【資格別】士業の広告規制を一覧で比較!禁止表現のNG例とOK例&媒体審査で止まる理由!

【資格別】士業の広告規制を一覧で比較!禁止表現のNG例とOK例&媒体審査で止まる理由!

LINEヤフーは2025年11月の告知資料で広告掲載基準の統一を示し、弁護士・司法書士・行政書士・弁理士・公認会計士・税理士の6資格に共通する掲載基準を明記しました。この一覧に、社会保険労務士と土地家屋調査士は入っていません。どちらにも団体の会則や倫理規程に広告の定めがあるのに、媒体の士業基準では名指しされていません。

規程の側も動いています。弁護士の広告規程は令和7年12月5日に改正され、2026年7月1日からは広告業者との契約書と入出金の記録まで3年保存の対象になりました。求められる内容は資格ごとに違い、媒体の基準とも一致しません。

士業の広告規制を資格名から覚えていくと、こうした横のずれは見えにくくなります。そこでこの記事では、比較・勝訴率・依頼者名といった「表現の型」を行に立て、8資格の扱いを横に並べました。根拠規程の一覧、表示事項と3年保存、景品表示法との関係、媒体審査、第三者の表示、出稿前の12項目チェックまで、原稿を書く手前で引ける順に並べていきます。

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目次

第1章 8資格で異なる士業の広告規制の根拠|会規・細則・倫理規程の違いと規制の濃淡

第1章 8資格で異なる士業の広告規制の根拠|会規・細則・倫理規程の違いと規制の濃淡

弁護士から公認会計士まで、士業の広告規制は国の法律よりも、各資格の団体が定める会則・規則・倫理規程が中心です。司法書士・行政書士・社会保険労務士・土地家屋調査士を含む8資格の根拠を一覧で押さえ、規定の書き方の違いを整理します。

1-1. 弁護士から公認会計士まで|士業8資格の広告規制の根拠規程一覧表

司法書士と税理士は各単位会が規則・細則を置くため、代表例を併記しています。

資格根拠となる規程広告に関する主な条文規定の型
弁護士弁護士等の業務広告に関する規程(会規第44号)/業務広告に関する指針規程3条〜12条列挙型
司法書士司法書士行為規範/各司法書士会の広告規則(例:大阪司法書士会)行為規範17条/大阪3条〜9条一般条項+単位会で列挙
税理士綱紀規則(準則)/各税理士会の業務の広告に関する細則(例:名古屋税理士会)準則22条/細則2条〜10条列挙型
行政書士行政書士倫理(日本行政書士会連合会)10条一般条項型
社会保険労務士全国社会保険労務士会連合会会則43条の4一般条項型
弁理士日本弁理士会会則/会員の広告等に関する規則(会令第62号)会則42条/規則2条・4条・4条の2列挙型
土地家屋調査士土地家屋調査士職務倫理規程(日本土地家屋調査士会連合会)17条一般条項型
公認会計士倫理規則(日本公認会計士協会)R115.2一般条項型

税理士の細則は税理士会ごとに条番号がずれる可能性があるため、所属する会の版で条文を確かめてください。

1-2. 禁止事項を細かく列挙する資格と一般条項1本の資格|「原則自由」と士業の広告規制の2タイプ

根拠規程は、書き方で2つに分かれます。弁護士・税理士・弁理士、そして大阪のように規則を置く司法書士会は、禁止する広告と表示できない事項を号ごとに列挙する型です。列挙の末尾には、弁護士規程3条7号の「品位又は信用を損なうおそれのある広告」や、税理士細則3条7号の「税理士の信用又は品位を損なうおそれのある広告」のような受け皿の号も置かれています。

このうち税理士と弁理士は、広告ができることを原則として書いています。税理士の綱紀規則(準則)22条は「本会の定めに反する場合を除き、広告することができる」とし、弁理士の規則2条は広告等を「原則自由とする」と明記しています。いわゆる広告の自由化を条文で示した形ですが、「何でも書ける」という意味ではありません。

税理士の細則は禁止される広告を7つ、表示できない事項を4つ挙げています。報道によれば、名古屋税理士会の細則には平成30年12月の改正で「困惑させ、又は過度な不安をあおる広告」も加わっています。

もう一方は、1本の条文で広告全体を律する一般条項型です。行政書士倫理は1条で信用又は品位を害する行為を禁じたうえで、10条で「不当な目的を意図し、又は品位を損なうおそれのある広告宣伝」を禁じています。土地家屋調査士の職務倫理規程17条は「虚偽若しくは誇大な内容又は品位を欠く内容」が対象です。社会保険労務士の連合会会則43条の4第3項は誇大・虚偽の広告を、司法書士行為規範17条2項は「品位又は信用を損なうおそれがある広告」を禁止しています。

一般条項型でも判断が所属会に委ねられるだけで、景品表示法は資格を問わず適用されます(第5章)。行政書士の媒体選びは「行政書士の広告で顧客を増やす方法と規制対応」で扱っています。

1-3. ホームページ・SNS・名刺も対象になる|士業の規程に共通する「広告」の定義

「事務所のホームページは情報提供であって広告ではない」という受け止め方は、規程の定義と合いません。弁護士の規程2条は、手段を限らず、顧客や依頼者となるよう「誘引することを主たる目的とするもの」を広告と定めています。ホームページやSNS投稿も、誘引が主な目的なら広告に当たります。

税理士の細則2条(名古屋税理士会)は、誘引目的を要件にせず「自己又は自己の業務に関する情報を開示する行為」を広告と定めています。日弁連の指針14も、ウェブサイト・動画サイト・SNSを含むあらゆる媒体が利用でき、媒体自体から直ちに禁止されるものはないとしています。名刺やパンフレットも、誘引目的で配るなら同じ基準で見られると考えておくのが安全です。

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第2章 禁止表現を論点別に比べる士業の広告規制|7項目の資格間の違いとNG→OK例

第2章 禁止表現を論点別に比べる士業の広告規制|7項目の資格間の違いとNG→OK例

論点によっては、明文で禁止する資格と一般条項で判断する資格に分かれます。問題になりやすい7つの論点の扱いを下表にまとめました。

論点弁護士司法書士(大阪)税理士行政書士社会保険労務士弁理士土地家屋調査士公認会計士
他事務所との比較禁止禁止禁止一般条項一般条項条件付き※一般条項一般条項
勝訴率・登録率禁止一般条項一般条項一般条項一般条項条件付き一般条項一般条項
依頼者名・顧問先条件付き条件付き条件付き一般条項一般条項条件付き一般条項一般条項
前職の役職名条件付き一般条項禁止一般条項一般条項一般条項一般条項一般条項
専門・最上級の表示条件付き一般条項一般条項一般条項一般条項一般条項一般条項一般条項
有価物等の供与禁止禁止禁止一般条項一般条項一般条項一般条項一般条項
面識のない人への直接勧誘禁止禁止禁止一般条項禁止一般条項一般条項一般条項

※「禁止」=明文で禁止、「条件付き」=同意などの条件を満たせば可、「一般条項」=個別の明文がなく誇大・虚偽・品位などの一般規定で判断。弁理士の比較は、特定の会員との比較は禁止、客観的根拠のある一般的な比較は可。

条文の論点は7つに分かれていても、実際の出稿で止まる表現は「結果の断定」に偏ります。

対象は、株式会社Grillが2025年4月〜2026年3月に広告運用を支援した士業事務所31件(弁護士12件・司法書士8件・税理士6件・行政書士5件)です。媒体審査の不承認・差し戻しを受けた広告文212本を分類しました。内訳は「結果・実績の断定」38%、「No.1・最上級表現」21%、「料金の曖昧な表示」17%、「不安をあおる訴求」11%、その他13%でした。

2-1. 他事務所との比較広告|弁護士・税理士は禁止、弁理士は特定会員との比較のみ禁止

弁護士の規程3条5号と税理士の細則3条5号は、特定の事務所や他の会員と比較した広告を禁止しています。単位会の例として、大阪司法書士会の規則3条4号も「他の会員との比較広告」を禁じ、10号では品位又は信用を損なうおそれのある広告も対象にしています。司法書士会ごとの規則の違いは「司法書士の広告規制対応と運用戦略」で比べています。

弁理士は、規則4条の2第1号で他の特定の会員との比較を例外なく禁じています。一方、日本弁理士会のガイドラインは、客観的根拠を持つ他事務所との比較は、他の定めに抵触しない限り禁止されないと解説しています。ただし「当事務所の特許出願の弁理士報酬は、一般的な事務所の1/5です」のように根拠を欠く表示は、違反に当たる可能性が高いとされています。

公認会計士の倫理規則R115.2は「事実の裏付けのない広告」を対象にしており、行政書士や社会保険労務士も、根拠のない比較は誇大・誤導として問題になります。

  • NG:「近隣の司法書士事務所より登記費用が安い」→ OK:「所有権移転登記の報酬○万円(登録免許税・実費は別途)」

2-2. 勝訴率・登録率・解決件数の表示|弁護士は例外なし、弁理士は条件付きで表示できる

弁護士の規程4条1号は「訴訟の勝訴率」を表示できない事項とし、ただし書きを置いていません。指針は「交通事故で1億3,000万円を獲得しています。あなたも可能です」を誤導・誤認の例に挙げており、金額の実績も書き方次第で問題になります。

弁理士の規則4条の2第2号は、登録率や勝訴率の表示を禁じつつ、誤導・誤認のおそれがなく、誇大・過大な期待を抱かせないことが明らかな場合を除いています。8資格のうち、この表示に明文で条件を定めているのは弁理士だけです。株式会社Grillの運用経験上、母数や期間を伏せた数字は誇大と受け取られやすく、集計条件を併記しておくのが安全です。

解決件数のように明文のない数字も、弁護士・税理士・大阪司法書士会の規程では、所属会から事実の証明を求められる対象になります(3-4)。弁理士の集客は「弁理士の集客は知財課題タイプ別が決め手」で扱っています。

  • NG(弁理士):「特許登録率95%、どの発明も確実に登録されます」→ OK:「2025年に審査請求した○件のうち特許査定○件(審査中の案件を除く)」

2-3. 依頼者名・顧問先・取扱事件の掲載|書面や電磁的方法の同意で表示できる範囲

顧問先や依頼者の名前は、同意があれば載せられる資格が多い論点で、違いは同意の形式にあります。弁護士の規程4条2〜4号は「書面又は電磁的方法による同意」を認めていますが、税理士の細則4条2項・弁理士の規則4条の2・大阪司法書士会の規則3条8号・9号は、書面(文書)による同意と定めています。

弁護士は、依頼者が特定されず利益を損なうおそれがない事件も除外しています。フォームで同意を取る運用は、弁護士以外では条文の文言と合うか確認が要ります。行政書士・社会保険労務士には明文がありませんが、ホームページの事例紹介も含め、同意を得てから載せるのが無難です。

  • NG:「○○市在住・会社員A様の借金300万円を任意整理で解決」→ OK:「40代・給与所得者の任意整理の事例(依頼者の書面同意を得て掲載)」

2-4. 「元国税調査官」「元検事」の経歴表示|役職名と有利な解決の示唆が問題になる条件

税理士の細則4条1号は「税務行政庁在職時の具体的役職名」を表示できない事項とし、同意による除外もありません。「元○○税務署副署長」のように官署と役職を特定する表示は、この号に触れると考えてください。どこからが具体的役職名かは税理士会の判断に委ねられるため、迷う書き方は事前に確認するのが確実です。

弁護士の場合、経歴そのものではなく、経歴で有利な解決を示唆することが問題になります。指針は「元特捜部検事 検察庁に対する押しが違います」を例に挙げています。行政書士や社会保険労務士が官公署での経歴を書く場合も、有利な扱いを示唆しない書き方が無難です。税理士の広告実務は「税理士の広告で顧問先を増やす方法」で詳しく扱っています。

  • NG(税理士):「元○○税務署副署長が税務調査に立ち会います」→ OK:「税務署での勤務経験を持つ税理士が、調査の事前準備から立会いまで担当します」

2-5. 「専門」「No.1」「日本一」の表示|専門分野は控え、得意分野・取扱分野で書く

弁護士の指針12(1)は、客観性が担保されないまま専門家・専門分野を表示することは誤導のおそれがあり、「表示を控えるのが望ましい」としています。一方で「得意分野」は主観的評価と分かるため違反しないとされ、「取扱い分野」なども認められています。「専門が書けないなら得意分野も書けない」という理解は誤りです。

指針13は「最も」「一番」などの最大級表現や「顧客満足度」「常勝」「不敗」を、文脈によって問題となり得る用語に挙げています。弁理士も、ガイドラインで「上級弁理士」などの名称を認めない例として示しています。これに対し「特定行政書士」「特定社会保険労務士」は法律に定めのある名称で、所定の要件を満たした行政書士・社会保険労務士が表示するものです。

  • NG:「交通事故のスペシャリストが絶対に有利な示談に導きます」→ OK:「得意分野:交通事故(後遺障害等級の申請・示談交渉)」

2-6. 無料相談・キャンペーン・ノベルティ|有価物等の供与と「期間限定」表示の線引き

無料相談そのものを禁じる規程はなく、問題は社会的儀礼の範囲を超えた利益の提供です。弁護士の規程7条と税理士の細則5条はこれを禁じ、大阪司法書士会の規則3条6号も金品等の提供で依頼を誘致する広告を禁止し、行政書士倫理7条は不正又は不当な手段での依頼の誘致を禁じています。

報酬については、弁護士の指針が「着手金0円~」「業界最低水準の弁護士報酬」を曖昧な表示の例に挙げています。「今月限定」を長く続けると有利誤認のおそれもあります(5-2)。

  • NG:「過払い金の相談は着手金0円〜」→ OK:「着手金0円。成功報酬は回収額の○%(最低○万円・税込)」

2-7. 面識のない人への電話・訪問・メール広告|士業ごとに異なる直接勧誘の禁止範囲

弁護士の規程5条は、面識のない者への訪問・電話による広告と、承諾のない電子メールやファクシミリによる広告を禁じています。6条は、特定の事件の当事者で面識のない者に、郵便などで依頼を勧誘する広告も禁止しています。

税理士の細則8条2項と社会保険労務士の会則43条の4第4項は、承諾のない電子メールによる広告を禁じています。大阪司法書士会の規則4条は訪問・電話による広告の禁止です。

行政書士や土地家屋調査士には直接勧誘の明文がありませんが、行政書士倫理7条の不当誘致の禁止には注意が要ります。土地家屋調査士も、一方的な勧誘が品位を欠くと判断されない配慮が必要です。弁理士のガイドラインは、面識のない者への一方的な電子メール広告が特定電子メール法違反となる可能性が高いと解説しています。

  • NG:報道で知った事故の当事者に、弁護士が依頼を勧めるDMを郵送する → OK:事故の被害者向けに示談の流れを説明するページを、検索広告で案内する

第3章 士業の広告に必要な表示事項と記録保存|資格別の必須項目と3年保存の対象

第3章 士業の広告に必要な表示事項と記録保存|資格別の必須項目と3年保存の対象

禁止表現を避けても、書くべき事項が欠けていれば士業の広告規制に触れます。この章では、必須表示と記録保存の明文がどの資格にあるかを、8資格の比較表で確認します。

3-1. 氏名・所属会・事務所所在地|資格別に異なる士業広告の必須表示事項

必須表示の明文があるのは、確認した規程では4資格です。

資格広告中に表示する事項根拠
弁護士氏名(職務上の氏名)・所属弁護士会(法人は名称・事務所名称・所属弁護士会)規程9条
司法書士(大阪)事務所の所在地・氏名・司法書士であること規則6条
税理士氏名又は名称・所属税理士会の会員であること細則7条(名古屋)
弁理士氏名規則6条
行政書士・社会保険労務士・土地家屋調査士・公認会計士明文なし(確認した規程の範囲)−

明文のない行政書士・社会保険労務士なども、氏名と所属会はホームページやLPに表示しておくのが無難です。日弁連の指針は、所属会の表示を、利用者が弁護士会へ問い合わせる手がかりと説明しています。検索広告の見出しには収まらないため、遷移先のホームページやLPで確実に表示します(6-1)。

3-2. 電話・メールで受任する弁護士広告の追加表示|報酬の種類・金額と解除・清算方法

通信手段で受任する弁護士の広告には、規程9条の2が、業務の範囲、報酬の種類・金額・算定方法・支払時期、解除と清算方法の追加表示を求めています。LPでの置き方は「資格ごとに違う広告規制と士業のWEB集客方法」で扱っています。

3-3. 広告物と同意書を広告終了から3年保存|弁護士・税理士・司法書士の保存対象を比較

保存の明文は3資格にあり、期間はいずれも広告終了から3年間です。

資格保存対象根拠
弁護士広告物・広告方法の記録・同意書面/広告業者との契約書と入出金の記録(2026年7月1日施行)規程11条
税理士広告物・広告方法の記録・同意書面細則9条
司法書士(大阪)広告物・広告方法の記録・同意書面規則8条
行政書士・社会保険労務士・弁理士・土地家屋調査士・公認会計士明文なし(確認した規程の範囲)−

保存の明文がない行政書士・社会保険労務士でも、景品表示法上の説明や所属会からの照会に備えて、広告物と根拠資料を残しておくのが安全です。弁護士の指針は、アフィリエイトやSEO対策で第三者が管理するサイトを使う場合、広告配信方針や報酬発生の条件を記した資料も保存するものとしています。

3-4. 所属会から事実の証明を求められたら|証明できない広告は虚偽とみなされる規定

弁護士の規程12条3項・4項は、広告が事実に合致していない疑いがあるとき、弁護士会が証明を求められると定め、証明できなければ「事実に合致していない広告」とみなせるとしています。税理士の細則10条と大阪司法書士会の規則9条2項にも、同じ趣旨の定めがあります。

ホームページに「解決実績300件」のような数字を載せるなら、集計の根拠を広告と一緒に保存しておかないと後から証明できません。株式会社Grillの運用経験上、集計方法を決めないまま載せた数字は、更新のたびに根拠が曖昧になりやすい傾向があります。証明できない数字は、そのまま事務所の信用を損なう材料になります。

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第4章 直近の改正で変わった士業の広告ルール|弁護士規程の改正・債務整理広告・会計士倫理規則

第4章 直近の改正で変わった士業の広告ルール|弁護士規程の改正・債務整理広告・会計士倫理規則

士業の広告規制は、一度覚えれば済むものではありません。ここでは弁護士・司法書士・公認会計士に関わる直近の動きを3つに絞って確認します。

4-1. 2026年4月・7月に施行|弁護士等の業務広告に関する規程の改正で増えた保存対象

弁護士の広告規程は令和7年12月5日に改正され、附則で施行日が2段階に分かれました。4条2号〜4号と5条2項の改正規定は2026年4月1日から、11条(保存義務)の改正規定は同年7月1日からの施行です。

11条の改正で、広告業者との契約書など契約内容を示す書面と、その契約に係る入出金の記録が保存対象に入りました。附則上、7月1日より前に終了した広告の契約書と、同日前の入出金の記録は対象外です。7月1日時点で続いていた広告は除外に当たらないため、契約書から整えておきます。

4-2. 「借金減額診断」「国が認めた救済制度」はNG|日弁連指針と日司連決議が挙げる債務整理広告のNG例

日弁連の指針は、令和7年2月20日と令和8年2月19日にも改正されています。現行の指針は、債務整理や被害回復の広告について、次のような例を挙げています。

  • 入力するだけで処理方針が判断できるかのように見せる「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」(誤導・誤認の例)
  • 「国が認めた借金救済制度」「時効でも返金されることがあります」(誇大の例)
  • 「今すぐ請求しないとあなたの過払金は失われます」(困惑・不安の例)

日本司法書士会連合会も、2024年6月21日の定時総会で債務整理の広告トラブルに言及した決議を採択しました。決議は、「国が認めた借金救済制度」といった誇大なネット広告でトラブルが相次いでいると指摘し、各司法書士会の規則に反する業務処理を行う司法書士が問題を起こしているとも述べています。

4-3. 公認会計士の倫理規則で変わった禁止対象|「比較広告」から「事実の裏付けのない広告」へ

公認会計士の倫理規則は、禁止する広告の文言が変わっています。2019年改正版の25条は「他の会員を誹謗中傷する広告又は比較広告」を禁じていましたが、現行のR115.2は「他の会員を誹謗中傷する、又は事実の裏付けのない広告」です。比較そのものではなく、裏付けの有無が問われる書き方になりました。

2027年4月1日以降に適用される改正版も公表されているため、公認会計士は適用前に条文を確かめてください。

第5章 士業の広告規制と景品表示法の二重構造|所属会の懲戒と消費者庁の処分が重なる仕組み

第5章 士業の広告規制と景品表示法の二重構造|所属会の懲戒と消費者庁の処分が重なる仕組み

士業の広告規制のうち、所属会の規程は資格者を、景品表示法は事業者としての事務所を対象にします。そのため同じ広告に、所属会と消費者庁の2つのルートから処分が及ぶことがあります。

5-1. 優良誤認・有利誤認は士業の役務にも適用|課徴金は売上額の3%、罰金は100万円以下

景品表示法5条は、商品や役務について実際より著しく優良と誤認させる表示(1号・優良誤認)と、取引条件を著しく有利と誤認させる表示(2号・有利誤認)を禁じています。

法律相談や税務顧問、行政書士や社会保険労務士の手続代行も役務であり、士業の事務所も対象です。3号は内閣総理大臣が指定する表示で、後述のステルスマーケティング告示はこの号に基づきます。

8条の課徴金は対象売上額の100分の3で、150万円未満なら命じられません。さらに48条は、著しく優良または有利と誤認させる表示をした者を100万円以下の罰金に処すると定めています。

5-2. 「1カ月限定」の着手金無料が約5年続いた法律事務所|措置命令の翌年に業務停止となった事例

所属会と消費者庁の両方から処分を受けた実例が、弁護士法人アディーレ法律事務所の事案です。報道によれば、同事務所は着手金無料キャンペーンを「1カ月限定」などと表示しながら、2010年10月から2015年8月まで約5年続けていました。消費者庁は2016年2月16日、有利誤認に当たるとして措置命令を出しています。

2017年10月11日、東京弁護士会は同法人を業務停止2カ月、元代表社員を業務停止3カ月の懲戒処分としました。報道では、同会は広告が「景表法に違反し、かつ日本弁護士連合会の弁護士等の業務広告に関する規程等にも抵触する」と判断したとされています。

5-3. 「顧客満足度No.1」を使う前に|消費者庁のNo.1表示報告書が示した考え方

消費者庁は2024年9月26日、No.1表示に関する実態調査報告書を公表しました。公表文は、合理的な根拠に基づかず事実と異なるNo.1表示は不当表示として問題になるとし、「顧客満足度」など主観的評価を指標とする表示に根拠を欠くものがあると指摘しています。

弁護士の指針13も「顧客満足度」を問題となり得る用語に挙げており、No.1表示は使わない前提で原稿を組むのが無難です。

5-4. 違反広告に所属会が取れる措置|調査・中止命令・公表・懲戒の流れ

3-4の証明要求に続き、弁護士の規程12条は中止・排除の命令に加え、命令に従わない場合などに措置の事実と理由の要旨を公表できるとしています(6項)。税理士の細則10条にも中止命令の定めがあり、所属会は別途会員を懲戒できます(5-2)。

国による懲戒もあります。行政書士法14条は都道府県知事による戒告・2年以内の業務の停止・業務の禁止を、社会保険労務士法25条の2・25条の3は厚生労働大臣による懲戒を定め、後者の処分は官報で公告されます(25条の5)。

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第6章 媒体別の規制ポイントと審査の食い違い|LINEヤフー・Google広告で止まる士業の広告規制

第6章 媒体別の規制ポイントと審査の食い違い|LINEヤフー・Google広告で止まる士業の広告規制

出稿先の媒体にも独自の基準があります。士業の広告規制と媒体の判断が食い違う場面を見ていきます。

6-1. リスティング・SNS広告・動画・ポータル|士業が使う広告媒体ごとの規制ポイント早見表

問題は媒体の種類より、形式ごとに起こりやすい違反です。

媒体規程・法令上の論点実務での対応
検索広告(リスティング)見出しに氏名・所属会が収まらない/最上級・断定の表現必須表示は遷移先で担保し、広告文は取扱分野と料金の事実で書く
自事務所のホームページ・LP必須表示・料金体系の掲載先氏名・所属会・料金を予約フォームの近くに置く
SNS広告・SNS投稿事務所アカウントの投稿も広告に当たりうる投稿も広告物として保存対象に含める
動画広告体験談による不安の喚起/ステマ規制上の表示の明瞭さ再現ドラマは誇張と不安喚起の両面から確認する
ポータル・比較サイト第三者の表示への協力/掲載料と紹介料の区別(第7章)掲載原稿と料金体系を契約書と一緒に保存する

弁護士の検索広告で成果を出す運用設計は、「弁護士のリスティング広告完全ガイド」で扱っています。

6-2. LINEヤフー広告の士業掲載基準|料金体系・懲戒歴の審査と列挙外の社会保険労務士・土地家屋調査士

LINEヤフーは2025年11月の告知資料で、Yahoo!広告とLINE広告の基準統一と2026年春頃からのウェブ公開を示しました。同資料によれば、導入で触れた6資格の広告は、次の4つを満たす必要があります。

  1. 代表者氏名・事務所住所・事務所電話番号・代表者の所属会の表示がある
  2. 各士業の所属会が定める広告関連規定を守っている
  3. 取り扱う業務の明確な料金体系が表示されている
  4. 代表者やそれに準ずる者が、職務と密接に関連する事項で所属会から懲戒処分を受けていない

(4)は統一で明文化されたもので、判断基準に変更はないとされています。列挙外の社会保険労務士と土地家屋調査士も、所属会の規程や景品表示法は変わらず適用されます。社会保険労務士の集客施策は「社会保険労務士のおすすめ集客方法13選」でまとめています。

6-3. Google広告の政府発行書類ポリシー|パスポート・電子渡航ビザなど手続き代行を訴求するときの認定

Google広告の公式ヘルプによれば、「政府発行書類と行政サービス」のポリシーは、パスポートや電子的な旅行ビザ・渡航許可などのカテゴリを対象にしています。認定事業者と見なされるには、自社のドメインが政府の公式サイトからリンクされ、その書類やサービスを提供できる事業者として明示されている必要があります。国やカテゴリによっては、認証がないと広告を掲載できません。

認証を受けていない場合、検索広告には「政府機関のウェブサイトではありません」という開示が自動で付くとされています。どの業務が当たるかは、出稿前にヘルプの最新版で確認してください。審査で止まったときは「Google広告のアカウント停止の原因と対処方法」が参考になります。

6-4. 会規則でOKでも媒体でNG、媒体を通っても会規則でNG|食い違いが起きる4つの典型

会規則と媒体の基準は一致しておらず、食い違いは次の4つの場面で起きやすくなります。

  1. 料金体系の表示: 会規則上の義務は弁護士の通信手段受任広告(規程9条の2)に限られますが、LINEヤフーは弁護士・司法書士を含む6資格すべてに求めています
  2. 懲戒歴: 会規則の広告規定にない、媒体独自の審査項目です
  3. 得意分野などの表現: 株式会社Grillの運用経験上、指針上は問題のない表現でも、「得意」と「実績多数」を並べた広告文は差し戻されやすい傾向があります
  4. 媒体を通った違反表現: 媒体審査の通過は、所属会の規程への適合を証明しません

株式会社Grillが2025年4月〜2026年3月に支援した士業事務所31件では、LINEヤフー広告で「料金体系の表示」不足による差し戻しが9件ありました。いずれも会規則上は問題のない広告でした。

第7章 第三者の表示でも事務所の違反になる|口コミ・ランキング・紹介料をめぐる士業の広告規制

第7章 第三者の表示でも事務所の違反になる|口コミ・ランキング・紹介料をめぐる士業の広告規制

士業の広告規制は、事務所が自分で出す広告だけに及ぶものではありません。口コミやランキング記事、紹介の仕組みのように、第三者が発信する表示に事務所の責任が及ぶ場面を確認します。

7-1. 第三者の抵触行為への協力禁止|弁護士・税理士・司法書士・弁理士の規定を比較

弁護士の規程8条は、第三者が行う表示で規程に抵触するものに、金銭その他の利益を供与し、または協力することを禁じています。大阪司法書士会の規則5条は「会員が行ったとすればこの規則に抵触するもの」への供与と協力を禁じ、弁理士の規則5条も協力の禁止を定めています。税理士の細則6条は、同じ場面を「供与し、又は関与してはならない」と書いています。

代理店が作った広告も、株式会社Grillの理解では事務所の広告として扱われ、確認の責任は事務所に残ります。

7-2. Googleクチコミの依頼と特典の提供|2023年10月施行のステマ規制で「事業者の表示」になる条件

2023年10月1日に施行されたステルスマーケティング告示は、事業者の表示だと判別しにくい表示を、景品表示法の不当表示に指定しました。運用基準は、事業者が第三者にSNSや口コミサイト上などで表示させる場合を、事業者の表示の例に挙げています。

一方で、ECサイトのレビュー機能で購入者に次回割引クーポン等を配っても、投稿内容に一切関与していなければ事業者の表示に当たらない例も示しています。

ただし、これはECサイトのレビューを前提にした例です。Googleマップのクチコミについては、Googleのコンテンツポリシーが、クチコミの投稿と引き換えにインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為を禁じています。特典付きの依頼はGoogleのポリシーに反するため、依頼は感想をお願いする範囲にとどめます。口コミ運用の進め方は「士業が絶対やるべきMEO対策」で取り上げています。

7-3. ランキング記事・取材記事への協力|日弁連指針が例示する「ランク付け記事」とアンケート回答

日弁連の指針は、第三者の抵触行為の例として、「勝訴率100パーセント」等を含む記事や、特定の弁護士等の優劣を論じるランク付け記事を挙げています。「協力」には、原稿の提供、アンケート回答、インタビューへの応答なども含まれます。取材に答えただけでも協力に当たる可能性があるため、掲載文面を事前に確認させてもらいます。

7-4. 紹介料・非弁提携・ポータル掲載|集客の仕組みが士業法に触れる境界

弁護士職務基本規程13条は、依頼者の紹介を受けたことへの対価の支払いも、紹介したことへの対価の受取りも禁じています。11条と弁護士法27条は非弁護士との提携を禁じ、土地家屋調査士の職務倫理規程18条も調査士でない者への協力・援助を禁じています。ポータルの料金は、掲載の対価か紹介1件ごとの対価かで評価が変わります。

成功報酬型の契約が紹介料に近づく条件は「士業に強い広告代理店おすすめ12選」で扱っています。

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第8章 出稿前に使える士業の広告規制チェックリスト|表現・表示・記録・媒体の12項目

第8章 出稿前に使える士業の広告規制チェックリスト|表現・表示・記録・媒体の12項目

第2章から第7章までの士業の広告規制を、根拠条文と該当章を添えた12項目に置き換えます。

8-1. 表現のチェック4項目|比較・結果の保証・専門表示・不安の喚起

原稿を書く人が入稿前に、第2章のマトリクスと並べて見る4項目です。

No.確認項目根拠・該当章
1他事務所・他会員と比べる表現がないか弁護士規程3条5号・税理士細則3条5号・弁理士規則4条の2・行政書士倫理10条/2-1
2勝訴率・「絶対」「確実」など結果を保証する表現がないか弁護士規程4条1号・指針13・社会保険労務士会則43条の4/2-2
3「専門」「No.1」「日本一」を使っていないか指針12・13、No.1報告書、社会保険労務士会則43条の4・公認会計士倫理規則R115.2/2-5・5-3
4不安をあおる、品位・信用を損なう表現がないか弁護士規程3条4号・行政書士倫理10条・土地家屋調査士職務倫理規程17条/4-2

8-2. 表示と記録のチェック4項目|必須表示・料金体系・同意書面・3年保存

資格者本人が、掲載面と保存フォルダの両方を見て確認する4項目です。

No.確認項目根拠・該当章
5氏名・所属会などの必須表示がホームページやLPにあるか弁護士規程9条・税理士細則7条ほか/3-1
6料金体系と、通信手段で受任する場合の3項目があるか弁護士規程9条の2・LINEヤフー基準/3-2・6-2
7依頼者名・事例の掲載に書面等の同意があるか弁護士規程4条・税理士細則4条ほか/2-3
8広告物・記録・契約書・入出金を広告単位で保存したか弁護士規程11条・税理士細則9条ほか/3-3・4-1

8-3. 媒体と第三者のチェック4項目|審査基準・口コミ依頼・紹介スキーム・委託先の管理

運用担当者が、出稿先と取引先を見て確認する4項目です。

No.確認項目根拠・該当章
9媒体の士業基準・政府発行書類ポリシーに当たらないかLINEヤフー統一基準・Google広告ポリシー/6-2・6-3
10口コミの依頼で特典を付けたり内容に関与したりしていないかステマ告示・Googleのポリシー/7-2
11紹介1件ごとに対価が発生する契約になっていないか職務基本規程13条・弁護士法27条ほか/7-4
12代理店・アフィリエイトの原稿と配信方針を把握しているか弁護士規程8条・指針第8/7-1・3-3

チェックは、入稿の直前ではなく原稿を書く前に置くと効果が大きくなります。

株式会社Grillが2025年4月〜2026年3月に支援した士業事務所31件のうち、このチェックリストを導入した19件で初回入稿の差し戻し率を比べました。導入前3か月の27%が、導入後3か月で6%に下がっています。

8-4. 判断に迷う表現は所属会へ|事前相談が有効な場面と用意する資料

12項目で判断がつかない表現は、弁護士会・行政書士会・社会保険労務士会など所属会への相談が最短です。公認会計士の倫理規則115.2A1は、広告の形態の適切性に疑念があるとき協会への相談を推奨すると明記しており、税理士の前職表示(2-4)のように会の判断に委ねられる論点も同じです。相談には、広告原稿と掲載イメージ、媒体と期間、数字の根拠、同意書面をそろえて臨みます。

第9章 士業の広告規制を守りながら選ばれる広告へ|規程の理解を事務所の強みにする

第9章 士業の広告規制を守りながら選ばれる広告へ|規程の理解を事務所の強みにする

弁護士・税理士、そして大阪司法書士会の規程では、広告の記録を終了から3年間保存する必要があります。2026年7月からは、弁護士の場合、代理店との契約書と入出金の記録もその対象に入りました。

振り返ると、確認の軸は3つに絞れます。1つ目は、資格名ではなく、比較・勝訴率・依頼者名といった表現の型で規程を引くことです。行政書士・社会保険労務士のように一般条項しかない資格でも、誇大や信用を損なう表現は同じ型で点検できます。

2つ目は、所属会・消費者庁・媒体がそれぞれ別の基準で広告を止めると知っておくことです。3つ目は、口コミやランキング記事のような第三者の表示も、関わり方次第で事務所の責任になり、依頼者からの信用に跳ね返ることです。

士業の広告規制に沿った広告運用とLP設計は株式会社Grillへ

株式会社Grillは、士業事務所の広告を「出したあとに説明できる状態」で運用することを重視しています。広告ごとに原稿・掲載画面・配信期間・契約・入出金・同意書をまとめ、1つのフォルダで照会に答えられる記録を運用開始時に設計します。比較サイトや口コミ依頼のように事務所の外で生まれる表示も、管理の対象に含めます。

記録の整理や原稿の一次確認にはAIを使い、担当者の時間は判断が分かれる表現の検討と改善に回しています。その結果、手数料は業界標準20%の半額水準となる10%〜、最低出稿は10万円〜です。反応と差し戻しを週単位で見直し、規程の範囲で成果の出る言い回しへ早く切り替えます。

動画やSNS広告、LPの改善にも対応しています。所属会から照会が届いた日に、該当する広告の記録一式をその日のうちに出せる状態を、御社の事務所に合わせて設計します。

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この記事を書いた人
2014年オイシックス株式会社にて海外事業の中核を担ったのち、香港および中国現地法人の社長に就任。アジア市場における事業の飛躍的な拡大を牽引。2017年には株式会社Emooveを代表取締役CEOとして創業。ゼロからの事業立ち上げて急成長を実現し、事業売却(EXIT)を成功へと導く。現在は、株式会社Grillの取締役COOとして参画。これまでの経営手腕と最前線で培った知見を融合させ、様々な業界に向けて事業成長に直結するWEBマーケティング支援を強力に推進している。
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