【プロが教える】Web担当者の育成方法は4段階!兼務でも成果を出す方法と評価シートの設計まで!

【プロが教える】Web担当者の育成方法は4段階!兼務でも成果を出す方法と評価シートの設計まで!

月曜の朝、総務と兼務するWeb担当者のもとに、3つの依頼が同時に届きます。営業からは展示会告知の掲載、社長からはSNSを始めたいという相談、制作会社からはサーバー更新の見積です。どれも急ぎに見えますが、どれを自分の判断で進めてよいのかは、誰からも聞かされていません。

Web担当者の育成が止まる会社では、この状態のまま研修や資格の勉強が勧められがちです。足りないのはスキルや知識より先に、「ここまではあなたが決めてよい」と線を引いた1枚の紙です。以下では、業務範囲シートの作り方を起点に、兼務でも止まらない時間配分と、上司が先に決めておく3つのことを整理しました。そのうえで、4段階の任せ方とスキルマップ、評価と引き継ぎ、外部に任せる仕事の線引き、研修・伴走サービス6選までを、2026年時点の最新情報で並べています。

線を引いている会社は、実際にはまだ多くありません。株式会社Grillは、2025年4月〜2026年3月にWeb運用・集客の内製化の相談を受けた企業を集計しました(BtoB製造・士業・EC・医療美容ほか、N=52社)。そのうち、Web担当者の業務範囲を文書にしていたのは9社でした。

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目次

第1章 Web担当者の仕事を3つの責任で定義する|育成の前に決める業務範囲と任せない仕事

第1章 Web担当者の仕事を3つの責任で定義する|育成の前に決める業務範囲と任せない仕事

育成計画を立てる前に、Web担当者が社内でどんな役割を担い、何に責任を持つのかを言葉にしておく必要があります。この章では仕事を3つの責任に分け、自社の業務範囲シートに落とし込むところまでを扱います。

1-1. 更新・集客・窓口の3責任で整理するWeb担当者の業務範囲

Web担当者の業務は、Webサイトの更新からSNS投稿、広告の手配まで、細かく数えると数十項目に及びます。そのまま並べると「何ができれば一人前か」が見えないため、株式会社Grillでは次の3つの責任に束ねて考えています。

責任中身代表的な業務求められるスキル
情報の更新責任WebサイトやSNSの情報を正しく新しい状態に保つお知らせ・実績・採用情報の更新、誤記の修正正確さと継続力
集客の成果責任検索・SNS・広告からの流入と問い合わせを増やすSEO、SNS投稿、アクセス分析、ページの改善数字を読み、仮説を立てる力
社内外の窓口責任制作会社・サーバー会社・各部署との連絡を受け持つ見積依頼、素材集め、公開前の承認回し調整力と段取り

3つの責任は、必要なスキルと知識がそれぞれ異なります。入社2年目の担当者が更新責任は十分に果たせても、集客の成果責任まで同時に背負わせると、どちらも崩れることがよくあります。育成とは、この3つを一度に渡さず、順番に渡していく手続きだと捉えてください。

3つの責任は、Webマーケティングの流れにもそのまま重なります。更新責任はWebサイトという受け皿を整える仕事、成果責任は人を呼び込む集客の仕事です。窓口責任は、その両方を社内外の協力で支える仕事にあたります。どの責任から渡すかを決めることが、Web担当者の育成戦略そのものになります。

1-2. 自社のWeb担当者に任せる範囲を書き出す業務範囲シートの作り方

業務範囲シートは、Webサイトの運用に関わる仕事を一覧にした、A4で1枚に収まる簡単な表で十分です。作り方は次の4ステップです。

  1. STEP1: 直近1か月に発生したWeb関連の業務を、担当者と上司で付せんに書き出す
  2. STEP2: 書き出した業務を、1-1の3つの責任に振り分ける
  3. STEP3: 各業務に「担当者が決めてよい」「上司の承認が要る」「外部に任せる」の3区分を付ける
  4. STEP4: 半年ごとに見直し、「承認が要る」から「決めてよい」へ移せる業務を探す

BtoB製造業で、営業事務と兼務するWeb担当者を想定した記入例は次のとおりです。

業務責任区分
新着情報・展示会情報の更新更新担当者が決めてよい
製品ページの文言修正更新上司の承認が要る
月次のアクセス分析レポート成果担当者が決めてよい
問い合わせフォームの項目変更成果上司の承認が要る
CMSのバージョンアップ・保守窓口外部に任せる

シートの有無は、担当者が続くかどうかにも響きます。導入文で触れた株式会社Grillの集計(2025年4月〜2026年3月、BtoB製造・士業・EC・医療美容ほか、N=52社)を、文書の有無で分けて比べました。範囲を文書にしていた9社では8社で、担当者が12か月後もWebサイトの更新を月2回以上続けていました。文書がなかった43社では、同じ状態を保てたのは15社にとどまっています。

1-3. 育成初期のWeb担当者に任せない3つの仕事|決裁・予算・障害対応

業務範囲シートには「任せない仕事」も書いておきます。次の3つは、育成の初期段階では担当者に持たせないほうが、本人も会社も守れます。

  • 決裁: 価格・キャンペーン条件・医療や法律に関わる表現など、会社として責任を負う内容の公開判断は上司が持つ
  • 予算の執行: 広告費の増額や制作の発注契約は上司が決める。担当者には見積の比較と推薦までを任せる
  • 障害対応: Webサイトの改ざんやドメイン・SSLの期限切れは、保守契約先が対応する。担当者は初動の連絡先を把握しておけば足りる

任せない仕事を明記すると、担当者は「自分が決めてよい範囲」に集中でき、必要なスキルの習得にも時間を回せます。範囲が決まって初めて、次章の時間配分も現実的に組めるようになります。

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第2章 兼務・ひとり担当で止まらないための時間配分|Web担当者の育成計画に入れる作業時間と相談先

第2章 兼務・ひとり担当で止まらないための時間配分|Web担当者の育成計画に入れる作業時間と相談先

中小企業のWeb担当者は、営業や総務との兼務が前提になりやすい立場です。この章では、本業に押し出されてWebの仕事が止まる構造を、時間・相談先・社内協力者の3方向からほどいていきます。

2-1. 兼務のWeb担当者が育成に使える時間を週単位で確保する方法

兼務の担当者にとって「手が空いたらWebサイトを見る」という運び方は、事実上「やらない」と同じ意味になります。作業時間は月の合計ではなく、毎週同じ曜日・同じ時間帯に固定してください。たとえば「火曜の午前2時間と木曜の午後1時間」のように、上司の役割として予定表へ先に入れてしまう方法です。

繁忙期に削る順番も、あらかじめ決めておきます。削るなら企画→改善→計測の順で、情報の更新は最後まで残すのが基本です。古い情報が載ったWebサイトやSNSは集客の入口として機能せず、問い合わせの機会をそのまま逃してしまうためです。

確保する時間の差は、更新の継続に表れます。株式会社Grillは、兼務のWeb担当者を置く支援先企業を対象に、週あたりのWeb作業時間を集計しました(BtoB製造・建設・士業・小売、2025年4月〜2026年3月、N=31社)。中央値は3.5時間で、週2時間未満だった9社では7社で更新が3か月以上止まりました。一方、週4時間以上を予定表に固定していた12社では、止まったのは2社でした。

2-2. ひとりで担当するWeb担当者が手を止めやすい3つの場面

社内にWebサイトの運用を相談できる相手がいない担当者は、判断に迷った瞬間に作業を止めてしまいます。手が止まりやすい場面は、おおむね次の3つです。

  1. マーケティングの数字の読み方が分からないとき: GA4の分析で問い合わせが減っていると分かっても、原因が流入なのかフォームなのか切り分けられない
  2. 見積の妥当性が判断できないとき: 制作会社から届いた改修見積が高いのか安いのか、比べる知識も物差しもない
  3. 社内からコンテンツの原稿や写真が届かないとき: 素材待ちのまま締め切りが過ぎ、公開予定がずれていく

1つ目は、月1回だけでも外部の目で数字を一緒に読む場を持つと、分析の知識が少しずつ身につき、解消しやすくなります。流入とフォームのどちらから手を付けるかの考え方は、「ホームページ集客で先に直すのは流入とフォームのどちらか」が判断の助けになります。2つ目は相見積を原則にし、3つ目は次の2-3で扱う社内協力者の仕組みで防ぎます。

2-3. 素材集めと承認の詰まりを防ぐ社内協力者の決め方

素材と承認の詰まりは、担当者の努力やスキルでは解消できません。部署ごとに1人ずつ「Web協力者」を指名し、何をいつまでに出してもらうかを決めておきます。

部署協力者に頼む素材頻度の目安
営業導入事例のネタ、よく受ける質問月1回
製造・技術製品の仕様変更、現場の写真変更のつど
人事採用情報、社員紹介の原稿四半期に1回
経営層公開前の最終承認依頼から48時間以内

協力者の役割は、Webサイトに載せるコンテンツの素材を期日までに届けることに絞ります。承認者は1つの公開物につき1人に絞り、返答の期限も決めておきます。承認ルートが複数あると、担当者は社内の調整だけで1週間を使い切ってしまいます。

第3章 上司・経営者がWeb担当者の育成で持つ3つの決定権|目的・予算・優先順位を担当者任せにしない

第3章 上司・経営者がWeb担当者の育成で持つ3つの決定権|目的・予算・優先順位を担当者任せにしない

担当者本人がどれほど努力しても、目的・予算・優先順位の3つは担当者の権限の外にあります。この章では、上司や経営者の役割として先に決めて手渡すべき3つの決定権と、月1回の確認の場の持ち方を扱います。

3-1. Webサイトの目的と追う数字を上司が先に決める

Webサイトの目的は、問い合わせ・採用・認知のどれを主に置くかで、担当者が毎月見る数字がまったく変わります。目的は1つに絞り、Webマーケティングで追う数字も1つだけ上司から指定してください。問い合わせが目的なら「フォーム送信数」、採用なら「応募ページへの到達数」といった具合です。目的が決まれば、SEOに力を入れるのか、SNSで認知を広げるのかという戦略の優先順位も自然に決まります。

株式会社Grillの運用支援の経験上、目的が決まらないまま分析を任せると、PVやSNSのフォロワー数など集めやすい数字の報告が増える傾向があります。上司が「それで問い合わせは増えたのか」と問い返し、レポートの作り直しが続く手戻りも起きやすくなります。Webマーケティングの目的を決めるのは、担当者のスキルではなく上司の役割です。

3-2. ツール・外注・学習にかけられる年間予算の枠を示す

予算は案件ごとに稟議を上げさせるより、年間の枠として先に示したほうが、Webサイトの運用も育成も速く進みます。枠は次の3つに分けておくと、担当者が自分で配分を考えられます。

  • ツール費: CMSの利用料、SEOツールやアクセス解析などのマーケティングツール、画像素材サービスなど
  • 外注費: ページ制作、広告運用、保守契約など
  • 学習費: 研修・書籍・資格の受験料など、マーケティングの知識を補う費用

枠の内側で、年間の戦略に沿った使い道は担当者に任せ、枠を超えるときだけ相談させる形にします。広告に配分する額の考え方は、「Web広告の予算の決め方|5つの算出ロジック」を参考に、上司と担当者で根拠をそろえておくと話が早くなります。

3-3. 本業とWeb業務がぶつかったときの優先順位を明文化する

兼務の担当者がもっとも消耗するのは、本業とWebマーケティングのどちらを先にすべきか、自分で判断を迫られる場面です。「月末の請求処理の週はWebを翌週に回してよい」「展示会の2週間前は集客のためWebを優先する」のように、ぶつかる場面ごとの答えを上司が書き出しておきます。

あわせて、月1回30分、運用状況を確かめる場を設けてください。話す内容は「先月やったこと」「詰まっていること」「次の任せ方へ進めるか」の3点に絞ります。3点目の判断材料は、次章で紹介するスキルの判定基準がそのまま使えます。

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第4章 更新・計測・改善・企画の順に任せる|Web担当者を育成する4つの任せ方と必要スキル

第4章 更新・計測・改善・企画の順に任せる|Web担当者を育成する4つの任せ方と必要スキル

業務範囲と時間が決まったら、いよいよWebの仕事を渡していきます。この章では、期間ではなく「前の仕事が回っているか」を条件に任せる範囲を広げる4段階と、それぞれで身につけたいスキル・知識を対応づけて紹介します。

4-1. 最初に任せる「更新」|お知らせ・ブログ・実績ページの定期更新

最初に渡すのは、お知らせ・ブログ・導入実績といったWebサイトの定期更新です。成果の良し悪しが分かりやすく、失敗しても影響が小さいため、Web担当者の育成の入口に向いています。ここで身につけたいのは、CMSの操作、読みやすい文章、画像の扱い方といった基礎の知識です。

ブログを集客用のコンテンツとして育てたい場合は、検索で読まれる文章の型をSEOの知識として早めに覚えておくと後の段階が楽になります。書き方の基本は「SEO記事の書き方完全ガイド」に整理しています。次へ進む目安は、月の予定本数を3か月続けて期限内に公開でき、誤記による差し戻しがほぼなくなった状態です。

4-2. 更新が回ったら任せる「計測」|GA4で問い合わせまでの流れを月1回報告

更新の運用が安定したら、GA4でWebサイトの数字を見て月1回報告する仕事を加えます。最初から細かい分析を求める必要はありません。報告の型を次の4項目に固定すると、担当者は迷わずに続けられます。

  • 流入元別(検索・SNS・広告・直接)のセッション数
  • 第3章で上司が決めた「追う数字」の実績
  • 前月との差
  • 気づいたことを1つ

この段階で身につけるのは、アクセス解析の基本的な知識と、数字の増減に理由を添える習慣です。Webマーケティングの用語を覚えるより、自社のWebサイトで起きた変化を自分の言葉で説明できるかを重視してください。増減の理由を1つずつ説明できるようになったら、次の段階へ進めます。

4-3. 数字が読めたら任せる「改善」|1ページ単位で仮説を立てて検証する

改善は、Webサイト全体ではなく1ページ単位で任せます。たとえば「サービスページのボタンを1画面目に上げれば、フォームへの到達が増えるはず」という仮説を立て、変更前後の数字を比べる流れです。必要になるのは、SEO・SNS・導線設計にまたがるマーケティングの実践的なスキルです。

打ち手はページ改善やSNS投稿の見直しが中心です。ページ側の具体策は「LPOでCVRを改善する効果的な施策10選」、検索からの集客を狙うなら「SEO対策で効果の出るキーワード選定のやり方」が手がかりになります。仮説・変更内容・結果を1行ずつ残す「改善ログ」が5件たまったら、次の段階に進む合図です。

4-4. 改善の記録がたまったら任せる「企画」|年間のWebマーケティング計画と予算案づくり

最後に渡すのは、1年分のWebマーケティング計画(コンテンツ・SNS・広告の配分)と予算案を組み立てる企画の仕事です。改善ログを読み返せば、自社で効いた集客施策と効かなかった施策が見えてくるため、企画は過去の記録から自然に組み立てられます。必要になるのは、事業目標から逆算する戦略の知識と、予算を説明する力です。

企画を任せた段階で、Web担当者の役割は「作業する人」から「Webで何をするかを提案する人」に変わります。提案を受けた上司は、第3章の目的・予算・優先順位に照らして、マーケティング戦略として採るかどうかを決めてください。

4-5. 次の仕事へ進める判定基準とWeb担当者のスキルマップ

4つの任せ方は、それぞれに必要なスキル・知識と判定基準があります。担当者本人が「知っている」「自分でできる」「人に任せられる」の3段階で自己診断できるよう、表にまとめました。

任せ方必要なスキル・知識知っている自分でできる人に任せられる
更新CMS操作、文章、画像の扱い操作手順を説明できる予定本数を期限内に公開できる手順書を作り、他の人に更新を頼める
計測GA4、アクセス解析主要な指標の意味が分かる月次報告を理由つきで出せる報告の型を後任に渡せる
改善SEO、SNS、導線設計打ち手の種類を挙げられる仮説と検証を1ページで回せる外部に改善を依頼し、結果を評価できる
企画マーケティング戦略、予算施策と費用の関係が分かる年間計画と予算案を作れる計画の一部を外注先に任せ、管理できる

どの段階で何か月かかるかには、大きな個人差があります。株式会社Grillは、内製化を伴走支援した企業のWeb担当者を対象に集計を行いました(BtoB製造・士業・EC・医療美容、2024年10月〜2026年3月、N=24人)。任せ始めから判定基準を満たすまでの中央値は、更新で2か月、計測で累計4か月、改善で累計7か月、企画で累計12か月でした。ただし同じ段階でも最短と最長には3倍近い開きがあり、期間で区切るより判定基準で進めるほうが無理がありません。

第5章 若手に任せれば覚える?Web担当者の育成でありがちな5つの誤解

第5章 若手に任せれば覚える?Web担当者の育成でありがちな5つの誤解

任せ方の順番が分かっても、育成の前提にある思い込みが残っていると途中で止まります。この章では、人選・研修・資格・外注・生成AIといった、スキルの身につけ方をめぐる5つの誤解を、ここまでの章に照らして1つずつほどいていきます。

5-1. 「若手ならデジタルに強い」とWeb担当者を年齢で選んでしまう

SNSの運用に慣れている若手を担当者に選ぶ判断は、一見すると理にかなっています。しかしWeb担当者の仕事の多くは、製品の知識と社内の調整力に支えられています。年齢よりも「自社の商品を説明できるか」「部署をまたいで頼みごとができるか」で選んだほうが、育成は早く進みます。

株式会社Grillが相談を受けた事例(社名非公開)に、入社2年目の社員を担当者に指名したケースがありました。ブログの更新は順調だったものの、製品ページの修正が各部署の承認待ちで止まってしまいました。人選で迷ったら、第1章の窓口責任を担える人かどうかを基準にしてください。

5-2. 「研修を受ければ一人前」と受講後の実務設計を省いてしまう

研修はマーケティングの体系的な知識を短期間で得るには便利ですが、受講しただけではWebサイトの運用は回りません。受講後に何を任せるかが決まっていないと、学んだスキルを使う場面がないまま忘れていきます。研修を申し込む前に、第4章のどの任せ方に進むための研修なのかを決めておくことが欠かせません。

5-3. 「資格を取れば成果が出る」と知識と成果を混同する

資格の勉強で得られるのは、マーケティングの用語や仕組みの知識です。成果は、その知識を自社のWebサイトで試し、改善を重ねた先にしか生まれません。資格は「どこまで理解できているか」を測る物差しとして使い、合格そのものを目標にしない姿勢が大切です。使い方は第6章6-3で詳しく扱います。

5-4. 「制作会社に聞けばいい」と判断まで外部に預けてしまう

制作会社は、頼まれたWebサイトやコンテンツを作るプロです。ただし、自社の顧客が何に迷い、どの情報を求めているかを最もよく知っているのは自社の社員です。作業は外部に頼んでも、「何を載せるか」「どのページを先に直すか」というマーケティング上の判断は社内に残してください。外部との役割分担の考え方は第8章で整理します。

5-5. 「生成AIがあれば育成は不要」と確認する力を育てない

生成AIを使えば、ブログやSNS投稿の下書き、見出し案は数分で作れます。だからといって育成が不要になるわけではありません。AIの出力に含まれる事実の誤りや、自社らしさから外れた表現を、自社の商品知識と照らして見抜くスキルは、人が育てるしかないからです。AIを運用に取り入れるほど、公開前に確かめる担当者の目が重要になります。

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第6章 OJT・研修・資格・独学・生成AIの使い分け|Web担当者育成の5つの方法と向く場面

第6章 OJT・研修・資格・独学・生成AIの使い分け|Web担当者育成の5つの方法と向く場面

Web担当者のスキルを伸ばす方法には、大きく分けて5つの選択肢があります。この章では、それぞれが第4章のどの任せ方の段階で効くのかを対応づけて紹介します。

方法効く段階費用感社内の手間
OJT(外部伴走で代替)更新〜企画の全段階月額数万円〜(外部に頼む場合)月1回のレビューに同席
研修・スクール計測・改善数万〜数十万円受講時間の確保
資格更新・計測数千〜数万円学習時間の確保
独学(公式ヘルプ・書籍)全段階ほぼ無料〜数千円学習ログの確認
生成AI更新・改善無料〜月数千円出力の確認ルールづくり

6-1. 教える先輩がいない会社のOJT|外部の伴走者と月次レビューで代替する

OJTは育成の王道ですが、社内にWebマーケティングの先輩がいない企業では成り立ちません。その場合は、外部の伴走者に先輩の役割を任せ、担当者の報告や改善ログを月1回一緒に読んでもらう形で代替できます。教わる内容が自社のWebサイトの実データに基づくため、汎用的な研修より実務の知識とスキルに直結します。

6-2. 研修・スクールは体系の抜けを埋める目的で選ぶ

研修やスクールは、独学では抜けやすいマーケティングの領域を体系的に埋める手段として使います。たとえば計測の段階に入った担当者が、GA4やタグ管理の知識をまとめて学ぶといった使い方です。自社のどの段階の担当者に、どの領域のスキルを補わせたいのかを先に決めてから講座を選んでください。具体的な講座は第9章で比較しています。

6-3. ウェブ解析士・ウェブマスター検定を育成の物差しとして使う

資格は、担当者のマーケティングの知識がどこまで身についたかを測る物差しとして役立ちます。Webサイト運営の基礎知識を問うウェブマスター検定は、更新段階の確認に向いています。アクセス解析と改善の考え方を学ぶウェブ解析士は、計測から改善へ進む段階で身につけたスキルの確認に使えます。

ウェブ解析士の費用は、講座費用11,000円、試験費用(認定費用込)17,600円、公式テキスト4,400円の合計33,000円です。金額はすべて税込で、2026年10月時点の一般社団法人ウェブ解析士協会の公式サイトの記載に基づきます。ウェブマスター検定の受験料は、会場試験で4級・3級が6,600円、2級が7,700円、1級が9,900円です(いずれも税込、2026年10月時点・全日本SEO協会の公式サイトより)。オンライン試験は、各級とも会場試験より2,200円高く設定されています。

6-4. 公式ヘルプと書籍で独学を続けるための学習ログ

SEOやアクセス分析の独学では、Google検索セントラルやGA4の公式ヘルプなど、仕様を作っている側の一次情報を軸にします。書籍はマーケティングの全体像をつかむのに便利ですが、ツールの画面や仕様は変わるため、細部は公式ヘルプで確かめる習慣をつけます。

独学を続けるコツは、学んだことを「日付・読んだもの・自社で試したこと・結果」の4列で記録する学習ログです。上司は月1回の確認の場でこのログに目を通すだけで、担当者の知識がどこまで進んでいるかを把握できます。

6-5. 生成AIを練習相手にするWeb担当者育成の使い方と注意点

生成AIは、集客用コンテンツの下書き、見出し案の比較、数字の解釈の壁打ちに使うと効果的です。GA4の数字を貼り付けて「ほかにどんな原因が考えられるか」と尋ねれば、担当者がひとりでは思いつかない仮説を立てる練習になり、分析のスキルも鍛えられます。

一方で、顧客情報や社外秘の数字は入力しない、公開前の事実確認は必ず人が行う、という2つの運用ルールは最初に決めておいてください。SEOへの具体的な活用方法は「ChatGPTをSEO対策に効率的に活用する方法」でも紹介しています。

第7章 育成中のWeb担当者は何で評価する?行動指標・成果指標の分け方と引き継ぎ資料5点

第7章 育成中のWeb担当者は何で評価する?行動指標・成果指標の分け方と引き継ぎ資料5点

任せる範囲を広げていくには、担当者のスキルの伸びを正しく測る仕組みが欠かせません。この章では、育成段階に合った評価の分け方と、異動や退職に備える引き継ぎ資料を扱います。

7-1. PV・問い合わせ数だけで評価すると育成が止まる理由

PVや問い合わせ数といった成果の数字は、担当者の努力だけでは動きません。季節の需要、景気、広告予算の増減、競合のマーケティング施策といった外部要因に左右されるうえ、SEOによる集客の効果が数字に表れるまでには数か月かかります。

育成の途中でこうした数字だけを評価に使うと、担当者は「頑張っても評価されない」と感じ、スキルを試す機会そのものが減っていきます。成果の数字は追い続けつつ、評価には担当者が自分でコントロールできる行動の数字を加えてください。

7-2. 行動指標と成果指標を分けたWeb担当者の評価シート

評価シートは、行動指標と成果指標を別の列に分けて作ります。第4章の任せ方ごとに、伸ばしたいスキルに合わせて見る項目を変えるのがポイントです。

任せ方行動指標(本人が動かせる数字)成果指標(外部要因で動く数字)
更新月のコンテンツ更新本数、期限内の公開率更新ページからの集客数
計測月次の分析報告の提出、理由つきの指摘件数追う数字の前月比
改善改善ログの件数、検証を終えた仮説の数改善したページのフォーム到達率
企画年間の戦略と計画の提出、施策ごとの振り返り問い合わせ数・応募数の前年比

育成段階では行動指標の比重を大きくし、企画まで任せた段階で成果指標の比重を上げていきます。企画を任せる段階では、Webマーケティング全体の成果に責任を持つ役割へ移るためです。

評価の軸を変えると、担当者の動き方も変わります。株式会社Grillは、支援先のうち評価項目に行動指標を加えた企業で、導入前後の更新本数を比べました(BtoB製造・士業・小売、2025年4月〜2026年3月、N=14社)。月間更新本数は、導入前3か月平均の2.1本から、導入後3か月平均で5.4本に増えました。

7-3. 異動・退職に備えるWeb担当者の引き継ぎ資料5点

Web担当者がひとりの会社では、その人の異動や退職がそのままWebサイトとSNSの運用停止につながります。運用ノウハウの属人化を防ぐため、次の5点を日頃から最新の状態で保管してください。

  1. アカウント一覧: CMS・GA4・Search Console・SNS・ドメインのID、権限、管理者、契約更新日
  2. 業務範囲シート: 第1章で作った、決めてよい範囲と任せない範囲の一覧
  3. 月次報告: 過去12か月分の報告と、追っている数字の推移
  4. 改善ログ: 試した仮説・変更内容・結果の記録
  5. 外注先の契約情報: 制作会社・保守会社・広告代理店の連絡先、契約範囲、更新時期

特に注意したいのは、アカウントを担当者個人のメールアドレスで登録してしまうケースです。会社の共有アドレスで管理し、権限は必ず2人以上が持つようにしておきます。

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第8章 社内に残す仕事と外部に任せる仕事の線引き|Web担当者の育成期間中の外注の使い方

第8章 社内に残す仕事と外部に任せる仕事の線引き|Web担当者の育成期間中の外注の使い方

Webマーケティングの運用をすべて自社で抱えることは、Web担当者の育成のゴールではありません。この章では、自社にしか持てない仕事と外部に任せたほうが合理的な仕事を分け、外注を減らしながら担当者を育てる移行の戦略を紹介します。

8-1. 社内に残すべき仕事|一次情報の収集・公開判断・社内調整

社内に残すべきなのは、自社の人間にしかできない3つの仕事です。どれも、自社の商品と顧客についての知識がなければ務まりません。

  • 一次情報の収集: 顧客から受けた質問、現場の写真、導入事例の裏話など、コンテンツの素材を集める仕事
  • 公開判断: 顧客についての知識をもとに、Webサイトに何を載せ、どの表現で出すかを決める仕事
  • 社内調整: 部署をまたいで素材と承認を集める仕事

この3つを外部に渡すと、Webサイトの中身が自社の実態から離れていきます。育成期間中でも、担当者が運用の要として最初から持っておくべき仕事です。

8-2. 外部に任せてよい仕事|技術実装・広告の専門運用・定期診断

一方で、技術やマーケティングの専門スキルや設備が必要な仕事は外部に任せたほうが、品質もコストも安定します。代表的なのは次の3つです。

  • 技術実装: Webサイトのサーバー移転、CMSの改修、構造化データの設定など
  • 広告の専門運用: 集客用のリスティング広告やSNS広告の入札調整、クリエイティブの検証
  • 定期診断: Webサイトの表示速度や内部構造の点検

内部構造で何を点検すべきかは「SEO内部対策の完全ガイド」、広告運用を任せる判断材料は「広告代理店に依頼する本当のメリット」で詳しく扱っています。担当者が改善段階に進むまでは、こうした専門領域を無理に引き取らないほうが育成に集中できます。

8-3. 外注を減らしながらWeb担当者を育てる移行の進め方

運用体制の戦略は、自社育成のみ・外注のみ・両者の併用の3つに分けて比べると判断しやすくなります。

比較項目自社育成のみ外注のみ併用(育成+一部外注)
社内の工数大きい小さい中程度
品質の安定担当者のスキルに左右される外注先の力量に左右される外部の専門性で底上げできる
コスト人件費中心で低め継続的に高め段階的に下げられる
ノウハウの残り方社内に残るが属人化しやすい社内に残りにくい記録とともに社内に残る

移行は、第4章の任せ方が1段階進むたびに、対応する仕事を外注から社内へ1つずつ戻す形で進めます。たとえば計測の判定基準を満たしたら、外注先に頼んでいた月次レポートの作成を担当者に移す、といった順番です。外注先には移す作業の手順と判断の根拠を文書で渡してもらい、社内の知識として残します。

併用型への移行は、外注費の削減にもつながります。株式会社Grillは、運用代行から伴走型の支援に切り替えた企業で、Web関連の外注費の推移を集計しました(BtoB製造・EC・士業、2024年4月〜2026年3月、N=11社)。外注費は移行前の月平均38万円から、12か月後には月平均17万円まで下がりました。同じ期間に、11社中9社で問い合わせ数が移行前と同じかそれ以上を保っています。

費用の比べ方は、別領域ですが「MEO対策の内製化にかかる費用と外注との損益分岐点」の考え方も参考になります。

第9章 Web担当者の育成を支援する研修・伴走サービス6選|方法・期間・料金で比較

第9章 Web担当者の育成を支援する研修・伴走サービス6選|方法・期間・料金で比較

第6章の5つの方法のうち、どれを外部に頼むかが決まれば、相談先も絞り込めます。ここでは伴走・研修・通信講座・資格の4タイプから、Web担当者の育成に使える6つのサービスを比較します。

サービスを選ぶときは、料金の安さより「自社の担当者がいまどの任せ方の段階にいるか」に合っているかを優先してください。料金の確かめやすさにも差があり、株式会社Grillが2026年10月に5つのサービスの公式サイトを確認したところ、料金を掲載していたのは4つでした。

サービス名育成の方法期間料金(2026年10月時点)向いている企業
株式会社Grill伴走型の内製化支援段階に応じて設計月額数万円〜育成と日々の運用を同時に進めたい企業
インターネット・アカデミー法人研修(リモート・対面・eラーニング)要問い合わせ要問い合わせ研修形式を選んで社員を育てたい企業
デジタルハリウッド株式会社通信講座(Web担当者 養成講座)全6か月203,500円(税込)Webマーケティングの基礎を体系的に学ばせたい企業
WebTacコンサルティング少人数の育成プログラム4か月〜(全6回)50万円(税別)生成AIを使った運用を身につけたい中小企業
一般社団法人ウェブ解析士協会資格(ウェブ解析士)講座により異なる合計33,000円(講座・試験・公式テキスト、税込)計測・改善の理解度を測りたい企業
全日本SEO協会資格(ウェブマスター検定)試験日程による会場試験6,600円〜9,900円(税込)更新段階の基礎知識を確かめたい企業

9-1. 株式会社Grill

株式会社Grill

【Web担当者の育成と日々の運用を並走させる伴走型の内製化支援】

Webマーケティングの支援を手がける株式会社Grillは、Web担当者の業務範囲シートづくりから始め、更新・計測・改善・企画の段階ごとに担当者の育成を支援します。毎月の報告と改善ログを担当者と一緒に読み、次の任せ方へ進めるかどうかの判断材料を上司にお渡しします。教材を使った講義ではなく、御社のWebサイトの実データを題材にするため、学んだスキルがそのまま翌月の運用に生きます。

BtoB製造・士業・EC・医療美容などの企業で、兼務の担当者を中心に、Webサイトの運用と育成を同時に支援してきました。月次報告の読み合わせ準備を自動化し、そのぶん担当者と仮説を検証する時間を厚くとるため、改善のサイクルを短い間隔で回せます。料金は月額数万円〜で、担当者の成長に合わせて支援の範囲を縮めていく設計にも対応します。

担当者がまだ持てない領域も、同じ窓口で受け持てます。SNSの運用、採用や商品紹介の動画制作、LP改善、集客のための広告運用まで対応しているため、育成の段階に合わせて、外部に残すマーケティング業務の範囲を細かく調整できます。

\ 実データで段階ごとに伴走可能 /

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会社名株式会社Grill
所在地東京都渋谷区東3丁目22−14 グランファースト恵比寿 5階
公式サイトhttps://grill.co.jp/

9-2. インターネット・アカデミー

インターネット・アカデミー株式会社

【研修形式を選べる法人向けWeb担当者育成研修】

インターネット・アカデミー株式会社が運営するIT・Web分野のスクールで、法人向けにWeb担当者育成研修を提供しています。双方向のリモート授業、対面、eラーニングから受講形式を選べます。

Webサイトの制作からマーケティングまで、身につけたいスキルに合わせて学習テーマを組み合わせ、研修内容を設計できる点が特徴です。料金は公式サイトに掲載がなく、問い合わせが必要です。

会社名インターネット・アカデミー株式会社
所在地東京都新宿区新宿2-5-12 FORECAST新宿AVENUE 10F
公式サイトhttps://www.internetacademy.co.jp/

9-3. デジタルハリウッド株式会社(Web担当者 養成講座)

デジタルハリウッド株式会社

【SEOからコーディングまで6か月で学べるオンライン講座】

デジタルハリウッド株式会社がオンラインで提供する「Web担当者 養成講座」は、全6か月で受講料203,500円(税込)の講座です。Webマーケティングの基礎、SEO、Web広告、GA4、Googleタグマネージャー、HTML・CSSの基礎まで、幅広い知識を学べます。

更新から計測の段階にいる担当者が、Webマーケティングの知識の全体像を一度に押さえたい場合に向いています。法人での利用にも対応しています。

会社名デジタルハリウッド株式会社
所在地東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア 4F
公式サイトhttps://online.dhw.co.jp/course/web_marketing/

9-4. WebTacコンサルティング

WebTacコンサルティング

【中小企業向けの生成AI×Web担当者育成プログラム】

WebTacコンサルティングは、中小企業の経営者やWeb担当者を対象に「生成AI×Web担当者育成プログラム」を提供しています。全6回・4か月〜のプログラムで、料金は50万円(税別)です。

複数名での受講が可能なため、担当者と上司が一緒に学ぶ使い方もできます。関西圏を拠点とし、生成AIを使うスキルを日々のマーケティング業務に生かしたい企業に向いています。

会社名WebTacコンサルティング
所在地大阪府堺市西区鳳中町
公式サイトhttps://webtac-consul.jp/program/

9-5. 一般社団法人ウェブ解析士協会

一般社団法人ウェブ解析士協会

【アクセス解析と改善の考え方を学べるウェブ解析士の認定団体】

一般社団法人ウェブ解析士協会は、ウェブ解析士の認定講座と試験を運営する団体です。費用の内訳は6-3のとおりで、合計は33,000円(税込)です。講座はオンラインを中心に開催されています。

計測から改善へ進む段階の担当者が、分析の手法と知識を体系的に確かめる物差しとして活用できます。

会社名一般社団法人ウェブ解析士協会
所在地東京都新宿区西新宿8-14-19 西新宿STビル3階
公式サイトhttps://www.waca.or.jp/

9-6. 全日本SEO協会(ウェブマスター検定)

一般社団法人全日本SEO協会

【サイト運営の基礎知識を級別に確かめられる検定】

一般社団法人全日本SEO協会が運営するウェブマスター検定は、1〜4級に分かれた検定試験です。受験料は会場試験で6,600円〜9,900円(税込)、オンライン試験で8,800円〜11,000円(税込)です。

級が分かれているため、更新段階の担当者がまず4級や3級で基礎知識とスキルを確かめる、といった段階的な使い方ができます。

会社名一般社団法人全日本SEO協会
所在地東京都港区西新橋1丁目11-1 丸万1号館7階
公式サイトhttps://www.ajsa.or.jp/kentei/webmaster/

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第10章 来月の業務範囲シートから始める|社内でWeb担当者を育てる最初の一歩

第10章 来月の業務範囲シートから始める|社内でWeb担当者を育てる最初の一歩

多くの企業では10月から下期に入り、年明けには来年度の体制と予算の検討が始まります。Web担当者を増やすか、今の担当者に任せる範囲を広げるかを来年度のマーケティング計画に載せるなら、判断の土台が要ります。その土台になる業務範囲シートは、年内に1枚できていなければ間に合いません。

Web担当者の育成とは、教えるスキルや知識の量を増やすことではなく、担当者が自分で決めてよい仕事を一段ずつ増やしていくことです。その起点になるのが、範囲を決める紙と、伸びを測る紙の2枚です。

10-1. 業務範囲シートと評価シートを今月中に1枚ずつ作る

今週は、担当者と上司で直近1か月のWebサイトとSNSの運用業務を書き出し、第1章の3つの責任に振り分けます。来週は各業務に「決めてよい」「承認が要る」「外部に任せる」の区分を付け、任せない3つの仕事も書き添えます。

月末までに、第7章の評価シートから行動指標を1つだけ選び、月1回30分の確認の場を予定表に入れてください。この2枚と1つの予定があれば、来月から第4章の任せ方を順に進め、Webマーケティングの運用を担当者に少しずつ渡せます。コンテンツを軸に集客を伸ばす方針なら、「目的別に選ぶオウンドメディアのコンサル会社」も相談先を考える材料になります。

10-2. 業務範囲シートを判定基準で書き換え続けるなら株式会社Grillへ

2枚のシートを作っても、担当者が最初に迷ったときに相談できる相手がいなければ、育成はそこで止まります。第2章で見たとおり、ひとり担当の手が止まるのは、数字の読み方・見積の判断・社内の素材待ちといった、誰かに一言聞ければ済む場面です。株式会社Grillは、その「一言聞ける相手」の役を引き受けます。

担当者が改善の段階に進むまでは、広告の運用とWebサイトの技術的な改修をGrillが持ちます。広告の運用は手数料10%〜・最低出稿10万円〜で、業界標準とされる20%の半額水準です。判定基準を満たした業務から順に担当者へ戻すため、Grillが持つ仕事は業務範囲シートの上で少しずつ減っていきます。

その判断の材料として、Webサイトの月次報告と改善ログを担当者と一緒に読み、第4章の判定基準に照らしたスキルの所見を上司にお渡しします。異動や退職が決まったときは、運用が止まらないよう、第7章の引き継ぎ資料5点を後任と一緒に整えます。

シートの「外部に任せる」欄が短くなり、「決めてよい」欄が長くなっていくこと。株式会社Grillは、その変化を御社のWeb担当者の育成が進んでいる証拠として一緒に確かめていきます。

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この記事を書いた人
2014年オイシックス株式会社にて海外事業の中核を担ったのち、香港および中国現地法人の社長に就任。アジア市場における事業の飛躍的な拡大を牽引。2017年には株式会社Emooveを代表取締役CEOとして創業。ゼロからの事業立ち上げて急成長を実現し、事業売却(EXIT)を成功へと導く。現在は、株式会社Grillの取締役COOとして参画。これまでの経営手腕と最前線で培った知見を融合させ、様々な業界に向けて事業成長に直結するWEBマーケティング支援を強力に推進している。
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