「御社の動画、課長から転送されてきたので先に見ておきました」。株式会社Grillが支援する産業機器メーカーでは、初回商談の冒頭で部長職の方からこう言われるケースが、YouTubeの運用開始から半年ほどで目立つようになりました。
担当者が見つけた動画のURLが社内チャットで回り、決裁に関わる人の目に先に届いていたのです。
BtoBの購買は、1人で決まるものではありません。株式会社ビーヘルシーの調査(2025年8月実施・有効回答300名)では、BtoB商材の導入検討時に全体の約半数がYouTubeで情報収集していると回答しています。
それでも再生数を追うだけのチャンネルが商談を生まないのは、動画が「誰の手から誰の手へ渡るか」を設計していないからです。
以下では、購買チームの役割ごとに動画を作り分ける考え方を軸に、公開と限定公開を使い分ける運用、立ち上げの7ステップ、YouTube広告の組み込み方、商談への効果測定、体制と費用までを順に整理しました。
読み終えるころには、自社のチャンネルで最初に撮るべき1本が決まっているはずです。
GRILLは支援実績500社以上のマーケティング会社です。YouTube専門家がチャンネル設計から集客改善策をご提案します。
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BtoBのYouTubeマーケティングは、同じYouTubeを使っていても、BtoC向けのチャンネル運用とは成果の出る場所も測り方も異なります。この章では定義を確認したうえで、両者の違いを5つの観点で比べ、2026年に企業が取り組む理由を整理します。
BtoBのYouTubeマーケティングとは、法人向けのサービスや製品について、YouTube上の動画コンテンツを通じて見込み顧客との接点を作り、商談や受注へ進める取り組みです。自社チャンネルでの発信に加え、YouTube広告での配信、営業資料としての動画活用までを含めて考えます。
BtoB全体の施策の中での位置づけは、「BtoBマーケティング支援のおすすめ会社30選」でも整理しています。
BtoCとの最大の違いは、動画を見る人と買う人が一致しない点にあります。
法人の購買には、情報を集める担当者、比較表を作る推進者、予算を承認する決裁者、導入可否を確認する管理部門など、複数の立場の人が関わります。BtoBの動画は、この購買チームの誰かに見られ、さらに社内で共有されることを前提に作る必要があります。
BtoCとBtoBのYouTube運用の違いを、5つの観点で比べると次のとおりです。
| 観点 | BtoCのYouTube | BtoBのYouTube |
|---|---|---|
| 意思決定に関わる人数 | 本人1人が中心 | 3〜7人程度の購買チーム |
| 検討期間 | 数分〜数週間 | 3か月〜1年以上 |
| 動画の見られ方 | おすすめ・ショートで偶然見る | 検索で探す・社内で転送される |
| 重視する指標 | 再生回数・登録者数 | 商談化数・指名検索・受注への寄与 |
| 成果が出る場所 | YouTube上・ECサイト | 問い合わせ後の商談・稟議の場 |
表のとおり、BtoBでは成果の大半がYouTubeの外で生まれます。動画が稟議資料に貼られた、商談前にサービスの仕組みを理解してもらえていた、といった変化はYouTubeアナリティクスには表示されません。
だからこそ、運用を始める前に「どこで成果を確かめるか」を決めておくことが前提になります。
BtoB企業が今YouTubeに取り組む理由は、買い手の情報収集の場が動画へ移りつつあるからです。前述のビーヘルシーの調査では、BtoB商材の導入検討時に約半数がYouTubeで情報収集していると答えました。
一方で、YouTubeを未活用の企業の約60%が「専門知識・ノウハウの不足」を、約54%が「継続的なコンテンツ制作の負担」を障壁に挙げています。
買い手は動画で調べているのに、売り手の多くはまだ発信していない。このずれは、専門性の高い分野ほど先行者が検索上の席を取りやすいことを意味します。製造装置、業務システム、専門コンサルティングのように市場が限られる領域では、競合が数社しか動画を出していないケースも珍しくありません。
※ YouTube全体の戦略設計やKPIの決め方から確認したい場合は、「YouTubeマーケティングのKPI設定と撤退基準」もあわせてご覧ください。
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YouTubeの運用を始めたBtoB企業から寄せられる相談で最も多いのが、「再生数は増えたのに問い合わせが増えない」という声です。原因は動画の質よりも、設計の前提にあるケースがほとんどです。代表的な4つの原因を、立て直しの方向性とあわせて整理します。
再生数を目標にすると、企画は自然と多くの人に受ける方向へ流れます。社員のチャレンジ企画やトレンドネタは再生されやすい一方で、自社のサービスを検討する層とは別の視聴者を集めがちです。BtoBでは、1万人の一般視聴者より、導入を検討している30社の担当者に見られるほうが事業上の価値は大きくなります。
多くのBtoB動画は、最初に検索する現場担当者だけを想定して作られています。しかし担当者が上司に説明する段階で、上司が知りたいのは操作方法ではなく、費用対効果や導入リスクです。担当者向けの動画しかないチャンネルでは、社内の説得材料が足りず、検討が途中で止まってしまいます。
概要欄にトップページのURLを1本置いただけのチャンネルは、BtoBではよく見かけます。視聴者は「もう少し詳しく知りたい」と思っても、次に読むべき資料やページが見つからず離脱します。動画ごとに、資料ダウンロード、関連する導入事例、ウェビナー申込などの行き先を決めておく必要があります。
BtoBのYouTubeが成果を生んでいても、それを記録する仕組みがなければ社内では「効果が見えない施策」になります。商談の場で動画が話題に出たか、問い合わせ前に何本見ていたかは、営業部門が記録しない限り残りません。計測の仕組みを後回しにしたチャンネルほど、予算見直しの時期に打ち切られやすくなります。
株式会社Grillが運用改善の相談を受けたBtoB企業のチャンネル(2025年4月〜2026年3月、N=14社)では、14社中11社が再生数か登録者数を唯一の目標にしていました。目標を商談化数に置き直し、動画ごとの行き先を設定しただけで、半年後の問い合わせ数が平均1.8倍に増えています。

BtoBの動画設計で最初に決めるべきは、テーマではなく「購買チームの誰に向けた動画か」です。ここでは購買に関わる人を4つの役割に分け、それぞれが知りたいことと、適した動画の形式を整理します。
| 役割 | 主な立場 | 知りたいこと | 適した動画 | 目安の尺 |
|---|---|---|---|---|
| 現場担当者 | 実際に使う人 | 使い方・業務がどう変わるか | 操作デモ・活用術 | 5〜15分 |
| 推進者 | 選定を進める人 | 他社との違い・費用対効果 | 比較解説・費用の考え方 | 8〜20分 |
| 決裁者 | 予算を承認する人 | 導入実績・失敗リスク | 導入事例・代表メッセージ | 3〜5分 |
| 管理部門 | 情報システム・法務 | セキュリティ・契約・運用体制 | 体制説明・よくある確認事項 | 5〜10分 |
最初に検索するのは、多くの場合で現場担当者です。担当者は「このサービスを使うと自分の作業がどう楽になるか」を知りたいので、実際の画面や機械を映した操作デモが最も響きます。
検索される語句に合わせて「○○ 自動化 方法」「○○ 手順」のような課題起点のタイトルを付けると、サービス名を知らない層にも届きます。
推進者は、社内で選定理由を説明する役割を担います。この立場の人に必要なのは、自社製品の宣伝ではなく、選定の判断軸を整理してくれるコンテンツです。「○○を選ぶときに確認したい5つの項目」のように中立的な切り口で作ると、推進者がそのまま上司へ共有しやすくなります。
決裁者は、長い動画を最後まで視聴する時間を取れません。3〜5分で、同業他社の導入事例、導入後に起きた変化、想定されるリスクとその対策を伝える構成が適しています。顧客企業の担当者が自分の言葉で語るインタビューは、決裁者にとって最も信頼できる材料の1つです。
業務システムやクラウドサービスでは、最後に情報システム部門や法務部門の確認が入ります。データの保管場所、権限管理、障害時の対応、契約形態といった確認事項を動画で先に説明しておくと、確認期間の短縮につながります。
この種のコンテンツは再生数こそ伸びませんが、受注直前の停滞を防ぐ役割を果たします。
株式会社Grillが支援した勤怠管理系SaaS企業(2025年10月〜2026年3月、動画32本)では、4つの役割すべてに動画をそろえた後、商談から受注までの平均期間が78日から54日に短縮しました。
特に管理部門向けの「よくある確認事項」動画を営業担当が事前に送るようにしてから、セキュリティ確認での差し戻しが大幅に減っています。
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BtoBのYouTubeは、誰でも見られる公開動画だけで完結させる必要はありません。商談中や商談後にだけ送る限定公開の動画を組み合わせると、チャンネルが営業資料の置き場としても機能します。この章では、2つの層の役割と、営業部門と一緒に回す手順を解説します。
公開動画の役割は、まだ自社を知らない見込み顧客に見つけてもらうことです。そのため、テーマは自社製品の紹介よりも、業界の課題や業務の進め方といった検索されやすい切り口を優先します。
YouTube内の検索に加えて、Googleの検索結果に動画が表示される場面もあるため、タイトルと説明文には担当者が実際に打ち込む語句を入れておきます。
YouTubeヘルプでは、限定公開に設定した動画は「リンクを知っているユーザーのみが表示し、共有できます」と説明されています。共有相手はGoogleアカウントを持っていなくても視聴でき、チャンネルの動画タブや検索結果には表示されません。この性質は、特定の顧客向けの説明動画を送る用途に向いています。
たとえば、初回商談で話した内容を5分の動画にまとめ、限定公開のURLをお礼メールに添えます。担当者は自分で説明し直す代わりにURLを上司へ転送するだけで済むため、社内での検討が進みやすくなります。
ただし、URLを知っていれば誰でも再共有できる仕様なので、価格表や個別の見積条件など社外に出てはいけない情報は入れないようにします。
公開と限定公開の動画を営業現場で使ってもらうには、探しやすさが欠かせません。次の3つの手順で、動画ライブラリとして整えます。
限定公開の動画も、公開の再生リストに追加すると検索結果に表示される可能性があるとYouTubeヘルプに記載されています。社外秘に近い内容の動画は、公開の再生リストに入れていないかを定期的に確認しましょう。

ここまでの考え方を、実際の立ち上げ手順に落とし込みます。7つのステップは、動画を撮り始める前の準備に3ステップを割いている点が特徴です。最初の準備を省くと、第2章で触れたつまずきに陥りやすくなります。
最初にやるべきは、企画会議ではなく受注済み顧客の振り返りです。直近で受注した5社について、最初に接点を持った人、社内で説得が必要だった人、最後に引っかかった論点を営業担当から聞き取ります。
この聞き取りから、自社の購買チームの典型的な顔ぶれと、動画で先回りできる論点が見えてきます。
第3章の4つの役割を縦軸に、「課題に気づく」「解決策を比べる」「導入を決める」の3段階を横軸に置きます。12マスそれぞれに、STEP1で出た論点を書き込むと、作るべき動画テーマが一覧になります。すでに空白のマスが多い段階から始められるので、ネタ切れを防ぐ効果もあります。
企業のチャンネルは、担当者の異動や退職に備え、複数人で管理できるブランドアカウントで作成します。
運用が属人化しないよう、再生リストは製品別ではなく「導入を検討中の方へ」「情報システム部門の方へ」のように役割別に分けると、営業担当が送る際にも迷いません。概要欄には、動画ごとに次の行き先となるリンクを1〜2本だけ置きます。
BtoBの動画では、自社の専門家が語ること自体が信頼の材料になります。出演者を決めると同時に、台本の確認者と公開前の確認者を決め、確認にかける日数の上限を決めておきます。確認フローがないまま撮影を始めると、公開前の確認で数週間止まり、運用の継続が難しくなります。
BtoBの主役は、5〜20分の長尺動画です。比較検討の段階にある視聴者は、短い動画より、疑問に最後まで答えてくれる動画を求めています。ショート動画は長尺の要点を切り出して活用し、チャンネルを知ってもらう入口として使うと、制作の手間を抑えながら接点を増やせます。
動画の行き先は、視聴者の検討段階に合わせて変えます。課題に気づく段階の動画ならお役立ち資料のダウンロード、比較段階なら導入事例集、導入を決める段階なら個別相談の申込ページが適しています。
受け皿となるページの作り方は、「BtoBに特化したLP制作の完全ガイド」で詳しく扱っています。
振り返りは、マーケティング担当者だけでYouTubeアナリティクスを見て終わらせないことが大切です。月に1回、営業担当を交えて「商談で話題に出た動画」「顧客から質問が多かった論点」を共有します。この場で出た論点が、次の月の企画と運用改善のテーマになります。
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BtoBの動画で最も信頼を得やすいのは、エンジニアやカスタマーサクセス担当など、現場を知る社員の言葉です。一方で、社員の出演にはBtoBならではの壁があります。よく直面する3つの壁と、その乗り越え方を紹介します。
専門知識を持つ社員ほど、顔を出しての出演に抵抗を感じる傾向があります。最初から顔出しを求めず、画面共有と音声だけで解説してもらう形式から始めると、引き受けてもらいやすくなります。何本か撮るうちに慣れ、本人から顔出しを申し出るケースも多く見られます。
社内で撮影すると、ホワイトボードの書き込み、モニターに映った顧客名、開発中の製品などが意図せず映り込むことがあります。撮影前に背景と画面を確認する担当者を決め、編集後にも同じ観点で確認する二段階の流れにしておくと安心です。
操作デモでは、実在の顧客データではなく、デモ用のダミーデータを用意しておきます。
顧客に出演してもらう導入事例の動画は、決裁者に最も響くコンテンツです。ただし、社名の公開可否、掲載する数値、公開期間、出演者が退職した場合の扱いなどを、撮影前に書面で取り決めておく必要があります。
社名を出せない場合でも、業種と従業員規模を示すだけで、決裁者にとっての参考度は十分に保てます。
競合製品と比べる表現を使う場合は、比較の条件と根拠を動画内や概要欄で示します。事実と異なる優位性を示したり、他社の信用を傷つけたりする表現は、不正競争防止法上の問題になるおそれがあります。判断に迷う表現は、公開前に法務部門へ確認を回しましょう。

自社チャンネルの動画は、公開しただけでは届く範囲が限られます。YouTube広告を組み合わせると、狙った業界や検討段階の人に動画を届けられます。ここでは、BtoBで特に効果を出しやすい3つの使い方を紹介します。
広告の形式ごとの違いは「YouTube広告の種類全6つを徹底比較!費用相場・課金方式と選び方・出稿手順まで解説」で整理しています。
Google広告のカスタムセグメントを使うと、特定の語句を検索した人や、特定のサイトに関心を持つ人に近い層へ広告を配信できます。BtoBでは、業務課題に関する語句や業界専門メディアのURLを指定すると、法人の担当者層に絞った配信がしやすくなります。
検索広告と組み合わせる場合は「BtoBリスティング広告の運用ガイド」も参考になります。
株式会社Grillの運用経験上、職種そのものを指定するより、業務課題の語句から組み立てたほうが商談につながる視聴者の比率が高くなる傾向があります。
料金ページを見た人や、比較解説の動画を最後まで視聴した人は、すでに検討を始めている可能性が高い層です。こうした人に向けて、導入事例や決裁者向けの短い動画をリマーケティングで配信すると、検討を次の段階へ進められます。BtoBの広告は新規の接点づくりより、この「検討の後押し」で費用対効果が出やすい点が特徴です。
広告運用でも、第3章の役割別の考え方がそのまま活用できます。決裁者層を想定した配信では15秒前後で導入実績と変化を伝え、担当者層には2〜3分の解説動画をそのまま広告として配信します。尺を分けて成果を比べると、自社の商材でどちらの層に広告費をかけるべきかが見えてきます。
株式会社Grillが支援したBtoB企業のYouTube広告(2025年度、製造業・SaaS・人材の3業種、N=9社)を比べた結果です。リマーケティング配信の資料ダウンロード単価は、新規層への配信より平均で約42%低くなりました。
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BtoBのYouTubeを続けるには、動画が商談や受注にどう効いたかを社内に示す必要があります。YouTubeアナリティクスの数字だけでは、その証明はできません。ここでは、YouTubeの外で成果を捉える4つの方法を紹介します。
概要欄に置くリンクには、動画ごとに異なるUTMパラメータを付けます。こうするとGA4で、どの動画から何人がサイトに来て、何人が資料をダウンロードしたかを動画単位で確認できます。パラメータの命名規則は最初に決めておき、担当者が変わっても同じ形式で付け続けられるようにしましょう。
問い合わせフォームに「当社を知ったきっかけ」の項目を設け、選択肢にYouTubeを入れます。動画を見た後に社名で検索して問い合わせる人は多く、UTMだけではYouTube経由と判定できないためです。自由記入欄も設けておくと、「○○の解説動画を見て」のように、効いた動画まで特定できることがあります。
営業担当が商談の記録を残す画面に、「顧客が事前に見ていた動画」の欄を追加します。商談の冒頭で「当社の動画をご覧になったことはありますか」と一言聞くだけで、記録は十分に集まります。
半年ほど蓄積すると、動画を見ていた商談と見ていなかった商談で、受注率や受注までの期間を比べられるようになります。
YouTubeで動画を見た人の一部は、後から社名や製品名でGoogle検索をします。Search Consoleで指名検索の表示回数を月ごとに記録し、動画の公開本数と並べて見ると、YouTubeが認知の広がりに与えた影響を間接的に確認できます。
広告の配信量が変わった月は数字がぶれやすいため、配信状況とあわせて記録しておきます。
GA4の初期設定から整えたい場合は、「GA4の設定代行が得意なおすすめ会社18選」も参考になります。

ここでは、株式会社GrillがYouTubeの運用を支援したBtoB企業3社の事例を紹介します。いずれも社名は非公開ですが、業種・期間・数値は実際の支援内容に基づくものです。有名企業の大型チャンネルとは異なり、少人数で始めた企業の事例として参考にしてください。
著名企業のチャンネル活用を幅広く知りたい場合は「企業のYouTubeチャンネルの成功事例15選!業界別に学ぶ運用のコツと始め方を解説」にまとめています。
従業員約120名の産業用ポンプメーカーでは、設計担当の技術者が故障原因や選定の考え方を解説する動画を、月2本のペースで公開しました。
2025年4月からの12か月で公開した24本では、「ポンプ 異音 原因」のような課題語句の検索から見られた動画が、再生数の上位を占めました。
| 指標 | 開始前 | 12か月後 |
|---|---|---|
| 月間の問い合わせ数 | 6件 | 17件 |
| うち初めて取引する企業 | 2件 | 11件 |
| チャンネル登録者数 | 40人 | 1,350人 |
英語字幕を付けた動画をきっかけに、東南アジアの代理店2社から取引の打診があったことも、当初は想定していなかった成果でした。
従業員約60名のSaaS企業では、第4章の二層設計を取り入れ、公開動画18本と限定公開動画9本を整えました。営業担当は商談のフェーズごとに決められた動画をメールで送り、顧客側の社内共有を促しています。
動画で育てたリードの扱い方は「SaaSがやるべきリード獲得方法とナーチャリング」で詳しく扱っています。
2025年7月から2026年3月までの9か月で、商談から受注までの平均期間は91日から63日に短くなりました。
法人向けの人材サービスを提供する企業では、毎月開催していたウェビナーの録画を10分前後に再編集して公開しました。新たに撮影する本数を減らしたことで、1本あたりの制作工数は約半分になっています。2025年10月から6か月間で、YouTube経由の資料ダウンロードは月平均8件から29件に増えました。
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YouTubeの運用を続けられるかどうかは、体制の組み方でほぼ決まります。外部の力をどこまで活用するかが分かれ目です。この章では、内製・一部外注・全面外注の3つの体制を比べ、費用の目安と外注先に確認したいことを整理します。
| 体制 | 社内の担当範囲 | 月額費用の目安 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 内製 | 企画・撮影・編集・投稿のすべて | 人件費のみ | 動画編集の経験者が社内にいる |
| 一部外注 | 企画・出演・確認 | 月10万〜40万円 | 専門知識は社内にあり、編集の手が足りない |
| 全面外注 | 出演・最終確認のみ | 月40万〜100万円以上 | 社内に担当者を置けない・早く立ち上げたい |
BtoBでは、動画の中身を語れるのは社内の専門家だけです。そのため、企画と出演は社内に残し、撮影・編集・サムネイル制作・分析を外部に任せる一部外注が、多くの企業にとって現実的な選択肢になります。
動画1本あたりの制作費は、撮影の有無と編集の手間で大きく変わります。株式会社Grillが把握している相場感では、社内で撮った素材の編集のみなら1本3万〜8万円、撮影から編集までを依頼すると1本15万〜50万円が目安です。
チャンネルの企画から分析までを任せる運用代行は、月4本程度で月30万〜80万円の価格帯が中心です。
見積もりの内訳を詳しく知りたい場合は「動画制作の見積もりの費用内訳と見積書の読み方」を参照してください。
外注先を比べる際は、動画の見栄えより、BtoBの成果につなげる設計ができるかを確かめます。初回の打ち合わせで、次の4つを質問してみてください。
この4つに具体的に答えられる会社であれば、運用の一部を任せた後も、成果の検証まで一緒に進められます。
運用代行の業務範囲や会社の比べ方は、「YouTube運用代行会社おすすめ10選!費用相場・業務範囲・選び方を徹底比較!」で詳しく比較しています。

最後に、BtoB企業でYouTubeの導入を検討する際に、担当者や決裁者から寄せられやすい疑問をまとめました。社内で企画を通す際の説明材料としても活用してください。
決裁者が自分で検索して動画を見つけるケースは、担当者ほど多くありません。ただし、担当者から転送された動画を見る機会は確実にあります。決裁者に直接届けることより、担当者が「上司に見せたい」と思える動画を用意することのほうが重要です。
動画で公開するコンテンツは「考え方」と「判断の軸」までにとどめ、自社独自の手順や数値の詳細は商談の場で伝える、という線引きが現実的です。BtoBの買い手は、ノウハウを惜しみなく出す企業ほど専門性が高いと受け取る傾向があります。
競合に真似されるリスクより、見込み顧客に知られないまま埋もれるリスクのほうが大きいと考えましょう。
そのまま公開すると、冒頭の待ち時間や質疑の途中が長く、視聴者が途中で離れやすくなります。1回分のコンテンツをテーマごとに10分前後へ切り分け、タイトルを検索される語句に合わせて付け直すと、1回のウェビナーから3〜5本の動画を作れます。
参加者の顔や名前が映っている部分は、必ず削除してから公開してください。
BtoBの運用では、頻度よりも継続が大切です。株式会社Grillの支援経験では、立ち上げの半年間は月2〜4本を目安にすると、社内の負担と成果の釣り合いが取りやすくなります。
ビーヘルシーの調査でも、成果を感じている企業の約67%が半年以上の長期的な視点で運用していると報告されています。
海外の取引先を開拓したい企業にとって、YouTubeは有効な手段です。新しく英語の動画を作らなくても、既存の動画に英語の字幕とタイトルを付けるだけで、海外からの検索に引っかかるようになります。第9章の産業用ポンプメーカーのように、字幕をきっかけに海外代理店とつながる事例もあります。
動画の本数が少ない段階では、まずオーガニック運用で10本ほど公開し、反応の良い動画を見極めるのがおすすめです。その上で、反応の良い動画を広告として配信すると、少ない予算でも成果が出やすくなります。展示会の直前など、短期間で接点を増やしたい時期だけ広告を先行させる方法もあります。
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BtoBのYouTubeで成果が出るかどうかは、最初の1本を誰に向けて作るかで大きく変わります。最後に、着手前に決めておきたいことと、株式会社Grillが支援できる範囲をお伝えします。
動画の企画で迷ったら、直近の商談で担当者が上司への説明に苦労していた論点を1つ選んでください。その論点に5分で答える動画は、公開しても限定公開で送っても使える、最も無駄の少ない1本になります。
再生数を競うチャンネルづくりから離れ、購買チームの間で受け渡される動画を1本ずつ増やしていく。この積み重ねが、BtoBのYouTubeマーケティングを商談につなげる近道です。
御社の動画が、担当者の手元で止まっていないでしょうか。
株式会社Grillは、受注済み顧客の検討経緯をもとに、現場担当者・推進者・決裁者・管理部門のそれぞれに向けた動画の企画を組み立てるところから支援します。公開動画と限定公開動画の使い分けまで含めて設計するため、営業部門がその日から使える動画ライブラリができあがります。
YouTube広告での配信は、最低出稿予算10万円〜・手数料10%〜で承っています。業界で一般的な手数料20%の半額水準に抑えられるのは、配信設定やレポート作成をAIと自動化ツールで効率化しているためです。
浮いた時間は、動画ごとの反応を見て配信先と尺を素早く入れ替える改善に充てています。
製造業やSaaS、人材サービスといったBtoB領域で、商談化数まで踏み込んで成果を追ってきた経験が、この設計の土台です。直近の受注3件で、誰がどの順番で何を見て決めたのか。その書き出しを一緒に進めるところから、気軽にご相談ください。
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