AI検索対策(AIO)としてやるべきとされる施策は増え続けています。ところがGoogleの検索セントラルが公開している生成AI向けのガイドは、構造化データは生成AI検索に必須ではないと明記しています。AI向けの新しい機械可読ファイルやMarkdown版のページを作る必要もないとされています。
しかも、こうしたAI向けの独自ファイルは作っても、サイトの可視性や順位に有利にも不利にも働かないと書かれています。
つまり、世に出回っているAIO対策の施策リストには、時間をかけても露出が動かない項目が最初から混じっています。2026年に入り、Googleは生成AI最適化の公式ガイドを公開しました。
Search Consoleでは生成AI機能の表示状況を見る専用レポートも使えます。何が効いて何が効かないかを、一次情報の側から仕分けられる状態になりました。
以下では、AIO対策の施策を必須・任意・不要の3層に振り分けたうえで、Google側とChatGPT側で異なる露出の条件、効果測定の置き方、支援会社9社の比較までをまとめました。限られた工数を、露出に効かない作業へ配り続けないための判断材料として使ってください。
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AIO対策は施策の数が多く、どこから着手するかで成果が見えるまでの時間が大きく変わります。しかもそのうちの一部は、SEOですでに実施済みの作業と重なります。施策名を横並びに眺める前に、露出そのものを左右する層と、そうでない層に切り分けるところから始めます。
AI検索の対策で最初にやるべきなのは、施策を増やすことではなく、施策を3つの層に振り分けることです。ないと露出が成立しない必須層、効果が自社の状況に依存する任意層、公式に「必要ない」とされている不要層の3つです。この3層に分けておくと、次章以降の話も「どの層の話か」で読み分けられます。
| 層 | 位置づけ | 該当する施策の例 |
|---|---|---|
| 必須層 | ここが欠けると露出そのものが成立しない(SEOの土台と大きく重なる) | クロールの許可(robots.txt)/インデックス/スニペット表示の許可/主要テキストのHTML出力/AI検索向けクローラーの許可設定 |
| 任意層 | やる価値はあるが、効果は自社の商材・サイト規模・競合状況に依存する | 一次情報の追加/出典と更新日の明示/著者・運営者情報の整備/第三者メディアでの言及獲得/リッチリザルト目的の構造化データ |
| 不要層 | Googleの公式ガイドが「必要ない」または「思われているほど有用ではない」としている | 生成AI検索のためだけの構造化データ追加/AI向けの独自ファイルの新設/AI向けのコンテンツ書き換え/コンテンツの細切れ化/不自然な言及の買い集め(※これのみ「必要ない」ではなく「思われているほど有用ではない」との記述) |
株式会社GrillがAI検索の対策を依頼される場面で最も多いのは、施策リストの上から順に着手して工数が分散し、必須層の点検が最後まで残っているケースです。BtoB SaaS・専門サービス・ECを中心とした支援先を対象とした確認(株式会社Grill調べ/2025年10月〜2026年3月、N=12社)でも、同じ傾向が見られました。着手前の状態で必須層の設定に何らかの不備が見つかった企業のほうが多い結果です。順番を先に決めるだけで、同じ工数でも動く数字が変わります。
不要層の中身は、推測ではなくGoogleの公式ドキュメントで確定できます。Google 検索セントラルの生成AI最適化ガイドには、次の一文があります。
Structured data isn’t required for generative AI search.
生成AI検索のために特別なschema.orgのマークアップを追加する必要はない、という意味です。AI用のテキストファイルやMarkdown版ページについても、新たに作る必要はないと明記されています。
重要なのは、この記述が「作ってはいけない」でも「無意味」でもない点です。同ガイドは、AI向けの独自ファイルを作ったとしてもサイトの可視性や順位を「neither harm nor help」——害にも助けにもならない——と表現しています。つまり露出の可否を左右しないという意味です。
リッチリザルトの獲得を目的とした構造化データの実装や、SEOで従来から使ってきたマークアップまで否定しているわけではありません。
同じガイドは、コンテンツを細かく分割することやAIに向けて記事を書き直すことについても、必要ないとしています。Web上での不自然な言及集めについては、思われているほど有用ではないという書き方です。いずれも工数を食いやすい作業にあたります。
不要層に該当する作業を止めるだけで、必須層と任意層に回せる時間が生まれます。
3層に振り分けが済むと、着手順は考えるまでもなく決まります。必須層は「やらないと土俵に上がれない」ため最優先、任意層は自社が出せる情報の強さ次第で選び、不要層には着手しない、という順序です。判断に迷う場面が減るぶん、社内の合意形成も早くなります。
工数配分の目安としては、着手初月は必須層の点検と修正に大半を充て、任意層は一次情報を1本追加するところから始めるのが現実的です。必須層の点検は担当者1人でも短時間で終えられる一方、任意層はコンテンツの制作工数が必要になるためです。
必須層はSEOの担当者がすでに触っている領域なので、社内で引き受け先も決めやすくなります。先に安いほうを終わらせ、高いほうへ時間を寄せるという配分になります。
なお、この3層の仕分けは着手の優先順位を決めるための枠組みであり、施策の手順書そのものではありません。
フェーズごとの具体的な進め方を知りたい場合は、「LLMO対策のやり方」の6フェーズ実践手順を参照してください。本記事は「どの施策に手を出すか」の判断に絞って進めます。
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3層の仕分けを扱ったところで、言葉の定義とSEOとの関係を短く整理しておきます。AIOは呼び方が乱立している領域なので、定義そのものより「社内でどう運用するか」に軸を置きます。
AIOはAI Optimization、あるいはAI Search Optimizationの略として使われ、生成AIが返す回答の中で自社が情報源として引用される状態をつくる取り組み全体を指します。
対象はGoogleのAI Overviewsのような検索側の生成AI機能と、ChatGPTのような対話型AIの両方です。
従来のSEOとの違いは、目的の置き場所にあります。SEOが検索結果での順位とクリックを目的にするのに対し、AIOは回答内での引用と言及を目的にします。
ユーザーが検索結果の一覧まで戻ってこないまま回答だけを読んで判断する場面が増えているため、回答の中に名前が載っているかどうかが接点の有無を決めます。
ただし、両者は別物ではありません。後述するとおり、Googleの生成AI機能に出るための前提はインデックスとスニペット表示です。つまりSEOで整えてきた状態が、そのままAIOの入場条件を兼ねています。AIO対策はSEOの置き換えではなく、その上に積む層だと捉えるのが実務に合います。
AI検索の登場でSEOそのものが不要になったのかを整理したい方は、「SEOはもう古いは本当?AI検索(GEO)時代にやるべきSEO戦略」もあわせてご覧ください。
AIOのほかに、LLMO(大規模言語モデル最適化)、GEO(生成エンジン最適化)、AEO(回答エンジン最適化)といった呼称が並んでいます。それぞれ強調点は異なりますが、実際に手を動かす施策の中身は大きく重なります。用語の正しさを社内で議論しても、着手する作業は変わりません。
実務上の推奨は、社内で使う語を1つに決めて固定することです。稟議・レポート・依頼書で語が揺れると、同じ作業に別の名前が付いて工数の二重計上が起きます。
支援会社とのやり取りでも、最初に「本件ではAIOという語を、AI Overviewsと対話型AIの両方を対象とした最適化の総称として使う」と定義を共有しておくと、認識のズレが減ります。
語ごとの対象範囲・目的・施策・指標の違いを詳しく比べたい場合は、「LLMOとAIOの違い」を4軸で整理した解説にまとめてあります。本記事では用語の比較には立ち入らず、AIOを総称として使って進めます。
現場で頻繁に起きるのが、対策側のAIO(AI Optimization)と、Googleの機能であるAI Overviewsの取り違えです。どちらも会話の中では「エーアイオー」と発音され、略称も似ているため、打ち合わせの途中で話が噛み合わなくなります。
混同を防ぐには、口頭でも文書でも次のように言い分けるのが確実です。
・対策側を指すとき:「AIO対策」「AI検索最適化」と、必ず「対策」「最適化」を付けて言う
・Googleの機能を指すとき:「AI Overviews」と正式名称で言い、略さない
・AIモード(AI Mode)を指すとき:AI Overviewsとは別の機能として、名前を分けて書く
社外のSEO会社や支援会社に見積もりを依頼する際は、この使い分けを依頼書の冒頭に1行入れておくと安全です。「AI Overviewsへの露出を増やしたい」のか「対話型AIでの言及を増やしたい」のかで、提案される施策も費用も変わるためです。
言葉の定義を1行そろえるだけで、提案の精度が上がります。

AI検索とひとまとめに語られがちですが、露出の条件は面ごとに異なります。Google側はSEOの土台がそのまま条件になり、ChatGPT側は別のクローラー設定が条件になります。ここが必須層の中心であり、点検を飛ばしたままコンテンツを作り込んでも成果につながりません。
Googleの生成AI機能に自社ページが出るための条件は、公式ガイドに明記されています。ページがGoogle検索にインデックスされており、かつスニペット付きで表示できる状態であることです。
原文では「indexed and eligible to be shown in Google Search with a snippet」と表現されています。逆に言えば、AI OverviewsやAIモードのために追加で満たすべき特別な要件は用意されていません。
ここで見落とされやすいのが、表示を制限する側の設定です。Googleは表示のコントロール手段としてnosnippet、data-nosnippet、max-snippet、noindexを挙げています。
これらは本来スニペットの出方を調整するための指定ですが、生成AI機能への露出も同時に止める設定になり得ます。引用が増えない原因がコンテンツではなく設定にある、というケースはここで生まれます。
自社サイトで確認すべき箇所は次の4点です。
・robots.txtでGoogleのクローラーを意図せずブロックしていないか
・主要ページのmeta robotsにnoindexやnosnippetが入っていないか
・max-snippetで文字数を極端に絞っていないか
・テンプレート由来のdata-nosnippetが本文全体に掛かっていないか
ChatGPT側のゲートはGoogleとは別物です。OpenAIは公式ドキュメントでクローラーを用途別に分けており、ChatGPTの検索機能でサイトを検索結果に表示するために使われるのがOAI-SearchBotです。
同ドキュメントには、OAI-SearchBotを拒否したサイトはChatGPTの検索回答に表示されない、と書かれています。ただし同じ箇所には、拒否した場合でもナビゲーションリンクとしては表示され得るという留保も添えられています。
一方、GPTBotは基盤モデルの学習用に使われるクローラーで、拒否は学習に使わせない意思表示にあたります。さらにChatGPT-Userはユーザーの操作を起点に動くもので、コンテンツが検索側に表示されるかどうかの判定には使われないとされています。
3つは目的が別なので、まとめてブロックすると露出まで一緒に止まります。
実務でよく見つかるのが、「AIに学習させたくない」という判断でAI系クローラーを一括拒否した結果、OAI-SearchBotまで止めていたという状態です。学習を拒否したいだけであればGPTBotの制御で足り、検索での露出は残せます。robots.txtの1行が、意図せず入場ゲートを閉じていないかを確認してください。
PerplexityやMicrosoft Copilotなど、GoogleとOpenAI以外の面についても同様の確認が必要です。ただし各社のクローラー名や拒否した場合の挙動は変更されることがあるため、本記事では個別の仕様を断定せず、確認手順そのものを示します。
手順は3つです。まず各社の公式ヘルプまたは開発者向けドキュメントで、検索表示に使われるクローラー名を確認します。次に、そのクローラーをrobots.txtやWAF・セキュリティ製品で拒否していないかを照合します。最後に、確認日と確認先URL、判定結果を1枚のシートに記録します。
記録を残す理由は、仕様が変わったときに「前回はどこを見て、何がOKだったか」を再現できるようにするためです。AI検索の面は今後も増える可能性が高いため、確認先のリストを資産として持っておくほうが、毎回ゼロから調べるより早く済みます。
必須層の点検は、実務上30分程度で一巡できます。以下の順で見ていくと、抜け漏れが出にくくなります。
| # | 確認対象 | 見る場所 | 判定の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | クロールの許可 | robots.txt | 検索用・AI検索用の各クローラーがDisallowされていないか |
| 2 | インデックス状態 | Search Console のページインデックスレポート | 主要ページが「インデックス済み」になっているか |
| 3 | スニペット許可 | 各ページのmeta robots・HTMLソース | nosnippet/max-snippet/data-nosnippetの指定がないか |
| 4 | テキストの出力 | HTMLソース(JavaScript無効時の表示) | 主要な本文がHTMLに出力されているか |
| 5 | AI系クローラー | robots.txt・WAFのブロックログ | OAI-SearchBot等を一括拒否していないか |
4番目のテキスト出力は、SEOの点検項目と同じでありながら見落とされがちです。Googleは重要なコンテンツをテキスト形式で提供することを推奨しており、画像内の文字やスクリプトでしか描画されない要素は読み取りの対象から外れます。
WordPressでrobots.txtを編集する具体的な操作は、「WordPressのLLMO実装」で解説するrobots.txtの編集手順が参考になります。
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入場ゲートを通したうえで次に効いてくるのが、回答を組み立てる仕組みへの合わせ方です。ここからはSEOの延長では説明しきれない、AI検索固有の設計の話になります。ここではGoogleの公式ガイドが説明しているクエリファンアウトを起点に、ページ設計の単位を考えます。
クエリファンアウト(query fan-out)は、Googleの公式ガイドで定義されている仕組みです。モデルがより多くの情報を得るために、関連する複数のクエリを同時に生成し、追加の検索結果を取得する、と説明されています。
ユーザーが入力した1つの質問が、内部で複数の検索に分岐しているということです。
この結果、AI OverviewsやAIモードでは、従来の検索結果より幅広く多様なリンクが表示されると公式に説明されています。従来のように「ある1つのキーワードで1位を取る」という単線の勝負ではなく、分岐した先の各クエリに、どれだけ答えを持っているかという面での勝負になります。
見方を変えると、これはSEOで大手に押されてきた中小規模のサイトにとって、不利なだけの変化とは限りません。分岐したクエリの中には、大手メディアが正面から扱っていない具体的な問いが含まれます。自社が実務で答えられる細かい問いを持っているほど、参照される入口は増えます。
クエリが分岐する前提に立つと、ページの設計単位も変わります。従来のSEOで使われてきた「1ページ1キーワード」は、ページ全体で1つの検索意図を受け止める考え方でした。AIO対策ではこれを一段細かくします。見出しごとに1つの問いへ答えを持たせる設計に切り替えるということです。
具体的な手順は、既存記事の棚卸しから始めるのが早道です。まず記事内のh2・h3を書き出し、それぞれが「どんな問いへの答えか」を1文で書き添えます。次に、答えが2つ以上混在している見出しを分割し、答えが書かれていない見出しに結論の1文を足します。
見出し直下の1文が、そのまま抜き出される単位になります。
株式会社Grillが支援したBtoB SaaS・専門サービス業種のサイト(2025年11月〜2026年3月、N=9社)でも、この棚卸しを実施しました。既存記事の見出しの多くが「話題のラベル」で止まっており、引用の単位になる答えの1文が直下にない状態でした。新規のコンテンツを作るより、既存記事の見出し直下を直すほうが着手は軽く済みます。
「見出し単位で答える」と聞くと、コンテンツを細かく分割したほうが良いのではと考えたくなりますが、Googleの公式ガイドはこれを不要としています。生成AIのためにコンテンツを細かくチャンク化すること、AI向けに書き直すことは、いずれも必要ないと明記されています。第1章で挙げた不要層に該当します。
理由は、細分化そのものが評価されるわけではないためです。分割した結果、1ページあたりの情報量が薄くなり、ユーザーにとって読みにくいサイト構造になれば、むしろ逆効果になります。分けるべきは論点であって、ページではありません。
代わりに整えるのは次の3点です。
この3点は、AI向けの特別な作業ではなく、人が読んでも分かりやすくなる整え方でもあります。AI向けの書き換えではなく、構造の整理として進めるのが公式見解に沿った進め方です。

ここからは任意層の中身に入ります。自社にしか出せないデータをどう整えるかが、引用される確率を押し上げる中心になります。SEOのコンテンツ制作と作業は似ていますが、狙う結果が「順位」ではなく「引用」である点が違います。
AIが回答に組み込みやすいのは、どこにでも書いてある一般論ではなく、出どころが明確な具体的なデータです。自社が持つ実績・調査・見積もりの情報を、1文で抜き出せる単位に整形するところから始めます。
コンテンツに載せる書式は、数値+対象+期間+条件の4点をセットにするのが基本です。「改善しました」ではなく「どの業種の、いつからいつまでの、何件を対象にした、いくつの数字か」まで書きます。
株式会社Grillがコンテンツを制作する際も、数値を出す場合は調査主体の社名・対象業種・調査期間・サンプル数(N数)を必ず添える書式で統一しています。主語とN数のない数字は、読者にもAIにも使われません。
手順としては、①社内にある集計可能なデータを洗い出す、②公開してよい粒度まで丸める、③4点セットの書式で1文にする、④該当する記事の見出し直下に置く、という順で進みます。
新しい調査を企画するより、すでに手元にあるデータを公開できる形に直すほうがはるかに早く着手できます。
自社のデータ以外を扱う場合は、出典の示し方が信頼性を左右します。出典元の名称・URL・参照した日付の3点を本文側に置き、脚注や画像内だけで済ませないようにします。テキストとして出力されていない出典は、機械側から見て存在しないのと同じ扱いになります。
更新日の扱いも重要です。公開日だけが表示され、更新日がないページは、情報がいつ時点のものか判断できず、引用の候補からも外れやすくなります。
AI検索の領域は仕様変更が続いているため、更新日の表示は鮮度を示す実用的な手段になります。更新した事実がある場合のみ日付を更新し、内容を変えずに日付だけを新しくする運用は避けてください。
出典を示す際、リンク先が消えている「リンク切れ」が残っているケースが目立ちます。公的機関や事業者のドキュメントはURL構成が変わることがあるため、四半期に一度は主要記事の外部リンクを一括で確認する運用を入れておくと安全です。
誰が書いた情報なのかがサイト側から辿れる状態は、AIO対策でもSEOでも共通して効きます。確認すべきは、著者ページ・運営者情報・会社概要の3か所で、社名・所在地・事業内容・連絡先が食い違っていないことです。表記が割れていると、同一の事業者として結び付けられません。
著者ページには、氏名・肩書・担当領域・実務経験の期間を書き、記事との関係が分かるようにします。監修者を立てる場合は、監修範囲を明示します。
「監修」とだけ書いて範囲が不明な表示は、根拠として弱くなります。肩書だけを並べるより、何をどれだけやってきた人かが書いてあるほうが機能します。
Googleの公式ガイドは、生成AI機能に関しても、独自で価値のあるコンテンツを提供すること、良好なページエクスペリエンスを保つことを推奨しています。読み込みが遅い、広告で本文が隠れる、といった状態は、AI検索向けの特別な施策を積む前に直しておくべき土台にあたります。
いずれもSEOで以前から言われてきた項目であり、構造化データのような追加実装より優先されます。
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AIは複数の情報源を突き合わせて回答を組み立てるため、自社サイトの中だけを直しても届く範囲には限りがあります。ここでは、SEOの外部対策とも重なるサイトの外側の論点を扱います。
自社の呼び名が場所によって割れていると、同じ事業者として結び付けられません。株式会社の前株・後株、英字表記の大文字小文字、サービス名のスペースや中黒の有無、旧社名との併記——このあたりは、担当者が変わるタイミングで割れやすい箇所です。
棚卸しの対象は次のとおりです。公式サイトのフッターと会社概要、Googleビジネスプロフィール、各SNSのアカウント情報、掲載されている業界メディアやプレスリリース、採用媒体、そして名刺・資料などのオフライン素材です。
正式表記を1つ決め、一覧表にして関係者へ配るところまでが作業単位になります。
失敗談として株式会社Grillの支援現場でよく見つかるのが、サービス名を途中でリニューアルしたのに、古い名称での掲載が外部メディアに残っているケースです。旧名称の情報が新名称のページより多く残っていると、AIの回答でも古い情報が優先されやすくなります。改称した場合は、外部の掲載先に更新依頼を出すところまでを工程に含めてください。
第三者メディアでの言及を増やす場合、掲載先の選び方に優先順位を付けます。第1に、自社の商材カテゴリで実際に引用元として使われている媒体かどうか。第2に、掲載基準や編集方針が明示されている媒体かどうか。この2点を満たす媒体から順に当たります。
判断の材料としては、その媒体が自社の業界を継続的に扱っているか、記事の更新日が新しいか、掲載企業の情報が最新に保たれているかを見ます。掲載後に放置され、料金やサービス内容が古いまま残る媒体は、かえって誤った情報の供給源になります。
掲載を取ることより、掲載後に更新できる関係を作ることのほうが実利があります。
AIO対策の文脈でも、外部からの言及を増やす基本的な考え方は共通します。
外部での言及が効くと聞くと、掲載枠を買い集めて数を増やす発想が出てきます。ただしGoogleの公式ガイドは、Web上で不自然な言及(inauthentic mentions)を探し回ることについて、思われているほど有用ではない、としています。第1章の不要層に分類される施策です。
理由は単純で、AIが参照するのは言及の総数そのものではなく、情報として使える中身だからです。同じ紹介文が複数の媒体に並んでいるだけの状態では、引用の材料になる新しい情報が増えません。数を増やす投資は、内容を増やす投資より費用対効果が読みにくくなります。
代わりに投資先として妥当なのは、自社が出せる一次情報を第三者媒体に提供する形の露出です。調査データの提供、実務者としてのコメント寄稿、導入事例の共同公開などが該当します。買った言及ではなく、引用されうる中身を外に置くほうが、AIO対策としては筋が通ります。

ここまでの仕分けを社外に任せる場合、比較すべきは金額の大小ではなく「どこまで手を動かすか」です。SEOの会社が看板を掛け替えただけなのか、AI検索固有の点検まで踏み込むのかで、支援の中身は変わります。
株式会社Grillが2026年9月に9社の公式サイトを確認し、各社が事業として掲げている領域と料金の公開状況を整理しました。診断で終わる会社と、実装まで入る会社を同じ土俵で比べないでください。
以下の比較表は、各社の公式サイトに記載されている事業内容をもとにまとめたものです。実行深度は、公式サイトで掲げている支援範囲から本記事が整理した目安です。
| 会社名 | 実行深度の目安 | 公式サイトで掲げている領域 | 料金の公開状況 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社Grill | 診断〜コンテンツ改修〜技術実装〜効果測定 | SEO・広告運用・AI活用のマーケティング支援 | 公開(SEO等は月額数万円〜/広告は10万円〜・手数料10%〜/MEO対策は月額5,000円〜) | 予算を抑えつつ実装と検証まで任せたい企業 |
| 株式会社Faber Company | ツールでの可視化+支援 | GEO対策/LLMO支援/AIO(AI検索最適化) | 要問い合わせ | 引用状況をデータで継続的に見たい企業 |
| 株式会社CINC | 分析・戦略設計 | AI検索最適化(GEO/LLMO/AIO) | 要問い合わせ | 市場データの分析から設計したい企業 |
| 株式会社クーシー | 診断〜Web制作の実装 | LLMO/AIO/GEO診断 | 要問い合わせ | サイトリニューアルと同時に進めたい企業 |
| 株式会社ジオコード | 診断〜SEO・開発の実装 | AIO・LLMOなどAI最適化 | 要問い合わせ | SEOとAI最適化を同じ体制で進めたい企業 |
| 株式会社NEXER Group | 診断〜改善提案 | AIO・LLMO・SEO | 要問い合わせ | 広くWeb施策の一部として取り組みたい企業 |
| 株式会社SORAMICHI | データ基盤・AI実装 | LLMO/AIOコンサルティング | 要問い合わせ | 社内のAI活用と合わせて設計したい企業 |
| 株式会社仁頼 | 診断〜改善提案 | GEO対策(AI検索最適化)/LLMO対策 | 公開(GEO Hack Suite 月額14,800円〜・税別) | 小さく始めて様子を見たい企業 |
| 株式会社Uravation | 研修・顧問+支援 | AI検索攻略(LLMO) | 要問い合わせ | 社内のAIリテラシーごと引き上げたい企業 |
※料金の公開状況は2026年9月時点で各社公式サイトを確認した内容です。「要問い合わせ」の会社に推測の金額は記載していません。正確な費用は各社へ直接お問い合わせください。

【必須層の点検から実装・効果測定まで通しで担うAI検索対策のパートナー】
株式会社Grillは、本記事で扱ってきたAI検索の対策を、点検・改修・計測の3工程で通しで担います。まずrobots.txtとmeta robotsの設定、スニペット表示の可否、主要テキストのHTML出力、AI系クローラーの許可状況といった必須層を洗い出します。
そのうえで、見出し直下を結論から書く形へコンテンツを作り替え、自社しか出せない一次情報を引用可能な単位へ整形します。
リッチリザルト目的のschema.orgマークアップの実装や、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを使った効果測定の設計まで、同じ体制の中で対応します。SEOで積み上げてきたインデックス管理と、AI検索固有のクローラー設定を切り離さずに扱える点が、窓口を分けない利点です。
支援の起点に置いているのは、施策を足すことではなく、効かない施策を止める判断です。Googleの公式ガイドが不要としている施策に工数が向いていないかを確認し、必須層の点検へリソースを寄せ替えます。
AI検索は仕様変更が続く領域のため、公式ドキュメントの更新履歴を定期的に確認し、無効化された施策を運用から外す点検までを工程に含めています。BtoB SaaS・専門サービス・EC・美容・不動産など、比較検討の場面でAIの回答が意思決定に絡む業種での支援実績を持ちます。
料金面では、最先端AIと自動化ツールで運用工数を圧縮した分を価格に反映しています。SEO・AIO支援は月額数万円から、広告運用は最低出稿予算10万円〜・手数料10%〜(広告業界で一般的な20%の半額水準)、MEO対策は月額5,000円〜です。
工数を圧縮できているぶん検証の回数を増やせるため、施策の実行から改善までのサイクルが速く回ります。
AI検索の対策は正解が固定されていない領域であり、試行回数を確保できることがそのまま成果までのスピードにつながります。さらに、AI検索経由で流入したユーザーを受け止めるLPの改善や、広告と組み合わせた導線設計まで合わせて相談できます。
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【無料】GrillにAIO対策を無料相談>| 会社名 | 株式会社Grill |
| 所在地 | 東京都渋谷区東3丁目22−14 グランファースト恵比寿 5階 |
| 公式サイト | https://grill.co.jp/ |

【引用状況の可視化ツールを軸にしたAIO・GEO支援】
株式会社Faber Companyは、公式サイトで「GEO対策」「LLMO支援」「AIO(AI検索最適化)」を明示しており、AI検索での引用状況を可視化するツールを提供しています。対策の効果が見えにくいという課題に対し、データで状態を追える仕組みから入るアプローチです。
コンテンツマーケティングとSEOのツール提供で積み上げた知見を背景に持つため、計測の結果を記事の改善へつなげる流れを社内で回したい企業に向いています。料金は公式サイトでは公開されていないため、支援範囲と合わせて問い合わせが必要です。
| 会社名 | 株式会社Faber Company |
| 公式サイト | https://www.fabercompany.co.jp/ |
| 料金 | 要問い合わせ |

【市場データの分析からAI検索最適化の方針を組み立てる】
株式会社CINCは、アナリティクス事業の中で「AI検索最適化(GEO/LLMO/AIO)」を掲げています。市場や検索行動のデータ分析を出発点にする点が特徴で、自社がどの領域で参照されるべきかという方針づくりから相談できます。
データを根拠に施策の優先順位を決めたい企業や、SEOの予算とAI検索の予算を分けて説明する必要がある企業に向く体制です。料金は公開されていません。
| 会社名 | 株式会社CINC |
| 公式サイト | https://www.cinc-j.co.jp/ |
| 料金 | 要問い合わせ |

【サイト制作の体制を活かして診断から実装まで進める】
株式会社クーシーは、「LLMO/AIO/GEO診断」を製品として提供しています。Web制作を本業とする体制のため、診断で見つかった課題をそのままサイトの改修へつなげやすい点が特徴です。
第3章で扱ったスニペット設定やテキストのHTML出力といった論点は、サイトの実装側に手を入れないと直せないことがあります。リニューアルや改修の予定がある企業なら、SEOの内部対策と構造化データの実装をまとめて見直しながら、同じタイミングでAIO対策を織り込めます。料金は公開されていません。
| 会社名 | 株式会社クーシー |
| 公式サイト | https://coosy.co.jp/ |
| 料金 | 要問い合わせ |

【SEOと開発の両方を持つ体制でAI最適化まで担う】
株式会社ジオコードは、公式サイトで「AIO・LLMOなどAI最適化も徹底支援」と明示しています。SEO支援とWeb開発の両方を事業として持つため、インデックスやクロールの土台部分から技術的な実装まで、窓口を分けずに進められます。
SEOの施策とAIO対策を別々の会社に依頼すると、作業の重複や責任範囲の曖昧さが生まれます。両方を同じ体制でまとめたい企業に向いています。料金は公開されていません。
| 会社名 | 株式会社ジオコード |
| 公式サイト | https://www.geo-code.co.jp/ |
| 料金 | 要問い合わせ |

【広いマーケティング支援の中にAIO・LLMOを組み込む】
株式会社NEXER Groupは、AIO・LLMO・SEOをサービスとして掲載しています。AI検索の対策を単体で切り出すのではなく、デジタルマーケティング全体の施策の一部として設計したい場合に検討先となります。
AI検索での露出だけを増やしても、その先の問い合わせ導線がなければ成果にはつながりません。SEOやサイト全体の集客設計と合わせて相談したい企業に向きます。料金は公開されていません。
| 会社名 | 株式会社NEXER Group |
| 公式サイト | https://nexer.co.jp/ |
| 料金 | 要問い合わせ |

【データ活用とAI実装の側からAIO対策に入る】
株式会社SORAMICHIは、「LLMO/AIOコンサルティング」を明示しています。データ基盤やAIの実装を手がける側面を持つため、自社のデータをどう整えて外へ出すかという設計から相談できる体制です。
第5章で扱った「自社しか出せない数字を引用できる形に整える」という工程は、社内のデータが散らばっているほど手間がかかります。データの整備段階から支援を受けたい企業に適しています。料金は公開されていません。
| 会社名 | 株式会社SORAMICHI |
| 公式サイト | https://www.sora-michi.co.jp/ |
| 料金 | 要問い合わせ |

【料金を公開しており、小さく始めやすいGEO・LLMO対策】
株式会社仁頼は、「GEO対策(AI検索最適化)」「LLMO対策」を掲げ、GEO Hack Suiteという名称のサービスを月額14,800円〜(税別)で公開しています。9社の中で料金が公式サイト上で確認できる数少ない事業者です。
料金が公開されていることの実務上の利点は、SEOの予算とは別枠で社内稟議の初期段階から概算を示せる点にあります。まず小さく着手して社内の関心を確かめたい、という段階の企業にとって検討しやすい選択肢です。
| 会社名 | 株式会社仁頼 |
| 公式サイト | https://jinrai.co.jp/ |
| 料金 | GEO Hack Suite 月額14,800円〜(税別) |

【社内の生成AI活用ごと引き上げる研修・顧問型の支援】
株式会社Uravationは、「AI検索攻略(LLMO)」をサービスとして提供しています。生成AIの研修やAI顧問といったメニューと合わせて提供している点が特徴で、外注で施策を回すだけでなく、社内の理解度を上げたい企業に向きます。
AIO対策は、コンテンツを作る現場の担当者が仕組みを理解しているほど回りやすくなります。SEOの基礎から学び直したいチームや、社内に知見を残す形を優先したいチームに向く選択肢です。料金は公開されていません。
より多くの候補から比較したい場合は、「LLMO対策のおすすめ会社23選」の各社比較も参考になります。
| 会社名 | 株式会社Uravation |
| 公式サイト | https://uravation.com/ |
| 料金 | 要問い合わせ |
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AIO対策が続かない最大の理由は、効果が見えないことです。2026年に入ってGoogle側の計測手段が公式に用意されたため、測り方の設計も更新が必要になりました。
Search Consoleには、生成AI機能のパフォーマンスレポートという専用の画面があります。
AI OverviewsやAIモード、およびDiscoverの生成AI機能における表示状況を確認できるもので、検索セントラルのブログで2026年6月に導入が告知されました。Google側の露出は、推測ではなくここを起点に見られます。
これまでAI検索の効果測定は、担当者が実際に質問して回答を目視で数える方法か、GA4の参照元から推定する方法しかありませんでした。公式のレポートが加わったことで、少なくともGoogle側についてはデータの裏付けを持って報告できます。
支援会社に依頼する場合も、このレポートを見た報告になっているかが確認ポイントになります。
なお、レポートの提供範囲や全体のパフォーマンスレポートとの集計上の扱いは、環境や時期によって異なる可能性があります。本記事では、2026年6月に導入が告知されたという事実までを前提とし、細かな仕様については各自のSearch Consoleの画面と公式ドキュメントで確認することをおすすめします。
Google以外の面には、公式のパフォーマンスレポートにあたる仕組みが用意されていません。したがって、対話型AIでの露出は手動の定点観測で補います。重要なのは、思いついたときに調べるのではなく、条件を固定して繰り返すことです。
記録する項目は、次の4点に絞ると運用が続きます。
頻度は月1回を基本とし、サイトを大きく改修した月だけ前後で2回測る形が現実的です。質問文は自社の商材カテゴリで実際に使われそうな表現を10本前後決め、途中で変えないようにします。質問文を変えてしまうと、前月との比較ができなくなります。
GA4の参照元でAI検索経由の流入を切り分ける方法は広く使われていますが、取りこぼしが出ます。AIの回答を読んだユーザーが、リンクを踏まずに社名で検索し直して訪問するケースは参照元に残りません。参照元での計測を単独のKPIに置くと、実態より小さく見えます。
そこで、指標は4段階に分けて置きます。表示はSearch Consoleの生成AIレポート、引用や言及は手動観測の記録、流入はGA4の参照元とSEO側の指名検索の推移、商談は問い合わせフォームや商談化率で見ます。段階ごとに別のデータ源を持たせておけば、どこで止まっているかを切り分けられます。
株式会社Grillが効果測定の設計から入る場合も、最初の3か月は「表示」と「言及」の2段階だけを見て、流入や商談は参考値として扱うようにしています。AI検索の対策は変化が数字に出るまで時間がかかるため、下流の指標で早期に判断すると打ち切りが早すぎる判断になりやすいためです。
AI検索の面に広告を出稿する場合の計測は、「ChatGPT広告」で解説する新媒体の計測設計も合わせて確認してください。

施策そのものは間違っていないのに成果が出ない場合、原因は施策ではなく進め方の側にあります。SEOで成果を出してきたチームでも同じつまずき方をします。株式会社Grillの支援現場で繰り返し見つかる5つのパターンを、症状・理由・直し方の順にまとめます。
症状として現れるのは、着手から数か月経っても「やったこと」は増えているのに、どの施策が効いたか説明できない状態です。施策リストを機械的に上から消化すると、必須層と不要層が同じ重みで並んだまま進みます。
理由は単純で、リストが「効果の大きさ」ではなく「思いついた順」や「他社がやっている順」で並んでいるためです。第1章の3層に振り分けていないと、この並びを疑うきっかけがありません。
直し方は、着手済みの施策を一度すべて書き出し、必須・任意・不要のどれに当たるかを付け直すことです。構造化データの実装のように目的次第で層が変わるものは、何のために入れたかも併記します。
不要層に該当する作業は止め、必須層に未着手が残っていればそちらへ工数を移します。足すのではなく、並べ替えるのが最初の手当てです。
症状は、記事が箇条書きと定義文の羅列になり、読み進めても具体的な話が出てこない状態です。AIに読ませることを意識しすぎると、文章から実務の手触りが抜けます。
Googleの公式ガイドは、AI向けにコンテンツを書き直す必要はないとしています。AIが引用するのは形式ではなく中身です。
人にとって分かりにくいページがAIにとって分かりやすい、ということは起こりません。SEOでキーワードを詰め込んだページが評価されなくなったのと同じ構図です。
読み手を機械に置き換えた瞬間に、引用される理由そのものが薄くなります。
直し方は、結論の1文だけを見出し直下に置き、その後のコンテンツを具体例・数値・手順で厚くすることです。構造は整えるが、中身は人向けに書く——この線引きを守ります。
症状は、自社サイトは最新なのに、AIの回答では古いサービス名や旧料金が返ってくる状態です。第6章で触れたとおり、AIは複数の情報源を突き合わせて回答を作ります。
理由は、外部媒体の掲載情報が更新されず残っているためです。掲載時点では正しかった情報が、そのまま古いデータとして参照され続けます。自社サイトの修正だけでは、外にある古い記述は消えません。
直し方は、自社名やサービス名で検索して掲載先を洗い出し、更新依頼のリストを作ることです。更新に応じてもらえない媒体については、自社サイト側に最新情報をまとめたページを用意し、正しい情報の密度で上回る形を取ります。
症状は、手動観測では自社名が挙がるようになったのに、問い合わせが増えないという状態です。AIの回答を読んだユーザーは、すでに比較検討をある程度終えた状態でサイトへ来ます。
株式会社Grillが支援に入った案件でも、記事の引用は増えたのに問い合わせが横ばい、という相談は珍しくありません。理由は、着地先のページが「はじめての人向けの説明」で止まっているためです。AI経由で来たユーザーは概要をすでに知っているため、必要なのは料金・対応範囲・事例・問い合わせ手段といった判断材料です。入口を増やしたのに、受け皿が入門者向けのままだと商談につながりません。
直し方は、AIの回答で言及されやすい記事を特定し、その記事から料金ページ・事例ページ・問い合わせへの導線を明示的に足すことです。記事の末尾だけでなく、ユーザーが判断に迷う文脈の近くに置きます。
症状は、半年続けたところで「効果があったのか分からない」という理由で予算が止まる状態です。AIO対策は成果が出るまでに時間がかかるため、途中経過を見る指標がないと継続の判断ができません。
理由は、第8章で扱った表示・言及・流入・商談の4段階を分けずに、いきなり問い合わせ件数だけで評価してしまうことにあります。下流の指標は動くまでに時間がかかるため、判断が早すぎる打ち切りになります。
直し方は、着手前に4段階の指標と測定頻度を決め、最初の3か月は上流の2つだけで判断すると社内で合意しておくことです。
成果が出たケースと出なかったケースの分かれ目については、「LLMOの事例」で扱う成果が出たケースと出なかったケースも参考になります。
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AI検索とSEOの周辺では、推奨されていた施策が数年で提供終了になることがあります。過去に何が起きたかを1件たどると、点検の仕組みを運用へ組み込む必要性がはっきりします。
Googleは、FAQのリッチリザルトについて「2026年5月7日以降、Google検索に表示されなくなる」と検索セントラルのドキュメントで告知し、同年6月の更新で提供終了済みと明記しました。この機能はもともと、2023年9月以降は政府系・医療系の権威あるサイトに限定して表示される状態に絞り込まれていました。
FAQの構造化データは、一時期はSEOの定番として、検索結果での占有面積を広げる施策に位置づけられていました。実装を担当した現場からすれば、正しい施策が数年で表示対象から外れたことになります。推奨されていた事実は、その施策が今も有効であることを保証しません。
ここで誤解しないでほしいのは、Q&A形式でコンテンツを書くこと自体が無意味になったわけではない、という点です。提供が終了したのは検索結果に専用の表示枠が出るリッチリザルトという表示機能であり、ユーザーの疑問に答える形でコンテンツを構成することの価値は別の話です。第4章で述べた「1見出し1論点」の設計とも相性は良いままです。表示機能と書き方を切り分けて考えてください。
仕様変更に追従するには、確認先を固定して定期的に見る運用が確実です。ニュース記事や解説を起点にすると、伝聞の途中で内容が変わることがあります。確認先は、機能を提供している事業者の公式ドキュメントに固定してください。
| 点検項目 | 確認先 | 頻度 | 記録すること |
|---|---|---|---|
| Googleの生成AI機能に関する要件 | Google 検索セントラルの該当ドキュメントと更新履歴 | 四半期ごと | 確認日・更新の有無・変更点 |
| 構造化データの提供状況 | Google 検索セントラルの各機能ページ | 四半期ごと | 提供終了・仕様変更の有無 |
| AI系クローラーの仕様 | 各AI提供元の公式ヘルプ・開発者向けドキュメント | 四半期ごと | クローラー名・拒否時の挙動 |
| 自社の設定状態 | robots.txt・meta robots・Search Console | 四半期ごと | 変更の有無と実施者 |
記録に残すのは、確認日・確認先URL・変更の有無・自社への影響の4点で十分です。点検した事実が残っていれば、次回は差分だけを見れば済みます。
提案書に並ぶ施策が、SEOとAI検索のどの時点の情報に基づくものかは、質問すれば判別できます。次の3つを聞いてください。
回答が「業界では一般的です」「多くのサイトで実施されています」といった一般論に終始する場合は、根拠が伝聞である可能性があります。他社がやっているという理由だけで並んだ施策は、無効化されても気づかれないまま残ります。

ここからは、AIO対策の相談でよく出る疑問を6つ取り上げます。回答はいずれも、第1章で示した3層の仕分けと、第3章の面ごとのゲートに紐づけて整理しています。
面ごとに入場ゲートが違うためです。Google側はサイトがインデックスされ、スニペット付きで表示できる状態であることが前提になります。一方ChatGPT側は、OpenAIが検索表示に使うOAI-SearchBotを許可しているかどうかが分かれ目になります。
片方だけ出る状態は、片方のゲートだけが開いていることを意味します。SEOが効いていても、ChatGPT側の露出はそれだけでは決まりません。
まずrobots.txtとセキュリティ製品の設定を見て、OAI-SearchBotを拒否していないかを確認してください。なお、どちらの面についても表示を保証する仕組みは公式に用意されていません。
Googleの公式ガイドも、生成AI機能に出るための追加要件や特別な最適化は存在しないとしています。整えられるのは表示され得る状態までであり、「必ず載せます」と約束する提案には根拠がありません。
解除は前提条件を戻す作業であり、解除した瞬間に引用が復活するわけではありません。SEOでインデックスが戻るまでに時間がかかるのと同じです。
クローラーが再訪してページを取得し直し、それが回答の材料として使われるまでには時間差があります。設定の解除は「元に戻す」ではなく「入り直す」作業だと考えてください。
そのうえで、解除後は第8章の定点観測で経過を追います。同じ質問文を月1回投げ、自社が引用されるかどうかを記録します。数か月たっても変化がない場合は、ゲートではなくコンテンツ側に原因があると切り分けられます。
外す必要はありません。Googleの公式ガイドは、AI向けの独自ファイルなどについて、あってもサイトの可視性や順位に有利にも不利にも働かないとしています。すでに実装済みのものを削除する作業には、新たな効果はありません。
判断すべきは、今後その施策に工数を割き続けるかどうかです。毎月の更新作業や、他の施策より優先して手を入れる運用に組み込まれているなら、そこは止めて必須層と任意層へ振り替えます。
ただし、リッチリザルトの獲得を目的としたschema.orgのマークアップは別扱いです。AI検索のためではなく検索結果の表示機能のために実装しているものは、その目的が生きている限り維持してかまいません。
まず、誤った情報がどこから来ているかを特定します。自社サイトの古い記述、外部媒体の更新されていない掲載、旧サービス名での紹介記事など、参照元の候補を洗い出します。第9章の3番目のパターンで触れたとおり、自社サイトだけを直しても外の記述は残ります。
次に、正しい情報をサイト側で明確に示します。会社概要・サービスページ・料金ページで表記をそろえ、更新日を明示します。並行して、外部媒体には更新依頼を出します。
訂正はスイッチではなく、正しい情報の密度を上げていく作業です。反映されるまでには時間がかかるため、定点観測で経過を追ってください。
移し替えは推奨しません。SEOをやめることは、第3章で示したGoogle側の入場ゲートの前提そのものを外すことになります。クロールとインデックスの状態を手放せば、AI検索の側でも表示の候補から外れます。
予算配分としては、SEOの施策のうちAIOにも効く部分を共通の土台として扱います。インデックス管理、コンテンツの質、サイトの技術的な健全性がこれにあたります。
そのうえでAIO固有の作業を上乗せする形が無駄になりません。上乗せする作業は、AI系クローラーの許可設定と、対話型AIでの定点観測の2つです。
共通部分を二重に発注していないかは、見積もりで確認すべき点です。SEOとAIOを別の会社に分けて頼む場合は特に、作業範囲の重なりを事前に突き合わせてください。構造化データの実装やインデックス管理は、どちらの契約にも入りやすい項目です。
AI検索時代にSEOへ投資を続けるべきかを判断したい方は、「SEO対策の必要性」とAI検索時代に投資すべき企業の条件もあわせてご覧ください。
変わります。ユーザーがAIに相談する場面が多い領域ほど、回答内での言及が意思決定に影響します。BtoBのサービス選定、専門性の高い相談ごと、比較検討に時間をかける商材などは、AIの回答が候補リストの役割を果たしやすい領域です。
一方、広告や表現に規制がある業種では、書ける内容に制約があるため、一次情報の出し方に工夫が要ります。業種特有の事情を踏まえた情報設計の具体例は、「歯科医院のLLMO」で解説する業種特化の情報設計が参考になります。
自社の業種でユーザーがAIに何を聞いているかを、定点観測の質問文として並べてみるところから始めるのが確実です。実際に投げてみると、引用されているサイトの顔ぶれから、その業種で何が参照されやすいかが見えてきます。
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疑問が整理できたら、次は実行体制の話です。SEOを内製している企業ほど、どこまでを社内に残すかで迷います。
AIO対策は全部を外注しても、全部を内製しても効率が落ちます。工数・スピード・知見の3つの観点で、残す範囲と任せる範囲を分けます。
判断の基準は「自社にしかできないか」で、SEOの分担を決めるときと同じ考え方です。一次情報の中身は自社にしか出せませんが、点検の仕組み化や技術実装は外部の知見で速く進みます。
| 作業 | 向いている担い手 | 理由 |
|---|---|---|
| 一次情報・実績データの提供 | 自社 | 社内のデータにアクセスできるのは自社だけ |
| 掲載媒体との調整・更新依頼 | 自社 | 取引関係や掲載経緯を把握しているため話が早い |
| 公開可否・表現の最終判断 | 自社 | 商材や業界規制の事情を判断できる |
| ゲート点検(robots.txt・スニペット設定) | 外注 | 確認箇所が多く、経験の差が速度に出る |
| 構造化データ・技術実装 | 外注 | 実装ミスの影響範囲が広く、専門知識が要る |
| 効果測定の仕組み化 | 外注 | 指標設計とレポートの型を持っている |
| 仕様変更の追従・棚卸し | 外注 | 公式ドキュメントを継続的に見る体制が必要 |
自社側に必要な稼働は、一次情報の提供と確認の往復が中心です。月に数時間の稼働を確保できるかどうかが、外注の成果を左右します。担当者の時間をゼロにする前提で外注すると、一次情報が出てこないまま一般論のコンテンツが積み上がります。
見積もりは金額の大小ではなく、含まれる範囲で比べます。診断だけで終わるのか、実装まで入るのかで、同じ金額でも意味がまったく変わるためです。「安い診断」と「高い実装込み」を並べて比べても判断はできません。
見積書では次の4項目を確認します。
料金体系の種類や内訳の詳しい読み解き方は、「LLMO費用の相場と内訳」で解説する料金体系の読み解き方にまとめてあります。本章では相場の一覧には立ち入らず、見積もりを比べるときの視点に絞っています。
初回の相談で話が進むかどうかは、持ち込む情報の量で決まります。次の4つをそろえておくと、1回目から具体的な提案を引き出せます。
この4点のうち、最も準備に時間がかかるのは公開できるデータの洗い出しです。社内の合意が必要になることが多いため、相談の予定が決まった時点で並行して進めておくと、初回からコンテンツの話に入れます。

AI検索の対策で先に差がつくのは、新しい施策を増やした企業ではなく、効かない作業を早く止めた企業です。Googleの公式ガイドとSearch Consoleの公式レポートが2026年にそろい、「何をやめてよいか」を推測ではなく一次情報で判断できるようになりました。
判断材料が公開されている今のうちに引き算を済ませておくと、同じ予算でも回せる検証の回数が変わります。
本記事の内容を、今週の作業に落とすと3つになります。どれも新しいコンテンツを作る必要がなく、担当者1人で着手できます。
この3つを終えた時点で、自社が必須層のどこでつまずいているかがはっきりします。コンテンツの作り替えやschema.orgマークアップの実装に取りかかるのは、そのあとで間に合います。土台の穴をふさがないまま上物を積んでも、引用は増えません。
株式会社GrillにAI検索の対策をご依頼いただいた場合、最初に行うのは施策を足すことではありません。いま動いている作業を全部並べ、必須・任意・不要の3層に振り分け直すところから始めます。
Googleの公式ガイドが不要としている作業に工数が向いていれば、その時点で止める提案をします。御社の予算を、露出が動く層へ寄せ直すのが最初の仕事です。
そこで浮いた工数を、どこへ振り替えるかまで一緒に決めます。AI検索の対策で結果を分けるのは、打ち手の数ではなく、測って直した回数だからです。御社のユーザーが実際に投げる質問を10本決め、そこでの露出を毎月記録する——この定点の仕組みを、社内の担当者が回せる形で残します。
止めた作業のぶんは、そのまま検証の回数に振り替わります。AI検索の仕様は動き続けており、去年の正解が今年も正解とは限りません。
だからこそ、少ない手数で当てにいくより、測って直す回数を増やせる体制のほうが結果的に速く進みます。効かない施策を先に落とすのは、その回数を確保するための手当てです。
御社の商材が、ユーザーの候補選びでAIの回答を経由するものかどうかは、実際に質問を投げてみればすぐ分かります。「AIO対策を提案されたが、どれが本当に必要か判断できない」という段階でも構いません。いま動いている施策のうち止めてよいものと、先に直すべき設定の一覧をお渡しするところから着手できます。
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