コアアップデート対策で最も工数を失うのは、間違った施策を選んだときではありません。原因の見立てを外したまま、正しい施策を正しく実行してしまったときです。
下落の原因がサーバー障害やnoindexの混入だったサイトでコンテンツを全面リライトしても、検索順位は動きません。
2026年9月時点では、この見立てを勘に頼らずに済む材料が公開されています。コアアップデートの公式ガイドとステータスダッシュボードを併せて見れば、ロールアウトの期間と自社の下落日を突き合わせられます。
そこでこの記事は、コアアップデートの対策を「誤診の排除 → 検知 → 待機 → 影響範囲の切り分け → 打ち手 → 再発耐性」という時系列で組み立てました。第1章で自社サイトがどの象限に当てはまるかを判定してから、必要な章だけを拾い読みする読み方もできます。
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検索順位が下がったときに最初に手をつけるべきなのは、リライトでも被リンク精査でもなく、原因の切り分けです。ここを飛ばすと、第5章以降で紹介する打ち手がまとめて空振りになります。
コアアップデートは年に2〜4回、数週間かけて展開されます。展開中は検索結果の広い範囲で順位変動が起こります。
実施頻度が高いため、下落が起きた時期にたまたまロールアウトが重なる確率も高くなります。時期が重なっていることは、原因がそこにあることの証明にはなりません。
コアアップデートはGoogleの検索アルゴリズムを広く見直す更新であり、影響の出方はサイトごとに異なります。公式ガイドにも「掲載順位の大幅な低下を分析する」という節が置かれ、まず状況を分析するよう促されています。改善の実行はその次の工程です。
原因を確かめないままコンテンツの全面刷新に着手すると、評価されていた記述まで書き換えてしまい、回復をかえって遠ざけることがあります。
株式会社Grillが検索順位の下落についてご相談を受けたのは、BtoB SaaS・不動産・美容業種のサイトです(2025年4月〜2026年3月、N=31件)。初期診断の結果、コアアップデート以外の要因が主因と判明したのは9件でした。内訳はCMS更新に伴う設定事故が4件、季節要因が3件、検索結果の仕様変更が2件です。3割弱が、コアアップデート対策に着手する前の段階で解決すべき案件だったことになります。
順位変動の原因は、次の4象限に分けると判断が速くなります。象限ごとに確認先も、取るべき対策の起点も違います。
| 象限 | 典型的な兆候 | 最初に確認する場所 | 読むべき章 |
|---|---|---|---|
| ①コアアップデート | 特定日を境に複数ページが同時に下落。ロールアウト期間と重なる | 公式ステータスダッシュボード/Search Console | 第2〜6章 |
| ②スパム・手動対策 | サイト全体が急落、または特定ページが検索結果から消える | Search Consoleの「手動による対策」レポート | 第7章 |
| ③技術的要因 | 下落が段階的でなく突然。インデックス数が減っている | Search Consoleのインデックス作成レポート/サーバーログ | 本章1-3 |
| ④SERP仕様変更・季節性 | 検索順位は維持しているのにクリック数だけ減少 | Search Consoleのクリック率/前年同月比 | 本章1-4/第4章 |
4象限は排他ではありません。①と③が同時に起きているサイトもあります。その場合は③を先に処理してから①の対策に進むのが原則です。
技術的な不備を残したままコンテンツを直しても、改善が検索エンジンに伝わらないためです。E-E-A-Tの整備のようにサイト単位で効く対策も、クロールできない状態では評価に反映されません。
技術的要因は、コンテンツの品質と無関係に検索順位を落とします。しかも原因が特定できれば数時間で復旧できるものが多く、費用対効果が最も高い対策です。以下の5項目を先に確認してください。
クロールとインデックスの土台については、「SEO内部対策の完全ガイド|20項目のチェックリストとNG施策」で施策単位に整理しています。コアアップデート対策に入る前の点検リストとして使えます。
検索順位が動いていないのにクリック数だけ落ちている場合、原因は自社サイトの外にあります。検索結果の画面構成が変わり、オーガニック枠が押し下げられているケースです。
AIによる要約枠の表示、強調スニペットの入れ替わり、ショッピング枠や動画枠の挿入がこれにあたります。
季節性はさらに見落とされやすい要因です。年度末や長期休暇の前後で検索需要そのものが縮む業種では、検索順位を維持していても流入は減ります。前月比ではなく前年同月比で見ると、変動が季節要因かどうかを判別できます。
この象限に該当するサイトがコンテンツの大規模な書き換えに着手すると、評価を落とすリスクだけが残ります。E-E-A-Tの整備のようなサイト単位のSEO対策も、この象限では効きません。アルゴリズムの変動ではない下落に、アルゴリズム向けのSEO対策を当てても効果は出ません。
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第1章の①象限に当てはまりそうなら、次はいま起きている変動がコアアップデートによるものかを日付で確かめます。推測ではなく、自社の下落日とGoogleの公式データを突き合わせる作業です。
Search Consoleの検索パフォーマンスを開き、期間を「過去6か月」に広げます。指標は表示回数・クリック数・平均掲載順位の3つを同時に表示させてください。
グラフが折れた日を目視で拾い、日付を1日単位まで絞り込みます。順位変動の開始日がずれると、以降の照合がすべて狂います。
このとき、比較対象は「下落後の28日」と「下落前の28日」に固定します。週次データでは境界がぼやけ、ロールアウト期間との重なりを判定できません。
Googleの公式ガイドにも「Search Console のトラフィックが減少しているかどうか確認する」という節があり、変動の確認はSearch Consoleが起点になります。
Googleは検索のランキング更新の実施状況を、公式のステータスダッシュボードで公開しています。ここには各アップデートの名称・開始日時・完了日時が記録され、アルゴリズムの更新履歴として参照できます。
以前は検索セントラル内のランキング更新ページで公開されていましたが、現在はステータスダッシュボードの履歴ページへ移動しました。
参照先は次のURLです。
2-1で特定した下落開始日が、いずれかのコアアップデートの開始日から完了日までの間に収まっていれば、①象限の可能性が高いと判断できます。逆にロールアウト期間を1週間以上外れているなら、その変動の原因は別にあります。
日付が重ならなかった場合は、次の3つを順に確認します。コアアップデートを前提としたSEO対策へ進む前に、ここで進路を分けます。
株式会社Grillの支援現場では、下落日がロールアウト期間の1か月前だったにもかかわらず、コアアップデートを前提にリライトを進めていたケースがありました。実際の原因はサイト改修時のリダイレクト漏れで、コンテンツ側の作業はすべて無駄になっています。日付の照合を先に済ませていれば避けられた工数でした。
自社の下落日と突き合わせるための一覧です。2026年9月10日時点で公式のステータスダッシュボードに掲載されているコアアップデートを新しい順に並べました。所要日数は開始から完了までの実測値です。
| アップデート名 | 開始日 | ロールアウト所要 |
|---|---|---|
| May 2026 core update | 2026年5月21日 | 11日21時間 |
| March 2026 core update | 2026年3月27日 | 12日4時間 |
| December 2025 core update | 2025年12月11日 | 18日2時間 |
| June 2025 core update | 2025年6月30日 | 16日18時間 |
| March 2025 core update | 2025年3月13日 | 13日21時間 |
| December 2024 core update | 2024年12月12日 | 6日4時間 |
| November 2024 core update | 2024年11月11日 | 23日13時間 |
| August 2024 core update | 2024年8月15日 | 19日4時間 |
| March 2024 core update | 2024年3月5日 | 45日 |
2026年9月10日時点の最新は「May 2026 core update」です。これより新しいコアアップデートは公式履歴に掲載されていません。
所要日数は6日から45日まで開きがあり、「コアアップデートはおよそ2週間」という一律の目安が実態と合わないことが読み取れます。変動が長引く回ほど、途中経過での判断は当てになりません。
コアアップデートは、Googleの検索アルゴリズムそのものを見直す大規模な更新です。特定のサイトを罰する仕組みではありません。Googleの公式ガイドは、下落したページに問題があるとは限らないという趣旨を明示しています。
この点がペナルティとの決定的な違いです。ペナルティ(手動による対策)はポリシー違反への個別の措置ですが、コアアップデートは評価基準の変更に伴い、サイト全体の相対的な位置づけが入れ替わる現象です。
自社が何も変えていなくても、他社のコンテンツが改善されれば検索順位は下がります。
株式会社Grillの運用経験上、コアアップデートをペナルティと誤解したまま対策を始めたサイトは、「違反の除去」に工数を割きがちです。実際に必要なのは、違反を探すことではなく、コンテンツの独自性とE-E-A-Tを競合と比べて引き上げることです。アルゴリズムが見ているのは違反の有無ではなく、相対的な有用性だからです。E-E-A-Tと専門性をどこまで示せているかが、その相対評価を左右します。

ロールアウトの途中で見えている検索順位は、確定値ではありません。変動の途中で動くほど後の検証が難しくなり、回復までの時間も延びます。
コアアップデートのロールアウト中は、検索順位が日単位で上下します。展開が段階的に進むため、途中経過は最終的な評価と一致しません。
この期間に見えた下落を原因分析の材料にすると、実際には影響を受けていないページまで「問題あり」と判定してしまいます。アルゴリズムの適用が全ページへ行き渡る前の数字だからです。
やってはいけない5つを挙げます。いずれもロールアウト完了前に限った禁止事項です。
株式会社Grillの支援経験上、E-E-A-Tの整備だけは例外として扱えます。運営者情報や著者ページの追加は順位の読み取りに直接影響しにくく、ロールアウト中に進めても変動の判定を濁しにくいためです。
待機期間にE-E-A-Tを進めておくと、展開完了後すぐ本題の改善へ移れます。
待機期間は「何もしない」時間ではなく、「記録する」時間です。次の4指標を毎日、同じ条件で記録してください。変動の経過を残せるかどうかで、展開完了後の分析精度が変わります。
Search Consoleのデータはエクスポートして日次で蓄積してください。管理画面上の表示は期間を切り替えるたびに再集計されるため、変動の経過を後から並べ直すのが難しくなります。
待機日数の目安は、第2章の一覧が根拠になります。直近9回のコアアップデートの所要は6日から45日で、2024年11月以降に限れば11日から23日の範囲に収まっています。目安としては、開始から3週間を一区切りに置くのが現実的です。
ただし完了アナウンスが出た当日に検索順位が安定するとは限りません。株式会社Grillの運用経験上、完了から1週間ほどは細かな順位変動が続くケースが多く見られます。分析の起点は「完了日の翌週」に置くと、途中経過に振り回されずに済みます。
小幅な順位変動は、コアアップデートの有無にかかわらず日常的に起きます。Googleの公式ガイドは、2位から4位への低下のような小さな下落について「抜本的な対策を講じる必要はありません」と述べています。この記述は、対応の閾値を決めるうえで有用です。
株式会社Grillの運用経験上、着手の判断は「順位の変化幅」ではなく「流入の変化幅」で置くのが実務的です。3位から6位でも主要な流入源であれば影響は大きく、逆に15位から25位への下落は事業インパクトがほぼありません。
改善の優先順位は、検索順位の数字ではなく失った流入量で決めてください。小幅な順位変動にその都度SEO対策を当てていると、本命の改善に手が回らなくなります。
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ロールアウトが完了したら、影響が「どこに」出たのかを特定します。下落の大きさよりも、影響範囲の形のほうが打ち手を決める材料になります。同じ変動幅でも、改善に着手する順番はここで変わります。
Search Consoleの検索パフォーマンスで「日付」フィルタから比較モードを選び、ロールアウト開始前の28日と完了後の28日を並べます。ページタブに切り替えると、URLごとのクリック数の差分が降順で並びます。この一覧をエクスポートしてください。
見るべきは減少率ではなく減少量です。もともと月10クリックのページが半減しても事業影響はほぼありません。減少量の上位20URLに絞ると、SEO対策として改善すべき対象が現実的な数まで絞り込めます。
同じ比較条件でクエリタブに切り替え、平均掲載順位とクリック率の両方を並べます。ここで見分けたいのは、検索順位が下がったクエリと、順位は変わらずクリック率だけ落ちたクエリです。同じ変動でも、原因も打ち手も別物です。
後者はコンテンツの品質ではなく、検索結果の表示面が原因である可能性が高くなります。AI要約枠や強調スニペットが自社の答えを先に提示している状態です。
この場合の対策は、リライトによる順位奪還ではなく、要約されにくい情報(一次情報の数値、独自の手順、事例の詳細)をページ内に増やす方向になります。
ページ一覧のURLをディレクトリ単位で集計し直します。/column/ /service/ /case/ のように、階層の第1レベルでまとめるだけで十分です。この集計で、影響が特定カテゴリに集中しているのか、サイト全体に均等に及んでいるのかが分かります。
特定ディレクトリだけが落ちている場合、そのカテゴリのコンテンツ群に共通する弱点があります。サイト全体が均等に落ちている場合は、個別ページの問題ではなく、運営者情報やE-E-A-Tといったサイト単位の評価が動いた可能性を検討します。
その場合に先に手を付けるのは、個別記事の書き直しではなく運営者情報と著者情報の整備です。
デバイスタブでモバイルとPCを分けて比較します。モバイルだけが下落している場合、原因はアルゴリズムではなく実装側にあるケースが多く見られます。表示速度、モバイル向けのレイアウト崩れ、インタースティシャル広告の表示範囲などが該当します。
国・言語別の比較も同時に行ってください。多言語サイトでは、特定言語版だけがhreflangの設定不備で評価を落としていることがあります。
この場合もコアアップデート対策ではなく、第1章の③象限として処理します。アルゴリズムとは無関係な変動なので、改善の当て先を間違えないでください。
4つの切り口を掛け合わせると、影響範囲は次の3パターンに整理できます。第5章の打ち手は、このパターンごとに着手順が変わります。
| パターン | 影響範囲 | 主に疑う原因 | 第5章の該当節 |
|---|---|---|---|
| 局所型 | 一部ページのみ下落。同カテゴリの他ページは維持 | 個別ページの検索意図のズレ・情報の陳腐化 | 5-1 |
| カテゴリ型 | 特定ディレクトリが軒並み下落 | 低品質ページの滞留・カテゴリ単位の専門性不足 | 5-2/5-3 |
| 全面型 | サイト全体が均等に下落 | E-E-A-T・運営者情報・信頼性のシグナル不足 | 5-4 |
判定に迷ったら、下落したページ数を全インデックス数で割ってください。株式会社Grillの運用経験上、影響ページの比率が2割未満なら局所型、5割を超えるなら全面型として扱うと、打ち手の選定を誤りにくくなります。全面型と判定されたら、個別記事より先にE-E-A-Tの整備へ資源を寄せます。

同じコアアップデートの影響でも、局所型とカテゴリ型と全面型では着手すべき順番が違います。この章では、第4章で判定したパターンごとに改善の打ち手を割り当てます。
局所型で最初に確認するのは、そのページが応えている検索意図が現在の検索結果とずれていないかです。同じキーワードでも、上位に並ぶコンテンツの型が「解説記事」から「比較表」や「手順書」へ変わることがあります。
アルゴリズムが想定する答え方が変わったサインです。型が変われば、いくら本文を厚くしても評価は戻りません。
次に情報の鮮度を点検します。料金・法改正・仕様の変更を含むページは、古い数値が残っているだけで信頼性を落とします。更新日だけを書き換えて中身を変えない運用は、改善として機能しません。
3つ目が独自性の補強です。他社でも書ける一般論を削り、自社の経験から出る判断基準・失敗パターン・実測値に置き換えます。
E-E-A-Tのうち経験は、この置き換えでしか増やせません。キーワード単位で検索意図を捉え直す手順は、「SEOキーワード選定のやり方|勝てる単語を選ぶ優先度スコアの考え方」で整理しています。
カテゴリ型は、1ページずつ直しても回復しません。そのディレクトリに低品質ページが滞留し、カテゴリ全体の評価を押し下げているためです。まずは棚卸しから始めます。
棚卸しの基準は次の4点です。ディレクトリ内の全URLを一覧化し、それぞれに該当するかどうかを記録します。
Googleが公開しているコンテンツ作成のガイドは「コンテンツの自己評価を行う」という節を設け、自社のコンテンツを読者の視点で点検するよう促しています。棚卸しは、この自己評価をサイト全体の単位で実施する作業にあたります。
個別ページのE-E-A-Tをいくら磨いても、低品質ページが残っていればカテゴリの評価は戻りません。
棚卸しで洗い出した低品質ページは、4つの処遇に振り分けます。判断は上から順に当てはめてください。
| 処遇 | 選ぶ条件 | 具体的な作業 |
|---|---|---|
| 改善(リライト) | 検索需要があり、自社に語れる経験や専門性がある | 検索意図の再定義と一次情報の追加 |
| 統合 | 同一テーマのページが複数あり、単体では情報量が足りない | 本文を1本に統合し、旧URLを301リダイレクト |
| noindex | 検索流入は不要だが、サイト内での役割がある(会員向け情報など) | メタタグでインデックスから除外 |
| 削除 | 検索需要がなく、内部リンク先としても機能していない | 410で返し、内部リンクを除去 |
削除は最後の手段です。ページ数を減らすこと自体が改善なのではなく、E-E-A-Tの観点で残す価値があるかを先に確認してください。判断を急いで消すより、統合とリライトで資産を残すほうが、結果的に回復が早いケースが目立ちます。
株式会社Grillが支援した不動産・人材業種のオウンドメディア(2025年6月〜2026年5月、N=14件)でも、同じ傾向が出ています。カテゴリ型の下落に対し棚卸しを実施した案件では、着手から回復の兆しを確認できるまで平均3.5か月を要しました。
全面型は、個別コンテンツではなくサイト単位の評価が動いています。ここで見直すのがE-E-A-T、つまり経験・専門性・権威性・信頼性という4つの観点です。アルゴリズムがサイト全体をどう見ているかを、目に見える要素へ翻訳する作業だと考えてください。
株式会社Grillの支援現場では、4つの観点を順に解説するより、「この会社は誰で、何を根拠に書いているのか」に1ページ内で答えられるかを起点に点検します。Googleが公開しているコンテンツ作成のガイドも、4つのうち「中でも、信頼性は最も重要なもの」としています。E-E-A-Tの改善は、信頼性を示す要素から着手するのが順当です。
再設計の対象は次の4点です。E-E-A-Tは概念であって施策名ではないため、サイト上の具体的な要素に落として初めて作業になります。
4点はそれぞれ別の観点に対応します。運営者情報は権威性、著者情報は経験と専門性、監修体制は専門性と信頼性、出典の提示は信頼性の裏づけです。
どれか1つだけを整えてもE-E-A-T全体の印象は変わらないため、4点はまとめて改善してください。
E-E-A-Tの4要素のうち、経験は後から補いにくい要素です。株式会社Grillの運用経験上、全面型の回復に最も効いたのは、担当者が実際に手を動かした過程・数値・失敗を書き足す改善でした。専門性の主張だけを増やしても、E-E-A-Tの信頼性を示すシグナルにはなりにくいのが実情です。効果の確認まで時間がかかるぶん、順位変動が落ち着いた後も積み上げ続ける領域です。
3パターンに共通する打ち手は2つです。1つ目が一次情報の追加です。自社で取得したデータ、公式資料の逐語、実務で得た判断基準を本文に組み込むと、他サイトが複製できない独自性が生まれます。
一次情報はE-E-A-Tを高める最短の手段でもあります。特にE-E-A-Tの経験にあたる部分は、一次情報でしか埋められません。
2つ目が「誰が・どのように・なぜ」の明示です。Googleが公開しているコンテンツ作成のガイドには「コンテンツに関する「誰が、どのように、なぜ」を考える」という節があります。
誰が書いたのか、どうやって作ったのか、なぜ公開しているのかを読者に説明できるコンテンツにするという考え方です。この3点は、記事の冒頭と著者欄に置くだけでも整理できます。
コンテンツの作り方そのものを見直す段階に入ったら、「SEO記事の書き方完全ガイド|構成・執筆・リライトの手順」が実作業の参考になります。コアアップデート対策のリライトにも同じ設計手順が使えます。
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第5章の打ち手を実行しても、1ページだけを直した段階では検索順位が動かないことがあります。コアアップデートの評価がページ単体ではなくサイト全体を見ているため、SEO対策の射程も面で考える必要があります。
検索順位は絶対評価ではありません。Googleのアルゴリズムは、同じキーワードを狙うコンテンツの中でどれが相対的に優れているかを判定します。
自社が止まっている間も、アルゴリズムが比べる対象は増え続けます。自社が1年間まったく更新していなくても、競合が改善を重ねれば順位は下がります。
この構造は、コアアップデート対策の目標設定にも影響します。「昨年と同じ品質を維持する」は、アルゴリズムが相対評価である以上、実質的には後退です。
回復を目指すなら、下落前の状態に戻すのではなく、現在の上位コンテンツを上回る水準まで引き上げる必要があります。
低品質ページは、そのページの検索順位が下がるだけでは終わりません。同じディレクトリ、さらにはサイト全体の評価に影響します。だからこそ第5章の棚卸しが必要になります。
株式会社Grillの支援現場では、低品質ページを残したまま新規記事の追加を続け、公開本数だけが増えて検索順位が戻らなかったケースがあります。判断の目安として、検索流入がゼロのページが全URLの半数を超えているサイトでは、新規記事を追加しても改善の効果が出にくい傾向があります。追加より先に、既存の低品質ページの統合と削除で母数を整理するほうが、回復への距離は短くなります。E-E-A-Tの整備も、母数が整理された後のほうが効果が見えやすくなります。
かつて有効とされた手法が現在は評価を下げる要因に変わっている場合もあります。手法単位の新旧については「SEOはもう古い?AI検索時代にやるべきSEO戦略」で整理しています。
YMYL(Your Money or Your Life)は、健康・医療・金融・法律・安全など、読者の生活や資産に直接影響する領域を指します。この領域では、誤った情報が読者に実害を与えるため、E-E-A-T、とりわけ信頼性と専門性への要求水準が他分野より高くなります。
YMYL領域のコアアップデート対策では、次の3点が非YMYL領域より重く効きます。コンテンツの量を増やす前に、こちらを先に整えてください。
YMYL領域でE-E-A-Tの要求水準が高いのは、読者が内容を自力で検証しにくいためです。書き手の資格と出典がなければ、記述の信頼性を判断する材料が読者側に残りません。
非YMYL領域と同じE-E-A-Tの枠組みでも、確認される深さが違うと考えてください。
非YMYL領域では、E-E-A-Tの中でも資格より実経験の記述が効きます。株式会社Grillの運用経験上、BtoBサービスや趣味領域では、監修者を立てるより担当者の実務経験を具体的に書くほうが改善につながるケースが多く見られます。
Googleの公式ガイドは、変更を加える際の注意として「その場しのぎの修正」を避け「長期的に持続可能な変更に焦点を当ててください」と述べています。短期的な回復だけを狙った作業は、次のコアアップデートで再び下落します。
アルゴリズムの変動は繰り返し起きるため、その場しのぎのSEO対策は毎回やり直しになります。
逆効果になりやすいのは次の3パターンです。いずれも改善のように見えて、サイト全体の評価を下げる方向に働きます。
3つに共通するのは、変動の原因を確かめないまま形だけ整えている点です。E-E-A-Tの表示要素だけを足すのも同じ構図になります。SEO対策は、なぜ落ちたのかという仮説とセットで初めて改善になります。

第1章の②象限に該当した場合、ここから先の手順はコアアップデート対策とまったく別物になります。同じ下落でも、変動の背後にある仕組みが違うためです。何を直すかではなく、そもそも誰に向けて何を申告するかが変わるためです。
Googleはスパムに関するポリシーを公開しています。そこでのスパムとは「Google の検索システムを操作したりするために使用される手法」を指します。
違反したサイトについては「検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります」と明記されています。
同ポリシーには、次のような違反の類型が並びます。
コアアップデート対策が「相対評価で勝つための品質改善」であるのに対し、スパムアップデートへの対策は「該当する違反行為の除去」が起点です。E-E-A-Tを積み上げても、違反が残っていればペナルティのリスクは消えません。
被リンク施策が原因で心当たりがある場合は、「SEO外部対策は優先順位が9割|工数×効果の早見表」で健全な手法との線引きを確認してください。
ペナルティという言葉で語られるものの正体は、多くの場合この手動による対策です。Googleのヘルプは「Google の担当者が特定のサイトのページを目視で審査し、Google のスパムに関するポリシーに準拠していないと判断した場合」に実施されると説明しています。
自動的なアルゴリズムの変動とは異なり、人の審査を経た措置です。
確認方法も明確です。ヘルプには「サイトに対して手動による対策が行われた場合は、【手動による対策】レポートと Search Console メッセージ センターでお知らせします」とあります。逆に「手動による対策が行われていない場合は、緑色のチェックマークと適切なメッセージが表示されます」とも記載されています。
解除には違反の是正と再審査リクエストが必要です。所要期間について、ヘルプは「ほとんどの再審査は、数日から数週間かかります」と述べ、リンク関連の一部のケースではさらに時間がかかる場合があるとしています。
再審査リクエストを送る前に、レポートに緑色のチェックマークが出ていないかを必ず確認してください。緑であれば手動による対策は行われておらず、送っても検索順位は動きません。改善の工数を宛先のない申請に使わないための確認です。
かつて「ヘルプフルコンテンツシステム」という独立した仕組みが存在しました。Googleのランキングシステムのガイドでは、このシステムは廃止されたものとして扱われています。同ガイドには「2024 年 3 月に進化し、Google のコア ランキング システムの一部となりました」と記載されています。
実務上の意味は明快です。有用性の評価は、いまや個別の施策として切り出すものではなく、コアアップデート対策の土台そのものになりました。「ヘルプフルコンテンツ対策」を独立したタスクとして管理する必要はありません。
有用性を測る仕組みがアルゴリズムの本体に取り込まれた以上、備え方もコアアップデート対策に一本化されます。第5章・第6章で扱ったコンテンツの改善とE-E-A-Tの整備を続けることが、そのまま有用性への備えになります。
最も多い空振りが、手動による対策を受けていないサイトから再審査リクエストを送るケースです。レポートに緑色のチェックマークが出ている状態では、リクエストの送信先そのものが存在しません。回復を待つ間、本来必要なコンテンツの改善が止まります。
逆のパターンもあります。手動による対策の通知が届いているのに、コアアップデートの影響と考えて延々とリライトを続けるケースです。
ペナルティを是正して再審査を通さない限り、検索順位は戻りません。通知が消えるまでは、コンテンツをどれだけ手直ししても評価には反映されない状態が続きます。
| 区分 | 通知の有無 | 確認場所 | 最初にやること |
|---|---|---|---|
| コアアップデート | なし | 公式ステータスダッシュボード | 影響範囲の特定と品質改善 |
| スパムアップデート | なし | 公式ステータスダッシュボード | 該当する違反行為の除去 |
| 手動による対策 | あり | Search Consoleの「手動による対策」 | 是正後に再審査リクエスト |
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ここまでの手順を自社だけで回すには、Search Consoleの分析・低品質ページの棚卸し・リライトの実行という3種類の作業を並行させる体制が要ります。外注を検討する場合の判断材料と、支援会社6社の比較をまとめました。
SEO対策の作業をすべて外注する必要はありません。株式会社Grillの支援現場では、判断の難易度が高い工程だけを外部に出し、手を動かす工程を社内に残す分担が機能しやすい傾向があります。SEO対策をまるごと預けるかどうかは、その次に決める論点です。
| 工程 | 自社で回しやすい | 外注が向いている |
|---|---|---|
| 下落日の特定・公式ステータスとの照合 | ○(手順が定型) | - |
| 影響範囲の切り分け・パターン判定 | △(判断の経験が要る) | ○ |
| 低品質ページの棚卸しと処遇判断 | △(社内では削除の合意が取りにくい) | ○ |
| リライト・統合の実行 | ○(自社の専門性が強みになる) | ○ |
| E-E-A-T・運営者情報の再設計 | △(設計の型が必要) | ○ |
判断の工程を社内だけで抱えると、コアアップデート対策の着手が遅れます。逆に執筆までまとめて外注すると、自社の経験や一次情報がコンテンツに入らず、独自性が薄まります。
E-E-A-Tの再設計だけは、外部の視点を入れたほうが早く進みます。自社の専門性は社内では当たり前になっていて、明文化されないまま埋もれているケースが多いためです。E-E-A-Tの棚卸しは、SEO対策の中でも外注の費用対効果が出やすい領域です。
SEO対策のコンサルティング費用は支援範囲で大きく変わり、公式サイトで料金を明示している会社は限られます。見積もりを取る際は、金額の総額より含有範囲を先に確認してください。
この3点は口頭合意で終わらせず、見積書か仕様書に書き出してもらってください。書面がないと、改善の実作業やE-E-A-Tの整備が別料金として後から出てくる行き違いが起きます。
支援形態ごとの費用感は「SEO対策の費用相場|施策別の料金体系と選び方」で整理しています。予算設計の前段として確認しておくと、比較の軸がぶれません。
以下は、コアアップデートによる下落からの回復支援を依頼できる6社の比較です。
| 会社名 | 支援範囲 | 公開料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 株式会社Grill | 下落診断・棚卸し・リライト/統合の実行・広告連携 | SEO支援は月額数万円〜 | 診断から改修まで一社に任せ、回復までの検証を速く回したい企業 |
| 株式会社LANY | SEOコンサルティング・コンテンツ制作・LLMOコンサルティング | 非公開 | 戦略設計と記事制作を一体で任せたい企業 |
| アイオイクス株式会社 | SEOコンサルティング・コンテンツ支援 | 非公開 | 長期の支援実績を重視する企業 |
| 株式会社Faber Company | ツール提供+SEOコンサルティング | 非公開 | コンテンツ課題を可視化しながら内製を進めたい企業 |
| 株式会社ウェブライダー | 課題診断コンサルティング・記事コンテンツ制作 | 課題診断60万円(税込66万円)ほか | 料金を確認したうえで単発の診断から始めたい企業 |
| 株式会社デジタルアイデンティティ | テクニカルSEOを含む全方位のコンサルティング | 非公開 | 技術要因とコンテンツ課題を同時に見てほしい企業 |

【順位下落の切り分けから改修の実行までを一社で担うSEO支援チーム】
株式会社Grillは、コアアップデートによる下落の診断を起点にしたSEO対策を提供しています。Search Consoleのデータからページ・クエリ・ディレクトリ・デバイスの4軸で影響範囲を切り分け、局所型・カテゴリ型・全面型のどれに当たるかを判定するところから着手します。
そのうえで低品質ページの棚卸し、リライトと統合の実行、E-E-A-Tと運営者情報の再設計までを社内体制で担い、提案だけを渡して終わりにしません。
AI・自動化ツールを診断工程に組み込むことで、棚卸しやクロール調査にかかる工数を圧縮しています。浮いた時間を検証と修正に充てられるため、施策を当てて結果を見る回数を増やせる点が特徴です。
コアアップデートの回復は次のアップデートまで確定しないことも多く、待機期間にどれだけ検証を積めるかが結果を分けます。SEO支援は月額数万円〜で、小規模なオウンドメディアからのご相談にも対応しています。
対応業種はBtoB SaaS・不動産・人材・美容・ECなど幅広く、YMYL寄りの領域では監修体制の設計まで含めた支援が可能です。さらに、検索順位の回復に時間がかかる期間の流入を補うため、リスティング広告やSNS広告の運用、LP改善を組み合わせた設計にも対応できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Grill |
| 所在地 | 東京都渋谷区東3丁目22−14 グランファースト恵比寿 5階 |
| 公式サイト | https://grill.co.jp/ |
| 料金 | SEO支援は月額数万円〜 |

【戦略設計から記事制作までを通しで担うSEO支援会社】
株式会社LANYは、SEOコンサルティングとLLMOコンサルティングを事業として掲げています。コンテンツの企画から制作までを一体で提供する体制があり、下落したカテゴリの立て直しを記事単位で進めたい場合に選択肢になります。
公式サイトでは、ベンチャーサポート税理士法人でのCV数が前年同月比で最大172%増、マネーフォワードで約600万PVの増加といった支援実績が公開されています。料金は非公開のため、支援範囲を明示したうえで見積もりを依頼する形になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社LANY |
| 公式サイト | https://lany.co.jp/ |
| 料金 | 非公開(要問い合わせ) |

【長期の支援実績を積み上げてきたSEO専業のコンサルティング会社】
アイオイクス株式会社は、インターネットビジネスに関するコンサルティングを事業内容に掲げ、SEO情報を発信する専門サイト「SEO Japan」を運営しています。公式サイトでは、過去1,000サイト以上にSEOサービスを提供してきた実績が示されています。
サイト全体の評価が動く全面型の下落では、長期にわたる支援経験と専門性の蓄積が判断材料になります。料金は非公開です。なお社名は後株の「アイオイクス株式会社」で、前株表記は誤りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | アイオイクス株式会社 |
| 公式サイト | https://www.ioix.com/ |
| 料金 | 非公開(要問い合わせ) |

【ツールとコンサルティングを組み合わせて内製化を支援】
株式会社Faber Companyは、「ミエルカSEO」「ミエルカGEO」といったツールの提供とSEOコンサルティングを行っています。検索意図やコンテンツの不足箇所をツール上で可視化できるため、社内メンバーが改善の判断に加わりやすい構成です。自社の専門性を記事へ反映させる工程を内製したい場合に向きます。
コアアップデート対策を機に内製体制を作りたい企業に向きます。本社は東京都港区虎ノ門4-1-1です。料金は非公開のため、ツール利用とコンサルティングのどちらを主にするかを整理してから相談するとよいでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Faber Company |
| 公式サイト | https://www.fabercompany.co.jp/ |
| 料金 | 非公開(要問い合わせ) |

【料金が明示された単発の課題診断から始められる】
株式会社ウェブライダーは、課題診断コンサルティングと記事コンテンツ制作を提供しています。公式サイトで料金が明示されている点が特徴で、課題診断コンサルティングは60万円(税込66万円・1回3時間まで)、記事コンテンツ制作は1記事60万円(税込66万円)からと公開されています。
「沈黙のWebライティング」などの書籍が累計24万部、文章校正ツール「文賢」の累計導入が12,000以上といった実績も公開されています。継続契約の前に、単発で下落の原因について第三者の見解を得たい場合に検討できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ウェブライダー |
| 公式サイト | https://www.web-rider.jp/ |
| 料金 | 課題診断コンサルティング60万円(税込66万円)ほか |

【技術要因とコンテンツ課題を同時に診断できる支援体制】
株式会社デジタルアイデンティティは、SEOとテクニカルSEOを正式に事業として掲げ、サイト設計やコンテンツ企画、技術面の最適化など全方位の支援を提供しています。第1章の③象限(技術的要因)と①象限が同時に起きているサイトのように、切り分け自体が難しいケースで相談先になります。
大規模サイトではクロール効率やインデックス管理が検索順位に直結するため、技術面を見られる支援体制は有効です。料金は非公開です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社デジタルアイデンティティ |
| 公式サイト | https://digitalidentity.co.jp/ |
| 料金 | 非公開(要問い合わせ) |

改善を実行しても検索順位が戻らない期間は、どの現場にも訪れます。粘るべきか切り替えるべきかを、感覚ではなく軸で判断するための整理です。
Googleの公式ガイドは、改善の効果が現れるまでの時間について「数日で効果が出るものもありますが」としつつ「数か月かかることもあります」と述べています。さらに「次のコア アップデートまで待つ必要があるかもしれません」という記述もあります。
つまり、改善を実施した直後に回復しないこと自体は異常ではありません。アルゴリズムの再評価は、全ページで同時に走るわけではないためです。
判断すべきなのは「待つかどうか」ではなく、「待っている間に他の打ち手へ資源を配分するかどうか」です。次のコアアップデートまで数か月あるなら、その期間を空白にしないSEO対策の設計が要ります。
1つ目の軸は検索意図の適合です。対象キーワードの検索結果に並ぶページの型を確認し、自社のコンテンツが同じ型で答えているかを見ます。型が違うまま本文を厚くしても、改善の効果は出にくく、回復は見込みにくくなります。
2つ目の軸は検索結果の構成そのものです。AI要約枠や公式機関のページが上位を占め、オーガニック枠が実質的に縮んでいるキーワードでは、順位を取り戻しても流入は戻りません。
この場合のSEO対策は、同じテーマをより具体的なキーワード群に展開する方向へ切り替えます。ロングテール側への展開手順は「ロングテールSEOとは|キーワード選定の6ステップ」にまとめています。
3つ目の軸はサイト全体の状態です。特定ページだけを見ていると気づきませんが、サイト全体の下落が続いている場合、個別ページの改善は効きにくくなります。
全面型と判定されたなら、第5章5-4のE-E-A-T再設計が先です。E-E-A-Tが弱いまま個別ページを直しても、変動は戻りません。
4つ目の軸は事業価値です。検索順位が戻ってもコンバージョンにつながらないキーワードに、改善の工数を割く意味は薄くなります。過去12か月の流入とCV数を突き合わせ、回復の価値そのものを再評価してください。
事業価値の薄いキーワードは、順位変動を追う対象から外して構いません。
5つ目の軸は投資対効果です。すでに大規模な改善を実施し、次のコアアップデートを1回挟んでも変動がない場合、同じ方向に工数を積み増しても、順位変動が上向く確率は下がります。
株式会社Grillが支援したEC・SaaS業種のサイト(2025年1月〜2026年6月、N=18件)のうち、回復を待たずにキーワード戦略の組み替えへ切り替えたのは5件でした。この5件では、組み替えから半年以内に4件で新しいキーワード群からの流入が旧水準に近づいています。撤退は失敗ではなく、資源の配分先を変える判断として機能しました。
組み替えは、既存コンテンツを捨てることではありません。下落したページ群を近接テーマごとに統合し、より具体的な検索意図に対応する記事へ作り替える作業です。統合先のURLに評価を集約できるため、ゼロからの再出発にはなりません。
サイト構造ごと見直す規模になる場合は、リダイレクト設計と評価の引き継ぎに注意が必要です。手順は「サイトリニューアルでSEO評価を落とさない5ステップ」で整理しています。コアアップデート対策の延長で構造変更に踏み込むときの事故を防げます。
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ここまでは下落が起きた後の手順でした。最後に、次のコアアップデートが来る前に平常時から回しておく運用を整理します。変動が起きた後の対応の速さは、平常時の準備でほぼ決まります。
レビューは四半期に1回で十分です。毎月やると変化量が小さすぎて判断できず、年1回では手遅れになります。見る指標は、ページ単位の検索流入・検索順位の推移・最終更新日の3つに絞ります。
工数の目安は、100ページ規模のサイトで半日程度です。全ページを精読するのではなく、流入ゼロのページと流入が半減したページだけを抽出し、第5章5-3の4分類(改善/統合/noindex/削除)に振り分けます。
この作業を続けていれば、低品質ページがサイト全体に滞留する状態を防げます。平常時のSEO対策として、最も費用対効果が高い工程です。
抽出条件は「直近12か月の検索流入がゼロ」と「前年同期比でクリック数が半減」の2本で足ります。条件を増やすほどレビューが止まるため、四半期ごとの改善を回し続けることを優先してください。
更新ルールは、続けられるSEO対策にするために対象を限定して決めます。すべての記事を定期更新する運用は続きません。株式会社Grillの運用経験上、更新の義務化は「料金・法制度・仕様に言及した記事」と「主要な流入上位20ページ」の2種類に絞ると回り続けます。
更新の中身も定義しておきます。日付だけを書き換える運用は信頼性を損なうため、最低でも数値の一次情報への差し替えか、新しい事例の追加のいずれかを条件にします。更新の頻度と評価の関係については「SEOの更新頻度の正解|判断基準と業種別の目安」で整理しています。
検知が1週間遅れると、ロールアウト期間の観測データが丸ごと欠けます。アルゴリズムの変動は予告なく始まるため、体制の常時稼働が前提になります。次の3つを常時稼働させておいてください。
3つが揃っていれば、下落の当日に「いつ・どこが・どの程度」を即答できます。アルゴリズムの変動を自分の数字で語れる状態が、平常時に作るべきゴールです。コアアップデート対策の初動が1週間早まるだけで、変動の記録量と判断材料の質が変わります。
E-E-A-Tの整備は、下落してから着手すると時間がかかります。著者の実務経験の棚卸し、監修者の選定と契約、運営者情報ページの作成は、いずれも社外との調整を伴うためです。
回復を急ぐ局面で始めるには重すぎます。E-E-A-Tは仕込みに数か月かかるSEO対策だと考えてください。
平常時に整えておきたいE-E-A-Tの実装項目は、著者ページ・監修者の明示・運営法人情報・出典リンクの4点です。著者情報を検索エンジンに明確に伝える方法としては、「SEOの構造化データ|JSON-LD実装手順とリッチリザルト対策」で扱っているマークアップも選択肢になります。
四半期レビュー(10-1)の対象に、E-E-A-Tの要素も1行だけ加えておくと運用が続きます。新しく増えた著者に著者ページがあるか、監修者の専門性を示す記載が古くなっていないかの2点で十分です。E-E-A-Tは一度整えたら終わりではなく、書き手が入れ替わるたびに改善が必要になります。
アルゴリズムの変動が起きてから慌てて着手する領域ではない点も押さえてください。著者ページと運営者情報が揃っているサイトは、全面型の下落が起きたときに打ち手を1段飛ばせます。土台のあるサイトほど、いざというときに選べる手が多く残ります。
AIによる回答生成に自社のコンテンツが引用されるかどうかも、信頼性と独自性という同じ土台に立っています。評価するアルゴリズムは別でも、求められる中身は重なります。
一次情報を持ち、著者と出典が明示されたコンテンツ、すなわちE-E-A-Tが整ったコンテンツは、検索順位の回復とAI検索での露出の両方に効きます。
ただしAI検索側には固有の確認項目もあります。クローラーの許可設定やスニペットの制御は、コアアップデート対策とは別立てで点検する項目です。SEO対策の土台を整えたうえで、追加の設定として扱うのが順序になります。

コアアップデートによる変動をめぐって支援の現場で繰り返し受ける質問を、判断の材料になる形で7つまとめました。数字の断定を避けつつ、考え方の基準を示します。
数週間で結論を出すのは早すぎます。公式ガイドの記述と待機の考え方は、第9章9-1で扱ったとおりです。アルゴリズムの再評価には時間がかかります。
第1章で触れた31件のうち、コアアップデートが主因と判定した22件(2025年4月〜2026年3月、BtoB SaaS・不動産・美容業種)で見えた傾向を示します。局所型のリライトは1〜2か月で順位変動の兆しが見え、カテゴリ型・全面型は3か月以上かかりました。社内の期待値をこの幅で共有しておくと、途中でSEO対策が止まりにくくなります。
削除は最後の選択肢です。判断の順序は第5章5-3の処遇フローに沿って進めてください。削除の件数をSEO対策の成果指標にしないことが原則です。
そのうえで、実務では削除の「戻し方」を先に決めておくことをおすすめします。消したURLの一覧と本文を手元に保存し、関連する既存ページへ301リダイレクトを向けておけば、順位変動の様子を見てから判断を巻き戻せます。
この受け皿がないまま一括削除すると、改善が効いたかどうかの検証自体ができなくなります。
コアアップデートはコンテンツの相対評価が入れ替わる更新であり、リンクを買い足して解決する性質のものではありません。むしろ購入リンクはスパムポリシーのリンクスパムに該当し、ペナルティのリスクを持ち込みます。
自然な言及が増える状態を作ること自体は有効ですが、下落の直接的な対策としては優先度が下がります。改善の順番としては、第5章の打ち手を先に実行してください。
制作手段そのものが問題なのではなく、出来上がったコンテンツが読者の検索意図に応えているかが評価対象です。Googleのスパムポリシーが問題視しているのは、検索順位の操作を主目的とした大量生成されたコンテンツの不正使用です。
裏を返せば、一次情報と自社の経験を織り込み、著者と出典を明示した記事であれば、生成AIを工程に使うこと自体は否定されません。
E-E-A-Tの観点で説明できる状態かどうかが判断軸です。生成AIを前提としたSEO対策の考え方は「LLMOの詳しいやり方|生成AI時代の手順と進め方」で扱っています。
コアアップデートで検索順位が上がったときも、記録は必要です。どのページ・どのクエリで上がったかを控えておくと、次回の順位変動時に「自社の何が評価されたか」を比較できます。
上昇したページの共通点を言語化しておくと、他ページの改善へ展開する材料になります。株式会社Grillの運用経験上、上昇時の分析を残しているサイトは、次の下落時に仮説を立てるまでの時間が短くなります。
変わります。数十ページ規模のサイトでは低品質ページの絶対数が少ないため、棚卸しより個別ページの独自性強化が先になります。1ページあたりの寄与が大きいためです。
数千ページ規模では、逆に棚卸しと統合が先です。低品質ページがサイト全体の評価を押し下げている比率が高く、クロール効率の観点でも整理の効果が出ます。
E-E-A-Tの整備は、規模にかかわらず並行して進めて構いません。E-E-A-Tはサイト全体に効くため、ページ数が少ないうちに整えるほど改善の手間が小さく済みます。
事前の予告はありません。アルゴリズムの更新計画が公開されることもなく、ステータスダッシュボードに載るのは開始後および完了後の情報です。「次はいつ来るか」を前提にした計画は立てられません。
そのため、アルゴリズムの更新日を待つのではなく、第10章の観測体制を常時動かしておく設計が現実的です。ロールアウトの開始を当日に把握できれば、待機と観測の判断がその日から始められます。
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次のコアアップデートがいつ来るかは、事前に公開されません。予告がない以上、下落してから体制を作り始めるサイトと、平常時に観測と棚卸しを回しているサイトでは、初動の速さが最初から違ってきます。変動が始まった日を押さえられるかどうかが、最初の分かれ目です。
この記事が一貫して示してきたのは、打ち手の多さではなく順番でした。技術的要因と季節性を先に潰し、公式ステータスと下落日を照合し、ロールアウトの完了を待ってから影響範囲を特定する。
ここまで終えて初めて、検索意図の再定義に進むのか、低品質ページの棚卸しに進むのか、E-E-A-Tの再設計に進むのかが決まります。変動の正体が分からないうちに改善を始めるのが、最も高くつく進め方です。
順番を飛ばしたSEO対策は、正しい施策であっても成果に結びつきません。アルゴリズムの変動そのものは止められませんが、誤診は自分で止められます。
回復しないと判断したときの撤退基準まで先に決めておけば、次のコアアップデートが来ても迷わずに動けます。
この順番を一巡させたら、次に点検するのはAI検索側の設定です。クローラーの許可やスニペット制御など、コアアップデート対策と切り分けて確認すべき項目は「LLMOとAIOの違い|対策優先順位の設計と落とし穴」にまとめています。
コアアップデートをきっかけにSEO対策への投資配分そのものを見直す段階なら、「SEO対策の必要性|AI検索時代に投資に見合うかの判断軸」が次の検討材料になります。
初回のご相談で用意していただきたいものは3つだけです。検索順位が動き始めた日付、Search Consoleの検索パフォーマンスをエクスポートしたファイル、そして下落が気になっているディレクトリのURLです。
この3点があれば、初回の打ち合わせの時間内に、どの象限の話なのかまで踏み込めます。
株式会社Grillが重視しているのは、判定の根拠を御社側にも残すことです。どの日付とどの公式記録を突き合わせてコアアップデートと判断したのか、どの指標が動いたから局所型と見たのかを、社内でそのまま説明できる形でお渡しします。次の順位変動が起きたときに、同じ手順を御社の担当者だけで再現できる状態が目標です。
ご相談をいただいたサイトのうち、診断から改修の実行までを担当した23件(2025年4月〜2026年3月)は、BtoB SaaS・不動産・人材・美容の4業種が中心でした。
YMYL寄りの領域ではE-E-A-Tを含む監修体制の設計まで、回復を待つ期間の流入を補う局面ではリスティング広告やLP改善まで、御社の状況に合わせて範囲を組み替えます。SEO対策の支援は月額数万円〜で、原因がまだ絞れていない段階からお声がけいただけます。
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