行えます。「運用型広告に特化した代理店の選び方」でも契約前の確認事項に挙がる論点なので、移管の前には代理店のMCCで「オーナー」列がどうなっているかを見てもらいましょう。

3-4. 管理者が1人だけのアカウントは、担当者の退職や異動で移管が進まなくなる

ヘルプは、どのアカウントにも「管理者権限を持つユーザーか管理所有権を持つクライアント センター(MCC)アカウントが必要です」と定めています。管理者が1人だけの場合は、管理者を少なくともあと1人追加するよう勧めています。

株式会社Grillの運用経験上、着手前に自社側の管理者を2名にしておくと、前任側の担当交代や自社の担当者の不在で招待が宙に浮く事態を避けやすくなります。

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第4章 リンクを外した時点でGoogle広告の配信が止まる4つのつながり|請求書払い・Merchant Center・YouTube・共有リスト

第4章 リンクを外した時点でGoogle広告の配信が止まる4つのつながり|請求書払い・Merchant Center・YouTube・共有リスト

Google広告ヘルプの各ページで、解除すると広告の掲載や配信が止まると書かれているつながりを、外す前に確かめる4つにまとめました。

4-1. 毎月の請求書発行を使うアカウントは、お支払い元アカウントとのリンクを外すと掲載がすぐに止まる

株式会社Grillの運用経験上、代理店名義の請求書払いでは代理店のMCCがお支払い元アカウントになっていることが多いため、まずお支払い元がどのアカウントかを確かめます。

ヘルプは、請求書払いのアカウントとお支払い元アカウントのリンクを解除すると「広告の掲載がすぐに停止されます」とし、手動支払い・自動支払いには影響がないとしています。

MCCのリンク解除のページにも「リンク解除の前にお支払い情報の設定を変更する必要があります」とあります。請求先を先に移して配信を支える支払いの経路を切り替えてから外す、という順番はここで決まります。

4-2. Merchant Centerとのリンクを外すと、商品情報を使うキャンペーンの配信が止まる

ヘルプによれば、Merchant Centerとのリンクを解除すると、その商品情報を使うキャンペーンでは「商品情報を使用した広告の配信が停止します」。

4-3. 動画広告コントロールが有効なYouTubeチャンネルは、リンク解除でGoogle広告の掲載が止まる

ヘルプによれば「動画広告コントロールが有効になっている場合、リンクを解除した Google 広告アカウントの広告の掲載は停止されます」。チャンネル管理者の交代と、Google広告との連携の解除は別の作業として扱います。

4-4. 代理店MCCの共有リストに頼るリマーケティングは、リンク解除後に配信が止まる

ヘルプの説明では、MCCとのリンクを外すと、共有タグに依存するリストにはデータが追加されず、クライアントアカウントはMCCの共有リストを利用できなくなります。

その結果として広告の掲載が止まるため、リマーケティングを運用しているなら自社のアカウントで使うリストを先に作り、蓄積してから切り替えます。

株式会社Grillが引き継ぎを受ける際は、リンクを外す日より前に次の4点を前任側へ質問しています。
・支払い方法が毎月の請求書発行か、手動・自動支払いか
・商品情報を使うキャンペーンにつながっているMerchant Centerアカウント
・動画広告コントロールを有効にしているYouTubeチャンネル
・代理店MCCの共有リストを使っているキャンペーン

第5章 請求先の変更でGoogle広告アカウントに起きる5つの変化|未払い残高・適格性確認・広告配信用の費用・お支払い基準額と税金・再請求

第5章 請求先の変更でGoogle広告アカウントに起きる5つの変化|未払い残高・適格性確認・広告配信用の費用・お支払い基準額と税金・再請求

支払いの主体が代理店から自社や別の代理店へ移ると、キャンペーンの外側でも変化が起きます。ヘルプの手順と影響の記述から5つに分けます。

5-1. 請求先の変更の前に、未払い残高をクレジットカードかデビットカードで精算しておく

後払い・前払いのアカウントで請求先を変える手順には、未払い残高の支払いが含まれ、「クレジット カードまたはデビットカードを使用する必要があります」。精算の後は、新しいお支払いプロファイルを作成するか、既存のプロファイルを選んで送信します。

5-2. 適格性確認を済ませていても、新しい支払者として再び求められる

請求先を変えると「すでに適格性確認が完了している場合でも、広告主様の適格性確認を完了するよう求められます」。お支払いプロファイルの種類(組織か個人か)も税金と確認に影響するため、法人なら組織のプロファイルを用意します。

5-3. 付与済みの広告配信用の費用は、移行も払い戻しもされない

ヘルプは「現在付与されている広告配信用の費用の移行や払い戻しは行われません」と明記しています。残高があるなら、使い切る時期を見て移行日を決めます。

5-4. 後払いのお支払い基準額と、請求書・税金の宛先が新しい支払者の情報に変わる場合がある

後払いでは「お支払い基準額が現在の金額と異なることがあります」。また「書類と税金は新しい支払者の詳細に基づくため」、請求書の宛名や税金の扱いも変わる場合があります。

5-5. 移行日に過去の日付を選ぶと、未決済の請求書が自動で再請求される場合がある

外部でのお支払い設定の移行では、移行日を指定するか「できるだけ早く」を選びます。ヘルプには「過去の日付を選択した場合、未決済請求書が自動的に再請求される可能性があります」との注意があります。

お支払いプロファイルは法的情報・支払い情報・税務情報を1か所にまとめたもので、Google CloudやGoogleアナリティクスなど他のサービスにも関連付けられています。

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第6章 代理店から自社・別の代理店へ・自社から代理店へ|Google広告のアカウント移管3ルートの手順と開始する側

第6章 代理店から自社・別の代理店へ・自社から代理店へ|Google広告のアカウント移管3ルートの手順と開始する側

移管の手順は、アカウントの移る方向によって、操作を始める人と受ける人が入れ替わります。3つのルートと社内の担当者交代を表にまとめました。

ルート開始する側承認する側期限・条件最後に外すもの
代理店→自社代理店自社の管理者請求書払いなら請求先を先に移す代理店MCCのリンク
代理店→別の代理店前任の代理店新しい代理店7日以内に承認前任MCCのリンクと担当者
自社→代理店代理店自社の管理者オーナー権限は自動で付かないなし
担当者交代自社の管理者新しい担当者メールアドレスの一致旧担当者のアクセス権

6-1. 代理店から自社運用へのGoogle広告アカウント移管|管理者の招待を受け、請求先を自社に変えてから代理店MCCのリンクを外す

  1. STEP1:代理店に、自社のGoogleアカウントを「管理者」で招待してもらう([管理者]メニュー→[アクセスとセキュリティ]→[招待状を送信])
  2. STEP2:招待を承認し、自社の管理者が操作できることを確かめる
  3. STEP3:請求先を自社のお支払いプロファイルに変える(後払い・前払いは[料金]→[設定]→[請求先の変更]、代理店の請求書払いは代理店側からお支払い設定の移行を進めてもらう)
  4. STEP4:配信が続いていることを確かめ、代理店MCCのリンクを解除する([アクセスとセキュリティ]→[管理者]→[アクセス権を削除]→[リンクを解除])
  5. STEP5:代理店の担当者のユーザーを削除する

STEP3を先に置くのは、お支払い元のMCCを外す前に支払い情報の設定を変える必要があるためです。迷っている段階なら、代理店に残す価値を「広告代理店に依頼する本当のメリット」と照らしてから決めても遅くありません。

6-2. 代理店から別の代理店へ|前任代理店が「外部でのお支払い設定の移行」を送り、新しい代理店が7日以内に承認する

前任の代理店は現在のお支払い元アカウントに管理者権限でログインし、[お支払い設定の移行]→鉛筆アイコン→[請求先の変更]→[外部でのお支払い設定の移行]と進みます。入力するのは、新しい代理店のMCCアカウントの10桁のID、今後の支払人の名前、移行日、任意のメモです。

この申請を新しい代理店が7日以内に承認か拒否しなければ、リクエストは自動でキャンセルされ、最初からやり直しになります。

新しい代理店側のベータ版の画面には、保留中の移行を知らせる通知機能がありません。承認を求めるメールは移行先の管理者か連絡先担当者に届くため、その担当者が不在だと7日を過ぎやすくなります。

候補の代理店を並べて見比べるときは、「リスティング広告の運用代行おすすめ20社を比較」に支援範囲の違いがまとまっています。

6-3. 自社運用から代理店へ|既存アカウントを代理店MCCにリンクし、オーナー権限を渡すかを社内で決める

代理店のMCCで新規作成したアカウントはそのMCCが所有者になるため、自社で作った既存アカウントをリンクしてもらうのが基本です。

株式会社Grillの運用経験上、自社の管理者を残し、代理店には必要なアクセス権だけを付与する形が、次の移管の手間を抑えます。委託の手数料は「リスティング広告代理店の手数料相場と費用の抑え方」で相場をつかみ、オーナー権限の扱いと一緒に契約で決めます。

6-4. 社内の担当者交代|MCCも請求先も変えず、アクセス権だけを付け替える

MCCやお支払いプロファイルには触れず、新しい担当者を招待してから旧担当者を[アクセス権を削除]で外します。

旧担当者がオーナーなら、新しい担当者を「管理者」で招待し、承認後に元のオーナーを削除します。招待先は相手のGoogleアカウントのメールアドレスと一致している必要があります。

第7章 新旧の代理店を同時につなぐ引き継ぎ期間|1つのGoogle広告アカウントを管理できるMCCは5つまで

第7章 新旧の代理店を同時につなぐ引き継ぎ期間|1つのGoogle広告アカウントを管理できるMCCは5つまで

前任のMCCを外した日に新しい代理店がつながる、という1日での切り替えは必須ではありません。新旧のMCCを同時にリンクしておく期間の使い方と、外す順番を整理します。

7-1. 1つのクライアントアカウントを同時に管理できるMCCは5つまで|新旧2社のリンクは両立できる

ヘルプはリンク時のエラーとして、1つのクライアントアカウントを管理するMCCの数が「上限(5つ)」に達している場合を挙げています。新旧2社なら収まりますが、運用を任せている別部署のMCCなどがあれば先に数えておきます。

7-2. 同時リンク中の変更は、変更履歴の[ユーザー]列で誰の操作かを確かめる

ヘルプによれば、変更履歴では変更者が[ユーザー]列に表示され、管理画面での操作はメールアドレス、自動システムやAPI経由の変更は別の表記で区別されます。

引き継ぎ期間は「配信設定を触るのは新しい代理店だけ」という運用ルールにし、週1回この列を確かめます。

7-3. 前任代理店のMCCを外す順番|請求先の変更の承認→オーナー権限の移動→リンク解除→ユーザー削除

  1. STEP1:新しい代理店が請求先の変更の申請を承認し、新しいお支払い元で配信が続くことを確かめる
  2. STEP2:オーナー権限を持つMCCの管理者が「オーナー」列で所有者を新しいMCCへ変える
  3. STEP3:前任のMCCとのリンクを解除する
  4. STEP4:前任の担当者のユーザーを[アクセス権を削除]で外す

株式会社Grillの運用では、承認からリンク解除までを暦日で10日以上空け、新しい支払い経路での請求と自社側の計測を確かめます。

1-4と同じ期間・同じ4業種の案件のうち、代理店から引き継いだ19件でも、承認から解除までの日数は中央値で12日でした。

7-4. クロスアカウントコンバージョンを使う場合、解除前のクリックによるコンバージョンは計測期間(通常30日)の間記録され続ける

Google広告のヘルプによれば、代理店のMCCで管理するクロスアカウントコンバージョンを使っている場合、リンクを解除しても計測期間(通常は30日)の間は、解除前のクリックによるコンバージョンが記録され続けます。

解除後のクリックは、そのタグでは追跡されません。この条件に当てはまるなら、移管前後の成果データの比較は30日が過ぎてから行います。

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第8章 前任代理店にGoogle広告のアカウント移管を切り出す前に社内で答えを出す4点|GA4・コンバージョンアクション・承認期限・配信の一時停止

第8章 前任代理店にGoogle広告のアカウント移管を切り出す前に社内で答えを出す4点|GA4・コンバージョンアクション・承認期限・配信の一時停止

前任に移管を伝えた後は、相手の作業を待つ時間が増えます。伝える前に社内で結論を出しておきたい4つの論点を、運用の実務から整理します。

8-1. GA4とのリンクは維持の記述がないため、移管の前後にデータマネージャーで状態を確かめる

移管の後もGA4とのリンクが保たれるかは、ヘルプで明確な記述を確認できません。

GA4のデータを広告の運用に使っているなら、移管の前後でデータマネージャーからリンク中のプロパティを確かめ、外れていれば、Google広告の管理者権限、自動タグ設定、GA4プロパティの編集権限をそろえて張り直します。

8-2. 代理店が作ったコンバージョンアクションは、どこで管理しているかで移管後の扱いが分かれる

アカウント固有のアクションなら同じアカウントに残り、代理店のMCCで管理するクロスアカウントのアクションならリンク解除後のクリックが追跡されなくなります。

管理元を確かめたら、移管前のデータと並べる指標を「リスティング広告の分析方法と指標設計」の考え方で先に固定しておきます。

8-3. 新しい代理店が7日以内に承認しなかった請求先の変更は、自動でキャンセルされて送り直しになる

リクエストは自動でキャンセルされ、前任が移行の申請を最初から出し直します。承認用のメールは移行先の管理者か連絡先担当者に届くので、誰がそのメールを受け取るかと送信日を、自社・前任・新しい代理店の三者で先に決めておくとやり直しを避けられます。

8-4. 配信の一時停止より、請求書払いのアカウントで外す順番を優先して決める

2026年9月時点のGoogle広告ヘルプでは、移管中に配信を止めるべきかの案内を確認できません。株式会社Grillの運用経験上、手動・自動支払いのアカウントは配信を続けたまま移管したほうが、成果や自動入札の学習材料になるコンバージョンの記録に空白を作らずに済みます。

請求書払いのアカウントで止めるべきなのは配信ではなく、請求先を移す前にお支払い元のリンクを外す操作です。

第9章 移管が完了した日をどう決めるか|Google広告のアカウント移管を承認期限と計測期間で締めくくる

第9章 移管が完了した日をどう決めるか|Google広告のアカウント移管を承認期限と計測期間で締めくくる

請求先が切り替わったかは[お支払い設定の移行]ページで現在の設定に付く「現在使用中」の表示で、前任のMCCが外れたかは[アクセスとセキュリティ]の管理者の一覧で、別々に確かめます。

完了とする日を先に決めておかないと、前任との契約終了日が確認の途中に来て、問い合わせる相手がいなくなります。

9-1. アカウント移管の完了日を決める3つの基準|請求先の変更の承認・前任MCCのリンク解除・30日の計測期間の経過

  1. 請求先の変更が承認され、新しいお支払いプロファイルで配信が続いた日
  2. 前任のMCCのリンクを解除し、前任の担当者を外した日
  3. リンク解除から30日が過ぎ、解除前のクリックによるコンバージョンが出そろった日(クロスアカウントコンバージョンを使っている場合)

前任との契約終了日は2つ目の日付より後に置き、3つ目の日付までは問い合わせに応じてもらう取り決めにしておくと、移管後の運用を落ち着いて始められます。依頼先そのものを選び直す場合の比べ方は、「リスティング広告代理店の正しい選び方」にまとめています。

9-2. 7日間の承認期限を受け手の代理店として預かる株式会社GrillのGoogle広告運用

代理店を替える移管で7日間の承認期限を抱えるのは、新しい代理店の側です。株式会社Grillは受け手の代理店として、前任が移行を申請する日と承認メールの受け取り手を事前に決め、期限内の承認から新しい支払い経路での配信の確認までを担います。

同時リンクの期間には、変更履歴のデータを[ユーザー]列ごとにAIで集計し、前任が触った入札・予算・除外の設定を一覧にします。読み込みが短く済むので、7日の期限内に確認を終え、MCCを外す日を御社と決められます。

移管後の運用代行は最低出稿予算10万円〜、手数料は広告費の10%〜で、20%前後に置く代理店が多いなかでも抑えた水準です。

引き継いだ後の最初の数週間は入札と広告文の変更を細かく刻み、CPAが元の水準へ戻るまでの期間を詰めていきます。最初の打ち合わせでは、完了日から逆算した移管の工程表を、前任への依頼事項と日付まで入れてお渡しします。

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この記事を書いた人
2014年オイシックス株式会社にて海外事業の中核を担ったのち、香港および中国現地法人の社長に就任。アジア市場における事業の飛躍的な拡大を牽引。2017年には株式会社Emooveを代表取締役CEOとして創業。ゼロからの事業立ち上げて急成長を実現し、事業売却(EXIT)を成功へと導く。現在は、株式会社Grillの取締役COOとして参画。これまでの経営手腕と最前線で培った知見を融合させ、様々な業界に向けて事業成長に直結するWEBマーケティング支援を強力に推進している。
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