配信開始を予定していた日の朝、管理画面に並んだのが「不承認」の赤い文字だった——リスティング広告の運用では、こうした事態が珍しくありません。1日あたり数万円の予算を組んでいたキャンペーンが審査で止まれば、その分の売上機会はそのまま消えていきます。
株式会社Grillが2025年に新規で引き継いだ広告アカウント(美容・EC・士業など、N=18件)でも、初回入稿時に何らかの不承認を経験していた割合は6割を超えました。
つまずきの多くは、審査基準を知らないまま入稿していることに起因します。Google広告とYahoo!広告(LINEヤフー広告)では見られる項目が微妙に異なり、薬機法・景表法が絡む業種ではさらにハードルが上がります。
以下では、入稿から掲載までの審査フロー、媒体ごとの審査基準の違い、審査落ちの7つの理由、業種別の注意点、そして否認からの再審査までを、現場の判断基準とともに整理しました。「なぜ落ちたのか」「どう直せば通るのか」を、この1本で自力診断できる状態を目指します。
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リスティング広告の審査は、広告を入稿してから掲載されるまでの一連の関門です。この章では、審査が「入稿」とは別の工程であること、そして承認後も監視が続くことを、時系列の全体像として押さえます。
広告を入稿した時点で掲載が始まるわけではありません。入稿と審査は別物であり、実際には4つの段階を経て配信の可否が決まります。
自動審査は数分〜数時間で終わることが多い一方、最上級表現や制限付きコンテンツを含む広告は手動審査に回り、時間がかかります。「入稿したのに配信されない」と感じるときは、多くの場合この審査ステップの途中にあります。
広告主にとって審査は障害物に見えますが、その目的は検索結果全体の信頼を守ることにあります。虚偽・誇大な広告や、薬機法・景表法に反する表現が野放しになれば、検索ユーザーは広告を避けるようになり、結果として広告市場そのものの価値が下がります。
Google広告もYahoo!広告も、審査基準(ポリシー)を公開しているのはこのためです。審査は「広告主を落とすための仕組み」ではなく、適正な広告主が安心して配信を続けられる土台として機能しています。この前提を理解しておくと、不承認を受けたときも「基準のどこに触れたか」という視点で冷静に対処できます。
一度承認された広告でも、後日あらためて審査され直すことがあります。これが追い審査です。配信データが蓄積された段階での再チェック、リンク先の内容変更、あるいはポリシー自体の改定をきっかけに、承認済みの広告が突然「掲載停止」に変わるケースがあります。
株式会社Grillの運用現場では、承認済み広告が追い審査で停止した際、まず「広告文・リンク先・アカウント設定のどこに変更があったか」を切り分けます。多くは、遷移先ページの表現が後から更新され、広告文との整合性が崩れたことが原因です。初動としては、停止対象の広告単位で差分を特定し、修正のうえ再入稿する流れが最短の復旧ルートになります。承認は「ゴール」ではなく「配信中も維持し続ける状態」だと捉えるのが実務の基本です。
不承認を出さない広告は、入稿の前段階で勝負が決まります。キャンペーン設計・広告文の作成・リンク先の準備という流れの中で、審査基準を意識できているかが通過率を左右します。入稿前から審査を前提に運用を組み立てておくと、初回の不承認を大きく減らせます。自社で立ち上げる場合の手順は、次の記事が下敷きになります。
リスティング広告を自社で立ち上げる際の具体的な進め方については、「リスティング広告のやり方完全ガイド|初期設定から運用改善までの10ステップ」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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「審査=広告文のチェック」と考えていると、思わぬ場所で不承認を受けます。実際の審査対象は複数のレイヤーにまたがっており、この章ではどこが見られているかを5つに分解して整理します。
登録したキーワードも審査対象です。特に、広告文やリンク先の内容と無関係なキーワードは、関連性の不足として問題視されます。商標を含むキーワードや、制限付きコンテンツに該当する語句は、それ単体で不承認の原因になることもあります。
審査で弾かれるキーワードには、広告文やリンク先と噛み合っていないという共通点があります。無関係な語句を詰め込むほど関連性の評価は下がり、不承認や品質スコアの低下につながります。まずは広告文の訴求と対応する語句だけを残す、という発想が審査対策の第一歩です。関連性を崩さずに登録語句を組み立てる進め方は、次の記事で整理しています。
審査に通る語句選びの具体的な手順を確認したい方は、「リスティング広告のキーワード選定7ステップと予算別戦略」もあわせてご確認ください。
最も分かりやすい審査対象が広告文です。見出しや説明文には、使用できる記号・文字数の入稿規定があり、これに反するとシステムの自動審査で弾かれます。感嘆符の多用、句読点の連続、全角記号の乱用などは典型的な引っかかりポイントです。
加えて、最上級表現(No.1・世界初・最安など)や、薬機法・景表法に触れる効果効能の断定は、表現規制として手動審査で見られます。
検索連動型の広告でも、広告表示オプションや関連メニューで画像を使う場面があります。クリエイティブには容量やサイズの規定があり、規定外のデータはそもそも入稿できません。
Google広告では画像アセットの容量上限が150KBに設定されているなど、媒体ごとに具体的な数値基準があります。Yahoo!広告(LINEヤフー広告)側は入稿時に自動圧縮が働く場面もありますが、圧縮後の画質劣化で審査に影響しないよう、規定内のデータを用意しておくのが安全です。
見落とされがちなのがリンク先(LP)です。広告文が問題なくても、遷移先ページがエラーになっていたり、パスワード制限で閲覧できなかったりすると不承認になります。広告文で訴えた内容とLPの内容がずれている「整合性不足」も審査落ちの定番です。
さらに、リンク先には運営者を示す主体者表記(会社名・所在地・連絡先など)が求められます。誰が販売・提供しているか分からないページは、信頼性の観点で通りにくくなります。
審査は個々の広告だけでなく、サイト全体や広告主アカウントの実在性まで及びます。特定の業種・商材では、広告主の資格や許認可の確認が入ることもあります。ドメインの運用歴が浅い、問い合わせ先が不明といった要素は、審査を慎重にする方向に働きます。
入稿前セルフ診断5項目を、レイヤーごとに確認します。
この5レイヤーを入稿前に確認するだけで、初回不承認の多くは未然に防げます。

Google広告の審査基準は、公開されている広告ポリシーに沿って運用されています。この章では、その4本柱を広告主が該当しやすい観点から整理し、「不承認」と「制限付き」の違いを明確にします。
Google広告のポリシーで最も厳しいのが、掲載そのものが認められない禁止コンテンツです。偽造品、危険な商品・サービス(違法薬物・武器など)、不正行為を助長するもの、差別的・不適切なコンテンツが該当します。これらは例外なく不承認となり、配信の余地はありません。
商材そのものは問題なくても、「行為」がポリシー違反になるケースがあります。Google広告ネットワークの不正使用、ユーザーデータの不適切な収集、そして不実表示——実際とは異なる料金・提供内容で誤認させる表現——が代表例です。
不実表示は、価格の記載漏れや、無料と見せかけた有料サービスなど、広告主が意図せず触れやすい領域です。広告文とリンク先の情報を一致させることが、この違反を避ける基本になります。
禁止まではいかないものの、条件付きでしか配信できないのが制限付きコンテンツです。医薬品・医療、アルコール、金融サービス、ギャンブル、成人向けなどが含まれます。これらは「配信は可能だが、地域・資格・表現に制限がかかる」点が、全面的な不承認との大きな違いです。
制限付きに該当しやすい代表業種の早見表を挙げます。
| 業種・商材 | 主な制限内容 |
|---|---|
| 医薬品・健康食品 | 承認済み事業者・成分表示など要件付きで配信可 |
| 金融・投資 | 事業者情報の開示・誇大表現の禁止 |
| クレジット・ローン | 金利や手数料の明示が必須 |
| アルコール | 配信地域・年齢の制限 |
| ギャンブル | 許認可のある事業者に限定・地域制限 |
制限付きの広告は、要件を満たせば配信できますが、要件を満たさないと不承認扱いになります。自社の商材がどの区分に入るかを最初に確認しておくことが重要です。
ポリシー違反だけでなく、編集基準(誤字・不自然な表記・記号の乱用など)や技術要件(リンク先の動作・表示速度など)も審査対象です。ここを満たすと承認されますが、承認と配信のパフォーマンスは別問題です。
品質スコアが低い広告は、審査を通っても表示機会が伸びにくく、クリック単価も高止まりします。つまり、審査通過は「スタートライン」であり、そこから先の品質改善が成果を左右します。
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リスティング広告のうちYahoo!広告(LINEヤフー広告)にも独自の掲載基準があり、Googleで承認された広告がYahoo!で不承認になることは珍しくありません。この章では、両者の審査基準の違いを具体的に対比します。
Yahoo!広告(LINEヤフー広告)の審査基準は、ユーザーの利便性、公序良俗、そして掲載できないサービス(指定禁止業種)の三本柱で構成されます。基本的な考え方はGoogle広告と近いものの、日本の商習慣や法令に即した独自の運用がなされている点が特徴です。
実務でよく指摘されるのが、薬機法関連の表現とリンク先(LP)審査で、Yahoo!広告のほうが厳しくなりやすい点です。化粧品・健康食品などの効果効能表現は、Yahoo!広告側でより保守的に判断される傾向があります。
株式会社Grillが支援した健康食品のクライアント(2025年、単一アカウント)で、同一の広告文とLPをGoogle広告とYahoo!広告に同時入稿した事例があります。このとき、Googleでは承認されたLP内の一文が、Yahoo!では薬機法抵触と判断され不承認になりました。媒体ごとに審査基準の解釈が異なることを前提に、Yahoo!側は表現をワンランク保守的に調整するのが安全策です。
二媒体を横断して運用する場合、違いを一覧で把握しておくと入稿設計がぶれません。
| 比較項目 | Google広告 | Yahoo!広告(LINEヤフー広告) |
|---|---|---|
| 審査期間(営業日) | 数時間〜1営業日が目安 | 〜3営業日が目安 |
| 最上級表現の扱い | 客観的根拠があれば可 | 1年以内の公的データなど根拠要件が厳しめ |
| 薬機法関連 | 制限付きで判断 | より保守的に判断されやすい |
| リンク先(LP)審査 | 整合性・技術要件を確認 | LPの記載内容まで踏み込む傾向 |
| 主体者表記 | 必須 | 必須(確認が厳格) |
「Googleで通ったからYahoo!でも通る」とは限りません。審査基準が厳しい媒体に合わせて広告文・LPを作るのが、二媒体運用でつまずかないための鉄則です。

「審査にどれくらいかかるのか」は、配信スケジュールに直結する重要な疑問です。この章では、媒体別の審査期間の目安と、長引く原因、そして審査を早める具体策を整理します。
審査期間(営業日)は媒体によって差があります。あくまで目安ですが、以下を基準に入稿計画を立てると安全です。
制限付きコンテンツや最上級表現を含む広告は手動審査に回るため、上記より長引きます。
実際に読者が知りたいのは「入稿してから掲載されるまで、結局あと何日か」です。入稿作業そのものは数十分〜1日ほどで、そこに審査期間を足したものが掲載までの総所要日数になります。媒体別の目安を一覧にまとめました。
| 媒体 | 入稿作業 | 審査期間 | 掲載までの総所要日数(目安) |
|---|---|---|---|
| Google広告 | 数十分〜半日 | 数時間〜1営業日 | 最短当日〜1営業日 |
| Yahoo!広告(LINEヤフー広告) | 数十分〜半日 | 1〜3営業日 | 1〜3営業日 |
| 主要SNS広告 | 数十分〜半日 | 1営業日前後 | 1〜2営業日 |
年末年始やGW前などの繁忙期は、上記に加えて審査5営業日程度を見込むのが安全です。配信開始日が決まっている場合は、この総所要日数から逆算して入稿日を決めると、審査待ちで機会損失を出さずに済みます。
審査が想定より遅れる原因は、大きく2つに整理できます。1つは入稿規定違反による差し戻しで、修正・再入稿のたびに審査がやり直しになります。もう1つは媒体の繁忙期です。
年末年始・GW前は入稿が集中し、審査が通常より長引きます。株式会社Grillでは、長期休暇前のキャンペーンについて「審査5営業日想定+予備日2日」で入稿スケジュールを逆算し、配信開始日から逆算して1週間前には入稿を完了させる運用を標準にしています。繁忙期に配信開始日を固定したいなら、余裕を持った入稿設計が最大の対策です。
Google広告には、審査が長引いた広告について優先的な再確認を依頼できる仕組み(優先審査の申請)があります。一般に、審査中のまま一定時間(目安として24時間)が経過した広告について申請できます。ただし、申請すれば必ず早まるわけではなく、内容に問題がある広告は申請しても通りません。
最も確実な「早める方法」は、入稿規定・審査基準を守った広告を、余裕を持ったスケジュールで入稿することです。入稿前のセルフ診断(第2章)で差し戻しを減らすことが、結果的に審査期間の短縮につながります。
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リスティング広告の審査がどこまで進んでいるかは、管理画面のステータスで確認できます。この章では、Google・Yahoo!それぞれのステータスの意味と、「承認済みなのに表示されない」ときの確認手順を整理します。
Google広告の管理画面では、広告ごとにステータスが表示されます。主なものは次の通りです。
「有効(制限付き)」は不承認とは異なり、条件の範囲では配信されています。ステータスの意味を取り違えると、直す必要のない広告を触ってしまうため注意が必要です。不承認の具体的な理由を確認するには、管理画面の「ツールと設定」→「ポリシーマネージャー」を開くと、どのポリシーに触れたかまで表示されます。
Yahoo!広告(LINEヤフー広告)でも、広告ごとに審査状況が表示されます。「承認済み」で配信中、「審査中」で審査待ち、「掲載不可」でポリシー違反による不承認、「掲載停止」で承認後に配信が止まった状態を示します。
掲載停止は追い審査やポリシー改定で起こることがあり、承認済みからの変化は見逃しやすいので定期的な確認が欠かせません。審査状況は、管理画面の広告一覧で対象の広告を開き、「審査状況」の詳細から否認理由を確認できます。
審査は承認されているのに広告が表示されない——この相談は非常に多く、原因の多くは審査ではなく配信設定側にあります。
承認済みで表示されない場合の次アクションは、「審査を疑う前に配信設定を確認する」ことです。特に入札方法を自動入札へ切り替えた直後は、学習期間中に一時的に配信が絞られることがあります。切り替えで配信が止まったと感じたら、変更前の設定に一度戻し、キーワードのボリュームと日予算を見直すのが定石です。
配信設定の切り分けをさらに体系的に進めたい方は、「リスティング広告の改善は症状診断が9割|7症状×15施策のロードマップ」もあわせてご覧ください。

ここからは記事の核心です。審査落ち(不承認)の原因を、第2章の5レイヤーと対応づけながら7つに整理し、それぞれ「落ちる例→直す例」で診断できるようにします。
診断の出発点は、商材そのものが掲載できるかどうかです。どれだけ広告文やリンク先(LP)を直しても、禁止コンテンツに該当する商材は配信できません。この場合は表現の修正では解決せず、扱う商材や訴求角度の見直しが必要になります。
まず自社の商材が掲載可能な区分かを確認してから、細部の修正に進むのが効率的です。業種別の可否は第8章で整理します。
化粧品・健康食品・美容・医療などで頻発するのが、薬機法・景表法への抵触です。医薬品的な効果効能の断定や、優良誤認を招く表現が該当します。
言い換えの具体策は第9章で詳しく扱います。
件数として最も多いのが、入稿規定違反による審査落ちです。使用できない記号、句読点の連続、見出し・説明文の文字数オーバーが典型例です。
やっかいなのは、禁止記号や入稿規定がGoogle広告とYahoo!広告(LINEヤフー広告)で微妙に異なる点です。二媒体に同じ広告文を入稿する場合は、厳しいほうに合わせて作ると差し戻しを防げます。主な論点を早見表にまとめました。
| 項目 | Google広告 | Yahoo!広告(LINEヤフー広告) |
|---|---|---|
| 感嘆符・疑問符(!?) | 見出しでは使用不可・説明文は原則1回まで | 過度な連続使用は不可 |
| 記号(@*#$%等) | 意味なく使うと不可 | 装飾目的の使用は不可 |
| 句読点・記号の連続 | 「、、」「!!」等の連続は不可 | 同様に連続使用は不可 |
| 大文字・全角の多用 | 意味なく全て大文字にするのは不可 | 不自然な大文字・全角記号の連続は不可 |
| 【】(隅付き括弧) | 過度な多用は避ける | 使用可だが多用は審査対象 |
迷ったら記号を使わずに書き切るのが、どちらの媒体でも通しやすい安全策です。
最上級表現は、客観的な根拠がないと不承認になります。「業界No.1」「世界初」「最安」などは、出典・調査時期・調査主体を示せなければ使えません。
Yahoo!広告(LINEヤフー広告)は1年以内の公的データを求めるなど、根拠要件がGoogleより厳しめです。
広告文が完璧でも、リンク先(LP)に問題があれば不承認です。404エラー、制作途中の未完成ページ、Basic認証などのパスワード制限がかかったページは審査を通りません。入稿前に、審査担当者が見る状態でLPが公開されているかを必ず確認します。
広告文で打ち出した内容とリンク先の内容が食い違うと、整合性不足で落ちます。「初回無料」と広告文に書きながらLPに記載がない、価格が違う、といったケースです。広告文の訴求は、必ずLP上で確認できる形にしておきます。
主体者表記の欠落も定番の審査落ち理由です。誰が販売・提供しているのかがLP上で分からないと、信頼性の観点で不承認になります。会社名・所在地・連絡先を、フッターや特定商取引法に基づく表記としてLPに掲載しておく必要があります。
株式会社Grillが引き継いだあるアカウントでは、LP内の画像に埋め込まれたキャッチコピーを、そのまま広告文に転記していました。その結果、広告文とテキスト情報の関連性がうまく評価されず、不承認が続いていました。画像内テキストに頼らず、広告文とLPのテキストを対応させて書き直したところ、再入稿で承認に至りました。禁止記号の媒体別一覧を用意し、入稿前にチェックする運用も併せて有効です。
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同じ「リスティング広告 審査」でも、業種によって通しやすさは大きく変わります。この章では、規制業種ごとに「なぜ審査が厳しいか」「どの法規制が絡むか」を整理し、規制業種の広告主に固有の判断材料を提供します。
医療・クリニックは、医療広告ガイドラインと薬機法の二重規制を受ける、最も審査ハードルの高い領域の一つです。ビフォーアフター写真の扱い、体験談の制限、自由診療の費用・リスク明示など、医療特有のルールが審査基準に上乗せされます。
美容医療の広告設計は、他業種より審査の目が厳しく、施術名や効果の表現ひとつで不承認に振れます。ビフォーアフターや体験談をどこまで載せられるか、費用やリスクをどう明示するかは、媒体の審査基準とガイドラインの両方を踏まえて判断する必要があります。施術別の訴求設計まで踏み込んだ実務は、次の記事で具体的に扱っています。
美容クリニックで実際に使える広告施策と費用感を知りたい方は、「美容クリニックのおすすめ広告施策7選|費用相場と医療広告ガイドライン対応」をご参照ください。
化粧品・健康食品は、薬機法上できる表現の範囲が細かく定められています。医薬品的な効果を連想させる表現は不承認になり、機能性表示食品や特定保健用食品でも、届け出・許可の範囲を超える訴求はできません。「何を言えるか」の線引きを理解しておくことが、審査を通す前提になります。
金融・投資・クレジット領域は、制限付きコンテンツとして資格要件と表現規制の両方がかかります。登録・免許のある事業者であること、金利・手数料・リスクを明示すること、断定的な利益予想をしないことが求められます。「必ず儲かる」「元本保証」といった誇大表現は、景表法の観点からも不承認です。
人材・不動産をはじめ、業界ごとに固有のルールがある業種は少なくありません。人材なら職業安定法に基づく表示、不動産なら宅建業法・不動産の表示に関する公正競争規約が関わります。共通するのは、許認可番号や事業者情報の明示、誇大な条件提示の回避です。
業種×主な規制法×落ちやすい表現×代替アプローチを整理します。
| 業種 | 主な規制 | 落ちやすい表現 | 代替アプローチ |
|---|---|---|---|
| 医療・クリニック | 医療広告ガイドライン・薬機法 | 「絶対に治る」「効果を保証」 | 施術内容・費用・リスクの客観的説明 |
| 美容・化粧品 | 薬機法・景表法 | 「シミが消える」 | 使用感・保湿など機能の範囲で表現 |
| 金融・投資 | 各業法・景表法 | 「元本保証」「必ず儲かる」 | 実績の条件明示・リスク併記 |
| 人材・不動産 | 職業安定法・宅建業法 | 誇大な条件・No.1表記 | 許認可番号・具体条件の明示 |
株式会社Grillは美容クリニックをはじめとする規制業種の広告運用実績を持ち、業種ごとの審査ハードルを踏まえた出稿設計に対応しています。業種特性を理解したうえで訴求角度を設計することが、規制業種で配信を安定させる近道です。

審査を通すために表現を削ると、今度は訴求力が落ちてしまう——このジレンマを解くのが言い換えです。この章では、薬機法・景表法に触れずに訴求力を保つ、実務的な書き換えの視点を提示します。
薬機法では、化粧品・健康食品などが医薬品的な効果を断定することを禁じています。ポイントは「事実を消す」のではなく「表現の角度を変える」ことです。
| NG表現 | OKな言い換えの方向 |
|---|---|
| シミが消える | 乾燥による小じわを目立たなくする(承認範囲内の表現) |
| 飲むだけで痩せる | 食生活のバランスをサポート |
| 5歳若返る | ハリ・うるおいを与える |
| 病気が治る | 健やかな毎日を応援する |
承認範囲内で言える効能・機能に置き換えることで、審査基準を守りながら訴求を残せます。
景表法で問題になるのは、実際より優れて見せる優良誤認と、取引条件を有利に見せる有利誤認です。「日本一」「最安」などの最上級表現は根拠とセットで、価格や特典の条件は明確に示します。
表現を弱めずに審査を通すには、次の3つの視点が有効です。
株式会社Grillでは、薬機法・景表法に準拠したクリエイティブ制作フローとして、NG語→OK語の対応表を業種ごとに整備し、入稿前に広告文・LPの両方を照合しています。表現を守りつつコンバージョン率を落とさないことを目標に、審査を前提とした訴求設計を標準化しています。
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リスティング広告の審査に落ちても、多くのケースは修正と再審査で通せます。この章では、原因特定から修正、それでも通らないときの異議申し立てまで、否認後の実務手順を深掘りします。
Google広告で不承認を受けたら、まずポリシーマネージャーで具体的なポリシー違反の内容を確認します。違反理由がレイヤー(広告文・キーワード・リンク先)のどこにあるかを特定し、該当箇所を修正します。修正して保存すると、多くの場合は自動的に再審査へ回ります。
原因を特定せずに部分的な手直しを繰り返すと、審査期間が無駄に伸びるため、まず理由の確認を徹底します。
Yahoo!広告(LINEヤフー広告)でも、管理画面で否認理由(掲載不可の理由)を確認できます。理由に沿って広告文やリンク先を修正し、再申請すると再度審査されます。Yahoo!はLP審査が踏み込む傾向があるため、広告文だけでなくリンク先の記載まで見直すのが再申請成功のポイントです。
修正しても不承認が続く場合、自動審査の誤検知が疑われます。このときは、媒体のサポートへの問い合わせや異議申し立てが選択肢になります。
株式会社Grillでは、明らかにポリシーに反していないのに自動審査で不承認が続いた広告を扱った経験があります。このケースでは、該当ポリシーと自社広告が抵触しない根拠を整理したうえで異議申し立てを行い、承認を得ました。ポイントは、感情的に「なぜ落ちるのか」を問うのではなく、「どのポリシーのどの条項に、どう適合しているか」を客観的に示すことです。
再審査で状況を悪化させないコツは、修正の順序です。一度に複数箇所を変えると、どの修正が効いたか分からなくなります。原因の可能性が高いレイヤーから1つずつ直し、再審査の結果を確認しながら進めるのが安全です。掲載停止を繰り返すアカウントほど、この地道な切り分けが効きます。
否認や掲載停止が続くアカウントを別の会社に移すときは、審査対応の引き継ぎが落とし穴になります。過去のポリシー違反履歴や修正の経緯を共有しないまま移管すると、同じ理由で再び不承認を繰り返しかねません。審査の状態を正しく引き継ぐことが、乗り換え後の配信を止めないための前提です。

審査対応を外部に任せるなら、審査通過や薬機法・景表法への対応力を軸に選ぶのが実務的です。この章では、審査に強い運用代行・専門機関を6社紹介し、比較表とともに整理します。
まずは6社を横並びで比較します。
| 会社名 | 得意な審査領域 | 料金目安 | 向いている広告主 |
|---|---|---|---|
| 株式会社Grill | 薬機法・景表法対応+審査通過設計 | 出稿10万円〜/手数料10%〜 | コストを抑えつつ規制業種で配信したい広告主 |
| 薬事法ドットコム | 薬機法・景表法の表現審査 | 要問い合わせ | 化粧品・健康食品・医療の表現に不安がある広告主 |
| カルテットコミュニケーションズ | リスティング専業の審査ノウハウ | 広告費の20%目安 | 中小企業で専業代理店に任せたい広告主 |
| 株式会社Union | Google/Yahoo!正規代理店の審査対応 | 広告費の20%目安 | 正規代理店の体制を重視する広告主 |
| 株式会社FORCLE | 運用代行+審査サポート | 要問い合わせ | 運用と審査対応を一括で任せたい広告主 |
| デジタルアスリート株式会社 | 法規制理解に基づく審査通過支援 | 要問い合わせ | 実績豊富な大手に任せたい広告主 |

【薬機法・景表法に準拠したクリエイティブ設計で審査通過まで伴走するマーケティングチーム】
株式会社Grillは、リスティング広告の審査通過を最初から織り込んだ広告設計を得意とするチームです。薬機法・景表法に準拠した広告文・リンク先(LP)の制作フローを整備し、NG語→OK語の言い換え対応表を業種ごとに運用することで、不承認を減らしつつ訴求力を保った配信を実現します。
美容・医療・健康食品といった規制業種でも、審査基準を踏まえた表現設計で配信を安定させます。
万一の不承認時にも、ポリシーマネージャーでの原因特定から修正・再審査、必要に応じた異議申し立てまで対応します。Google広告・Yahoo!広告(LINEヤフー広告)の媒体差を踏まえ、厳しい媒体に合わせた入稿設計で「片方だけ落ちる」事態も防ぎます。
追い審査による掲載停止の初動対応まで、審査に関わる工程を一貫して支援できる点が強みです。
料金は最低出稿10万円〜・手数料10%〜。業界標準の手数料20%に対して半額水準で、AI・自動化ツールを活用した運用効率化がこの料金体系を裏付けています。月額10万円のスモールスタートから大企業の数千万円規模まで、体制を柔軟に構築して対応可能です。
\ 規制業種の審査通過設計に強い /
【無料】Grillに広告運用を無料相談>| 会社名 | 株式会社Grill |
| 所在地 | 東京都渋谷区東3丁目22−14 グランファースト恵比寿 5階 |
| 得意な審査領域 | 薬機法・景表法対応、規制業種の審査通過設計 |
| 料金目安 | 出稿10万円〜/手数料10%〜 |
| 公式サイト | https://grill.co.jp/ |

【薬機法・景表法の広告表現に特化した審査対策の専門機関】
薬事法ドットコムは、薬機法・景表法の広告表現チェックに特化した専門機関です。運用代行というよりも、化粧品・健康食品・医療などの表現が法令に適合しているかを審査・指導する立場から、広告主やクリエイティブ制作の現場を支援します。
効果効能表現の可否判断や、リスクの高い表現の言い換え提案に強く、「配信前に表現の法的リスクをつぶしておきたい」という広告主に向いています。
| 会社名 | 株式会社薬事法ドットコム(薬事法広告研究所) |
| 得意な審査領域 | 薬機法・景表法の広告表現審査 |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
| 公式サイト | https://www.yakujihou.com/ |

【中小企業向けリスティング専業で審査ノウハウを蓄積した代理店】
カルテットコミュニケーションズは、リスティング広告に特化した専業代理店です。長年にわたる運用実績のなかで、Google・Yahoo!双方の審査に関するノウハウを蓄積しており、中小企業の運用代行に強みを持ちます。
専業ならではの審査基準への理解で、入稿規定違反や表現規制を踏まえた広告設計に対応できます。
| 会社名 | 株式会社カルテットコミュニケーションズ |
| 得意な審査領域 | リスティング専業の入稿・審査対応 |
| 料金目安 | 広告費の20%目安 |
| 公式サイト | https://quartet-communications.com/ |

【Google/Yahoo!正規代理店として審査対応まで担う運用会社】
株式会社Unionは、Google・Yahoo!の正規代理店として運用代行を手がける会社です。正規代理店の立場から媒体側の最新の審査基準を把握しやすく、審査対応を含めた運用を任せられます。
正規代理店ならではのサポート体制を重視する広告主に向いています。
| 会社名 | 株式会社Union |
| 得意な審査領域 | Google/Yahoo!正規代理店の審査対応 |
| 料金目安 | 広告費の20%目安 |
| 公式サイト | https://union-company.jp/ |

【運用代行と審査サポートをまとめて依頼できる代理店】
株式会社FORCLEは、リスティング広告の運用代行に加え、審査に関するサポートも提供する会社です。運用と審査対応を切り離さず一括で任せたい広告主に向いています。
配信中の改善提案とあわせて、不承認時の原因切り分けにも対応します。
| 会社名 | 株式会社FORCLE |
| 得意な審査領域 | 運用代行+審査サポート |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
| 公式サイト | https://forcle.co.jp/ |

【法規制の理解に基づく審査通過支援に強い実績豊富な代理店】
デジタルアスリート株式会社は、豊富な運用実績を持つ大手の広告代理店です。法規制への理解に基づいた審査通過支援を得意とし、審査基準や再審査に関する情報発信にも積極的です。
実績と情報量を重視して大手に任せたい広告主に向いています。
| 会社名 | デジタルアスリート株式会社 |
| 得意な審査領域 | 法規制理解に基づく審査通過支援 |
| 料金目安 | 要問い合わせ |
| 公式サイト | https://ppc-master.jp/ |
審査対応まで代理店に任せる場合、運用手数料がどれだけ上乗せされるのかは事前に把握しておきたいところです。手数料の算定方式や内訳ごとの見方を押さえておくと、各社の見積もりが妥当かを判断しやすくなります。料率の構造や各社の手数料水準は、運用代行会社を横並びで比べた次の記事が判断の物差しになります。
各社の費用感を横並びで確かめたい方は、「リスティング広告の運用代行おすすめ20社|費用相場・料金体系・選び方」もあわせてご覧ください。
小さな予算からスタートしたい広告主には、審査対応まで任せられて費用を抑えられる依頼先が理想です。月10万円前後の出稿でも審査代行まで頼めるパートナーを選べば、審査対策とコストの両立が現実的になります。探し方は次の記事で紹介しています。
少額予算で任せられる依頼先を探している方は、「低予算・少額対応可能なリスティング広告代理店おすすめ15社|費用相場と選び方」をご参照ください。
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最後に、審査をめぐって現場で頻繁に寄せられる疑問を整理します。汎用的なFAQではなく、リスティング広告 審査に固有の設問に絞って回答します。
まず、審査中のステータスが目安時間(Googleは数時間〜1営業日、Yahoo!は最大3営業日)を超えているかを確認します。目安を大きく超えている場合、Google広告では優先審査の申請(審査中が24時間経過している広告が対象)が選択肢になります。それでも動かないときは、入稿内容に手動審査を要する要素がないかを見直します。
審査は自動審査を中心に土日祝でも進むことがありますが、手動審査が絡む広告は営業日ベースで動くため、休日をまたぐと遅れます。年末年始・GWなどの長期休暇前は入稿が集中し、審査期間(営業日)が通常より延びます。配信開始日が決まっているなら、休暇前は5営業日程度の余裕を見て入稿するのが安全です。
承認済みの広告が後日止まる主な原因は追い審査です。配信データの蓄積、リンク先(LP)の内容変更、ポリシー改定などをきっかけに再審査が行われ、掲載停止に切り替わります。承認は一度取れば終わりではないため、ステータスの定期確認と、LP更新時の広告文との整合性チェックを習慣にしておくことが重要です。
商材が規制業種でなく、入稿規定と基本ポリシーを押さえられるなら、自社対応でも十分に審査は通せます。一方、薬機法・景表法が絡む業種や、不承認・再審査が繰り返される状況では、審査に強い代理店・専門機関に任せたほうが合理的です。判断軸は「法規制リスクの大きさ」と「社内で表現の可否を判断できる人材がいるか」の2点になります。
外注を選ぶときは、実績や料金だけでなく、審査対応をどこまで担ってくれるかも見比べたい要素です。薬機法や景表法が絡む業種ほど、審査に強い会社かどうかが成果を左右します。外注先を見極める観点は、次の記事で整理しています。
依頼先のタイプごとの見極め方を確認したい方は、「リスティング広告代理店の正しい選び方|タイプ別の見極め方とおすすめ16社」で詳しく解説しています。
審査代行を含めて総額でいくらかかるのかは、予算設計の段階で押さえておくと判断がぶれません。審査対策にかける費用も、手数料や広告費を含めた全体予算の中で位置づけると無理がありません。費用の全体像は次の記事で確認できます。
広告費と手数料を含めた総額の目安を知りたい方は、「リスティング広告の費用相場|業種別CPC・CPAと予算別運用パターン」もあわせてご確認ください。

審査は、配信開始を遅らせる障害物ではなく、通過設計を先に織り込んでおけば安定配信の前提に変わります。不承認が出てから慌てて直すのと、入稿前に審査基準を踏まえて設計するのとでは、立ち上がりのスピードも、機会損失の大きさもまったく異なります。
審査を味方につけるうえで、次に取るべき行動はシンプルです。まず、自社の広告文とリンク先を5レイヤーで一度点検します。そのうえで、規制業種であれば表現の可否を先に確定させておくことが、不承認による配信停止を防ぐ最短ルートになります。
規制業種で「表現を守ると訴求が弱くなる」「不承認が続いて配信が止まる」という壁に当たっているなら、審査を前提にした広告設計に切り替えるタイミングです。株式会社Grillは、薬機法・景表法に準拠した広告文・リンク先の制作フローと、業種別のNG語→OK語対応表を土台に、審査を通しつつ訴求力を落とさないクリエイティブを設計します。
Google広告・Yahoo!広告(LINEヤフー広告)の媒体差を踏まえた入稿設計で「片方だけ落ちる」事態を防ぎます。万一の不承認時には、ポリシーマネージャーでの原因特定から再審査・異議申し立て、追い審査による掲載停止の初動まで対応します。
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